『Sexual Drive』“食” が本能を強烈に刺激する、新感覚ブラックコメディ! 公開初日舞台挨拶に芹澤興人、武田梨奈、 橋本マナミ、吉田浩太監督が登壇!

  • 2022年04月30日更新

『愛の病』や『オチキ』の吉田浩太監督によるオムニバス三部作映画『Sexual Drive』が、2022年4月29日(金)より新宿武蔵野館にて公開され、新宿武蔵野館で行われた公開初日舞台挨拶に、芹澤興人、武田梨奈、橋本マナミ、吉田浩太監督が登壇した。


“食”を通じて人間の秘められた欲望を暴く! 豪華キャストの怪演で描く衝撃の連作短編

本作は、“食”を通じて人間の秘められた欲望を暴露していく連作短編映画。 芹澤興人演じる謎の男・栗田の登場により、登場人物たちの内なる性(セクシャル)衝動(ドライブ)が暴かれていく新感覚ブラックコメディだ。芹澤のほか、池田良さとうほなみ尚玄、武田梨奈、橋本マナミ、中村無何有ら豪華キャストたちの怪演も大きなみどころ。エロスと食の濃厚なシズル感に、ドキドキが止まらなくなる。劇的な刺激体験を味わいたいなら、迷わず映画館へ!

舞台挨拶レポート

4月29日(金・祝)の新宿武蔵野館。公開初日上映後の舞台挨拶に芹澤興人、武田梨奈、橋本マナミ、吉田浩太監督が揃って登場した。

監督絶賛! 橋本まなみが納豆を食すシーンの美しさとエロス

吉田監督は、「この映画は三編からなるんですが、『納豆』という映画を撮ったのは4年前でした。そこから2年後に続編を撮って。こういう形で公開できたことが本当に夢のようです」と感無量の様子で述懐。

第一部「納豆」に真澄役で出演した橋本は「会話のシーンがものすごく想像力をかき立てられて。わたしも普通にいち観客としてドキドキしました。『吉田監督は変態なんだな』『これは実体験なのかな』と思いながら観ていましたね」と笑顔を見せると、吉田監督が「そうだと思います」とまんざらでもない様子で返し、会場は笑いに包まれた。

「納豆」の劇中では、ネバネバとまとわりつくような納豆を橋本がねっとりと食べるシーンがあり、その匂い、ネバネバなどがセクシャルなイメージを喚起させる。そのシーンの撮影について「撮影が4年前なので、細かいことは忘れてしまったのですが、とにかく糸を引いて食べるというような指導があったと思います」と振り返った橋本。

その言葉を受けた吉田監督は「橋本さんは本当にすばらしかった」と語ると、「この企画は本当に小さなところから始まったんです。正直、スタッフも少人数で、製作も全部僕がやるような現場だったんですけど、橋本さんにダメ元でオファーを出してみたら、本当に来てくださった。スタッフがいなかったので、自分でご飯をよそったり、納豆を用意してくださったりして。めちゃくちゃすばらしい人だなという印象しかない」と述懐。橋本も「あの時は劇場公開も決まっていなかったですが、現場は楽しかったですね」と語るなど、和気あいあいとした撮影現場だった様子を想像させた。

そんな橋本に対して「よく受けてくださったなと。大丈夫だったんですか?」と不思議そうな顔を見せた吉田監督だったが、橋本は「そこはNGはないんですよ」と即答。「ある意味でそう(納豆にからめたエロスと)思われてもいいというか。あの時はグラビアをやっていた時期だったんですが、グラビアも表現のひとつですし、ああいう妄想の中にあるエロスもすてきだなと思ったので。そこは抵抗はありませんでした」とキッパリ。吉田監督も「それを聞いて安心しました」と安堵の表情を見せた。

「食べることと、セクシャルなことは本能に訴えかける」(芹澤)

全編を通して出演する謎の男・栗田役の芹澤は「やはり食べることと、セクシャルなことは本能に訴えかけるというか、そこへつながる想像力というものを吉田監督が信じていたんだなというのはすごく伝わりました」と感慨深げにコメント。

栗田の得たいの知れない不気味さ、訝しさに嫌悪感を覚えながらも、登場人物たちはなぜかこの男の話に引き込まれていく。キャスト全員の怪演が見どころだが、芹澤の演技と存在感が本作の大きな要になっているのは瞭然だ。

「このタイトルに一瞬、台本を開くのをためらった」(武田)

第三編「背油大蒜増々」に桃花役で出演した武田は、「最初に台本をいただいた時、このタイトルなので一瞬、台本を開くのをためらってしまったんですが、実際に読ませていただくとなんて面白い発想なんだろうと思って。わたし自身、グルメのドラマをやらせていただいているので、こういった表現ができるのか。正直、不安もあったんですが、でも面白いドライブにわたしも乗っかりたいと思いました」と振り返る。

「(武田さんは)ラーメンに興奮するという芝居を見事にやってのけた」(吉田監督)

武田は、オファー時点ですでに完成していた「納豆」を観たことが、本作の企画に興味を持ったきっかけにもなったという。「性というものを表現しているんですけど、まったく下品ではないというか。橋本さんもすごく美しかったですし、そこに惹かれたのでやりたいなと思いました」と述懐する武田だが、そんな彼女が出演する「背油大蒜増々」では、武田がギトギトの濃厚ニンニクラーメンを食すシーンが映し出される。

そんな武田の芝居を「ある種、対ラーメンとの芝居だと思うんですが、本当にそれがめちゃくちゃうまくて。ある種、ラーメンに興奮するという芝居だと思うんですが、それを見事にやってのけたんです」と称賛する吉田監督。その言葉に武田は「わたしはラーメンとのアクションシーンという気持ちでやっていました。やはりラーメンはインパクトの強い食なので、負けないようにという気持ちでやっていました」と明かした。

「性を閉ざすのではなく、開いていくことを肯定的に描く。そして生きることを肯定的に捉えたい」(吉田監督)

最後のメッセージを求められた橋本は「どの作品も違う感じの想像をかき立てられる作品。ぜひお友だちを誘ってまた来てください。それとこの作品は大音量で感じてほしい作品なので、ぜひ劇場で観てほしいです」とあいさつ。続く武田は「ちょうどゴールデンウィークに公開される映画ですが、その中にこういう映画があっても面白いなと。フラッと劇場に立ち寄って、この世界に入り込んで。自分の知らなかった感情や、想像力を見つけたりしながらこの作品を楽しんでいただければ」とコメント。

続いて芹澤が、「4年前に吉田さんが誰から頼まれたわけではなく、自分が撮りたいと思ったものを、すごく純粋な気持ちでやり始めた作品。それが劇場公開というところまで持っていってくれたので、吉田さんには感謝しています」としみじみ語ると、最後に吉田監督が「このご時世、なかなか性のことを声高に言うのは遠慮されるというか、言い出しづらい世の中ですが、僕はずっと性というのものを描き続けていて。性を閉ざすのではなく、開いていくことを肯定的に描く。そして生きることを肯定的に捉えるということをずっと描きたいと思っていて。そういう意味で、この映画は僕の中で集約したものかなと思っています。タイトルはこういう感じですが、一度劇場に足を運べば楽しい映画なので、ぜひ劇場にお越しいただければ」とメッセージを送り、舞台挨拶は盛況のうちに幕を閉じた。

作品・公開情報

映画『Sexual Drive』ポスタービジュアル「納豆」「麻婆豆腐」「背油大蒜増々」食にまつわる 3つの連続短編を通じて登場人物たちの内なる性(セクシャル)衝動(ドライブ)を暴露していく新感覚ブラックコメディ。【栗田】という謎の男の登場により、が暴かれていく『恋人たち』の池田良、『光』の橋本マナミ、『彼女』のさとうほなみ、『ワカコ酒』の武田梨奈『GENSAN PUNCH 義足のボクサー』の尚玄、『あの頃。』の芹澤興人と、豪華なキャストが吉田浩太監督の独自な世界観に出演を快諾。各々キャラクターの暴露される性を、大胆かつ、衝動的に演じてみせた。

(2021年/日本/70分)監督・脚本:吉田浩太 出演:池田良、さとうほなみ、尚玄、芹澤興人、武田梨奈、橋本マナミ、中村無何有 ほか 配給:シャイカー © SHAIKER

※2022年4月29日(金)より全国順次公開 公式サイト

(編集:min)

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