『愛なのに』先行上映会に瀬戸康史、さとうほなみ、城定秀夫監督が登場! 濡れ場のシーンは、城定監督が助監督の男性と……!?

  • 2022年02月17日更新

映画『愛なのに』先行上映レポート_3ショット

2022年2月10日(木)、新宿武蔵野館にて、城定秀夫と今泉力哉による新たなプログラムピクチャー企画「L/R15(えるあーるじゅうご)」の “L” にあたる映画『愛なのに』の先行上映会が行われ、主演の瀬戸康史さん、共演のさとうほなみさん、城定秀夫監督が舞台挨拶に登壇した。


異色コラボによる新企画「L/R15 」から
城定監督×今泉脚本『愛なのに』を先行上映

今最も注目されている監督のひとり今泉力哉と、Vシネマ・ピンク映画界のトップランナーにして2020年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督が、互いに脚本を提供しあってR15+のラブストーリー2本を制作するという、異色コラボによる新たなプログラムピクチャー「L/R15 」。そのLにあたる映画『愛なのに』が2月25(金)より公開となる。

今回、先行上映会が開かれた本作は、古本屋の店主と店主に求婚する女子高生、店主の憧れの女性とその夫など、一方通行の恋愛が交差し二転三転する先の読めないラブコメディだ。

今まで演じた役より繊細に役作りをして挑んだ

映画『愛なのに』先行上映レポート_瀬戸康史

古本屋店主・多田浩司を演じるのは、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍中の瀬戸康史。女子高校生から突然プロポーズされる多田を演じた瀬戸は、いまいち掴みきれない「脚本では、何気ない刺激の少ない毎日をなんとなく過ごしている人物だったので、フワッとしていたいなと思っていましたね。撮影でお借りした古本屋さんが実際にあるお店だったので、その建物が持っている空気も伝わってきて、どうやったらその場に馴染めるのかということを考えていました」とコメント。

多田のひげは瀬戸のアイデアだったそうで、それ以外の役作りについても「今まで演じてきた役よりは、声のボリュームやトーンも含め、より繊細なお芝居をしました」と振り返った。すると、隣でそれを聞いていた城定監督が「瀬戸さんがこの作品に出てくれるなら、店に馴染んでも馴染まなくてもどちらでもよかったです(笑)」と返し、会場を沸かせた。

みんなちょっとずつおばかちゃん。ホッとする可愛らしい映画

映画『愛なのに』先行上映レポート_さとうほなみ
多田の憧れの女性・一花(いっか)を演じたさとうほなみは、「一花は、普通に恋愛もして、結婚式も控えて幸せに見えるんですが、婚約者にひどいことをされまして、ある行動に出ます。自分の中での一花は、猪突猛進な女性。こう!と決めたらそれしか見えなくなってしまうところが、可愛らしいなと思いました」と役柄を分析。

本作の感想を求められた瀬戸とさとうは「本当に変な人しか出てこない、特殊なラブストーリー」(瀬戸)、「みんなちょっとずつおばかちゃんだなというイメージ。ホッとする可愛らしい映画になっていると思う」(さとう)とそれぞれコメント。この言葉を受けて、トークは、多田と一花以外の “真っ直ぐで厄介な” キャラクターたちについての話に。

さとうは、中島歩演じる一花の婚約者の亮介を挙げ「言葉を選ばずに言うと、すばらしきクズだと思いました!」とキッパリ。瀬戸は「亮介は嘘がうまいですよね……。一花もなんで今まで(彼の素性に)気づかなかったんだろう?」と賛同しつつ、「中島さんもチャーミングでしたけど、丈太郎くん演じる高校生の正雄がかわいいです。(多田に告白してくる)岬といい、高校生2人はピュアでほっこりしちゃいますね」と“推し”について語った。

濡れ場のシーンは、城定監督が助監督の男性と “実践”!?

こうした突飛なキャラクター造形について、城定監督は「みんなの行動原理はなかなか読めないけど、深く考えずに『こういう人である』として描こうと思ったんです。あまりわかりすぎてしまうと面白くないから、曖昧な部分を残してキャラクターを作り上げていきました」とこだわりを明かした。

城定監督とは初めての仕事となった瀬戸とさとう。瀬戸は「城定監督はめちゃくちゃ照れ屋さんなんです。小道具を動かすついでに話しかけてくれたりとか。でもそんなシャイな監督が、濡れ場のシーンで助監督の男性と一緒に “実践” してくださったんですよ。そこは大胆なんだ!と(笑)。普段とのギャップにびっくりしましたし、僕なんかが恥ずかしがるなんて申し訳なく思いましたね」と述懐。さとうも「私も監督と助監督のシーンが何ヶ月も焼き付いて離れない! いま映画を見終わった後の皆さんは、私たちのシーンをぜひ監督と助監督さんの姿に変換していただいて……(笑)」と笑わせた。

それを受けて城定監督は「瀬戸さんが濡れ場を演じるのは初めてということで、僕自身もどう撮ろうかと緊張していたんですよ。昔はよく実践していたので、久しぶりにやりました。ああいうシーンでしか今泉さんに勝てないと思ったので(笑)」と苦笑い。続けて「素晴らしいキャストやスタッフに恵まれて、素晴らしい映画になりました。自信作です」と意気込みをのぞかせた。

最後に挨拶を求められた瀬戸は「(それまで刺激のなかった)多田の世界が少しだけ広がっていくという話でもあります。この作品を観て、みなさんの世界も何か変わってくれるといいなと思います。そして、僕自身、いまだに分からないのが、タイトルの「愛なのに」に続く言葉。皆さんにもぜひ考えていきたいです」と締め括った。

『愛なのに』は2022年2月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

【L/R15(えるあーるじゅうご)とは? 】
『愛がなんだ』『アイネクライネナハトムジーク』 『mellow』『his』『あの頃。』『街の上で』『かそけきサンカヨウ』と続々話題作が公開。今最も注目されている今泉力哉監督×Vシネマ・ピンク映画界のトップランナーにして2020年は『性の劇薬』『アルプススタンドのはしの方』が連続ヒットとなった城定秀夫監督がお互いの脚本を提供し合いR15+のラブストーリー2本を制作。異色のコラボレーションによる新たなプログラムピクチャー。

 

公開・作品情報

【story】古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、昔のバイト仲間、一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。その古本屋には、女子高生・岬(河合優実)が通い、多田に一途に求婚してくる。一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。結婚式の準備に追われる彼女は、亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が男女の関係になっていることを知らずにいて……。

映画『愛なのに』ポスター▼『愛なのに』(2021年/107分/日本)
監督:城定秀夫 脚本:今泉力哉 城定秀夫
出演:瀬戸康史、さとうほなみ、河合優実、中島歩、向里祐香、丈太郎、毎熊克哉、オセロ(猫)
製作:與田尚志・久保和明・直井卓俊
エグゼクティブプロデューサー:佐藤現 プロデューサー:久保和明 企画:直井卓俊
音楽:林魏堂 撮影:渡邊雅紀 照明:小川大介 録音:松島匡 美術:禪洲幸久 スタイリスト:小宮山芽以 ヘアメイク:唐澤知子
助監督:山口雄也 編集:城定秀夫 スチール:柴崎まどか
主題歌:みらん「低い飛行機」(作詞・作曲:みらん/プロデューサー:曽我部恵一)NOTT・felicity・P-VINE RECORDS
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
製作:2021『愛なのに』フィルムパートナーズ(東映ビデオ・レオーネ・SPOTTED PRODUCTIONS)

©2021『愛なのに』フィルムパートナーズ

●『愛なのに』公式サイト

※2022年2月25日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開

  • 2022年02月17日更新

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