20分超えのワンショット! 一本の電話を通して描き出す家族の葛藤―小林尚希監督『チチキトク』がOmeletoにて世界配信中!

  • 2024年03月02日更新

映画『チチ キトク』
助監督としてさまざまな映画やテレビドラマの現場に携わり、ビデオカメラマンとしても活動する新鋭・小林尚希がオリジナル脚本で初監督を務めた短編映画『チチキトク』が、世界最大のショートフィルム専門Youtubeチャンネル“Omeleto”で現在配信中だ。主演を務めるのは関幸治、その兄を津田寛治が演じる。
(“Omeleto” の詳細はページ下の ”Omeleto”について へ)


一本の電話を通して明らかになる弟と兄、そして父との葛藤

弟と兄、そして父との秘められた葛藤が一本の電話を通して明らかになっていく様子を、20分超えのワンカットで描く本作。

主人公の弟・良太を演じるのは、『やりたいふたり』(谷口恒平監督)ほか映画、ドラマ、CMと幅広く活躍し、多くの監督たちが信頼を寄せる実力派俳優、関幸治。兄・太一を演じるのは日本映画界に欠かせない名優・津田寛治。しかし、実際に画面に登場するのは関が演じる弟のみ。物語は、兄から弟へかけた電話のやりとりを通して描かれていく。

15年会っていない兄と話す気まずさ、突然聞かされた父の現状への戸惑い、苛立ちやわだかまりと共に拭いきれない愛情……良太の心の機微が声や表情から伝わってくると同時に、歩く速度、足を止める仕草、方向転換といったシンプルな動きから、言葉以上の思いまでもが見えてくる。そうした感情の流れを途切れることなくワンカットで捉えた監督の胆力と、家族の関係性やそれぞれの人物像までをさりげなく浮かび上がらせる脚本の妙に引き込まれた。シンプルにして大胆――そんな本作に向け、“Omeleto”のコメント欄には海外の視聴者からも多数の賞賛が寄せられている。

小林監督に本作の見どころをたずねると、「数多くのワンカット映画がありますが、本作は特にその必然性が強く認識できるものとなっていると思います。それは、二十数分という時間の中で、主人公の人生が強く、そして明確に描かれているからです。本作で描かれる彼の時間、そして変化は普遍的で、ご覧になってくださった方の心に届くと同時に、まだ見ぬ映画体験をご提供できると確信しています」と力強く答えてくれた。

 『チチキトク』
“Omeleto”にて世界配信中

視聴URLをクリック
https://youtu.be/1oyyECUmHyc?si=lZKw1dR5PDq7tyfZ

映画『チチ キトク』
▼『チチキトク』
(2022年/日本/23分/シネマスコープ)
英題:FATHER SERIOUSLY ILL
出演:関幸治、津田寛治 / Q本かよ、おのさなえ、渡辺真良嘉、末次寿樹、末次桃亜
監督・脚本:小林尚希
撮影:石塚崇寛 録音:高橋玄、堀修生 衣装:大友良介 監督補:直井佑樹 助監督:長谷川卓也 制作担当:佐直輝尚
撮影助手:渡慶次勇太 DIT:秦勝行 カラリスト:伊藤創太 英語字幕:蔭山歩美、 Janelle Bowditch 制作:穴田香織、對馬和則、関谷友里子

小林尚希監督プロフィール

小林尚希(こばやし・なおき)/監督・脚本
1982年生まれ、東京都出身。
大学卒業後、日本映画学校(現、日本映画大学)にて映画製作を学び、卒業後はフリーの助監督として映画やテレビドラマの現場に携わる。
現在はビデオカメラマンとして活動するほか、近しい映画仲間の作品に参加。近年の参加作品に『カゾクデッサン』(今井文寛 監督)、『誰かの花』(奥田裕介 監督)などがある。
【SNSアカウント】 X instagram

“Omeleto”について

次世代の優れた映画制作者による
良質な短編映画と出会えるYouTubeチャンネル

Omeleto” は、YouTubeをプラットホームに高品質な短編映画をセレクト&配信している世界最大のショートフィルムチャンネル。次世代の映画制作者と世界中の映画ファンを結ぶ新たな試みとして、現在(2024年3月2日時点)約800本のショートムービーを配信している。

YouTubeのチャンネル登録者数は372万人、さらにFacebookInstagramX をあわせると約530万人のフォロワーと毎月数千万人の視聴者を擁しており、国・人種・世代・性別をこえた幅広い層の映画ファンにリーチしているのが特長だ。

公募で選ばれた配信作品は、ストーリー性に優れ、感情に訴えかける作品が多く、視聴者は幅広い短編映画のラインアップから、新たな才能や作品と出会う楽しさを享受できる。映画制作者にとっては、インプレッション数・クリック率・視聴時間といったYouTubeならではの指標や、コメント・GOODボタンの数といったダイレクトな反応を知ることができ、透明性の高いフィードバックを得ながら、より多くの人々に作品をプレゼンテーションできるのも魅力だ。

【参照サイト】
”Omeleto”YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/c/Omeleto
FilmFreeway ”Omeleto” https://filmfreeway.com/Omeleto?action=show&controller=festivals

(編集・文:富田旻)

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