横浜 シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画『誰かの花』— カトウシンスケ、吉行和子、高橋長英、劇場支配人のコメントと予告編解禁

  • 2021年10月14日更新

横浜 シネマ・ジャック&ベティ
30周年企画映画
『誰かの花』

第34回東京国際映画祭
「アジアの未来」部門正式出品

横浜のミニシアター「シネマ ジャック&ベティ」の30周年を記念して企画・製作された映画『誰かの花』。第34回東京国際映画祭「アジアの未来」部門にも正式出品される本作の予告編が解禁され、カトウシンスケ、吉行和子、高橋長英らメインキャストと劇場支配人の梶原俊幸氏によるコメントも併せて発表された。


団地のベランダから落ちた「誰かの花」をめぐる、偽りと真実の数々

横浜郊外のとある団地のベランダから鉢植えのパンジーが落ち、通りがかりの住民に直撃し死亡する事件が起きた。事件なのか事故なのか、ベランダから鉢植えが落ちた住民への視線、隣に住む認知症の父に疑念を持つ息子、亡くなった住人の家族、それぞれが出会い、そして真実が明らかになる……。

「シネマ・ジャック&ベティ」の30周年を記念して企画・製作された本作。監督を務めたのはこれが長編二作目となる奥田裕介だ。前作『世界を変えなかった不確かな罪』(2017)がコアな映画ファンを中心に高い評価を受け、ドキュメンタリー映画の構成やMVの脚本・監督、舞台への脚本提供・作・演出など多彩に活躍する奥田監督は、横浜出身であるからこその目線でそこに住まう人々の姿と心を丁寧に描き出している。

誰を憎めば終わるのか、誰を赦せば進むのか——それぞれの想いと、悲劇と救い

キャストには、カトウシンスケ、吉⾏和⼦、⾼橋⻑英、和⽥光沙、テイ⿓進、篠原篤といった実⼒派俳優が名を連ねる。さらに、注目の新進女優・村上穂乃佳や、横浜に縁の深い⼤⽯吾朗、渡辺梓、寉岡萌希、堀春菜、笠松七海ら個性豊かな役者たちが集結した。本格的な映画出演が初めてという⼦役・太⽥琉星の演技⼒にも注目だ。

解禁された予告編では、団地のベランダから落ちた植木鉢と悲痛な事故を巡る登場人物たちの葛藤が色濃く描かれる。事故の本当の加害者は父ではないかと疑念を抱く息子とヘルパー、おぼろげな意識の父と寄り添う母が息子に告げた言葉、突然の事故に打ちひしがれる被害者の母・子の憎しみの行く先……。 「誰を憎めば、終わるのか」「誰を赦せば、進むのか」。横浜を舞台に描かれる人間ドラマ、その登場人物たち一人ひとりの想いから目が離せなくなる。

出演者&劇場支配人コメント(敬称略)

▼カトウシンスケ/野村孝秋 役

奥田監督の強い想いと、冷静なシンとした意志が渦巻いた、静かな暴風雨の様な映画でした。断固たる決意で臨むとても辛く楽しい撮影でした。それはこれからも、これまでを背負って生きるぞという僕達の宣言でした。

正義でも悪でもなく、なんならそんな事もよく分からないまま生きるしかない私やあなたもいる。生き残ろうとする私やあなたを、肯定も否定も出来ない僕だけど、ぎゅーっとしてあげたい。
この映画をご覧になる皆様がどのようにこの映画を完成させていってくれるか楽しみです。


▼吉行和子/野村マチ 役

厳しさと、優しさが満ちていました。
奥田監督の、想いが画面いっぱいに映し出されていました。

撮影はコロナ禍真っ最中でかなり大変でしたが、それが、緊張感につながり、皆んなの心が一つになりました。
素敵な作品に参加させて頂き、嬉しかったです。


▼高橋長英/野村忠義 役

奥田監督の経験を元にした脚本は、辛さとそれを乗り越えた強く優しい想いが感じられました。

長い人生の中では、自分の頑張りが報われなかったり、思いに反して起こる出来事に巻き込まれる事も多いけど、人はそれを乗り越える力を持っている。
年齢や立場により違った見方の出来る作品だと思います。


▼梶原俊幸/横浜シネマ・ジャック&ベティ支配人

最高に良い意味で、30周年という浮かれ気分を吹き飛ばしてくれる、人に真摯に向き合った作品でした。世の中がより、柔軟さや想像力、あいまいなことへの許容力が欠けてきていることに気づかせてくれる作品です。必ず誰しもに濃厚な余韻を与えるはずです。
横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年の節目に、我々は、今後もこういう作品を上映していくべきなんだと、気持ちを新たにしました。

作品・公開情報

▼奥田裕介監督 プロフィール

1986年生、神奈川県出身。
日本映画学校(現・日本映画大学)で映画制作を学ぶ。
映画やドラマの現場で演出部や制作部を経験。
ドキュメンタリー映画の構成、ミュージックビデオの脚本・監督、舞台でも脚本提供や作・演出など多岐にわたり活動。
本作が『世界を変えなかった不確かな罪』(2017年)に続く劇場公開作品二作目となる。


▼『誰かの花』

(2021年/日本/115分/5.1ch/アメリカンビスタ)
英題:Somebody’s Flowers
脚本・監督:奥田裕介
出演者:カトウシンスケ、吉行和子、高橋長英、和田光沙、村上穂乃佳、篠原篤、太田琉星、大石吾朗、テイ龍進、渡辺梓、加藤満、寉岡萌希、富岡英里子、堀春菜、笠松七海

撮影:野口高遠 照明:高橋清隆 録音:高島良太 衣装:大友良介 ヘアメイク:ayadonald / 大久保里奈 制作:佐直輝尚 助監督:松村慎也、小林尚希、高野悟志
音楽:伴正人 整音:東遼太郎
エクゼクティブプロデューサー:大石暢、加藤敦史、村岡高幸、梶原俊幸
プロデューサー:飯塚冬酒
製作:横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会
宣伝・配給:GACHINKO Film

【STORY】鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけであった。
強風吹き荒れるある日、事故が起こる。団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける騒動となったのだ。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。だがベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が……。
一転して父への疑いを募らせていく孝秋。「誰かの花」をめぐり繰り広げられる偽りと真実の数々。それらが亡き兄の記憶と交差した時、孝秋が見つけたひとつの〈答え〉とは。

『誰かの花』公式サイト

※2021年12月18日(土)~12月24(金)横浜ジャック&ベティ先行上映
2022年1月29日(土)より横浜ジャック&ベティ、ユーロスペースほか全国順次公開

(編集:min)

  • 2021年10月14日更新

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