『1人のダンス』— 待望の拡大上映! アツい衝動が再びスクリーンを駆け抜ける!

  • 2019年08月01日更新

池袋シネマ・ロサをアツい感動で包んだ『1人のダンス』が拡大上映!

今年5月に池袋シネマ・ロサの「新人監督特集Vol.3」で上映され大盛況を博した映画『1人のダンス』が、8月10(土)〜16日(金)の東京・UPLINK渋谷での上映を皮切りに、神戸・元町映画館、名古屋・シネマスコーレで順次上映される。

<音楽×映画>をコンセプトにした映画制作プロジェクト「MOOSIC LAB2018」の“短編部門” で、監督・主演を務めた安楽涼が「男優賞」に輝いた作品だが、劇場公開されるのは60分の“長編版”だ。

駆け出しのMV監督・安楽が、親友でアーティストのリュウイチからMV撮影を断られ、激しい怒りと衝動に駆られる姿を描いた本作は、安楽監督と実の親友であるOOPARTZのRYUICHIとの実際のケンカを、本人出演で映画化した異色の青春映画。リアルとフィクションの垣根を越えた生々しい感情がスクリーンにほとばしり、シネマ・ロサの上映時には熱烈なサポーターやリピーターが生まれるなど、大きな反響を得た注目作だ。

惰性の日々のなか、衝動のダンスが蠢(うごめ)き出す……!

目の前の事に甘える駆け出しのMV監督である安楽は、日々の小さな金を稼ぐため、売れないアイドルの撮影をして生活をしていた。事務所から、作品のクオリティを無視した要求を押し付けられても、惰性で仕事を続けていく日々。金、女、プライド——安楽は次第に大事なものを見失っていく。

そんななか、親友でアーティストのリュウイチから突然MV撮影を断られた安楽は、全身を震わすような激しい怒りとイラ立ちを爆発させる。そして、安楽の衝動のダンスが蠢(うごめ)き出す……。

劇映画としてのエンターテインメント性と、リアルな感情を融合

「この映画を作るしかなかった」。
その言葉どおり、安楽監督は自身のリアルな怒りと衝動と焦燥感を全身全霊でこの作品にぶつけている。恥ずかしい部分すらさらけ出してのたうち回る姿は、まるで、激しい独りよがりのダンスだ。

その姿をスクリーンを通して観ながら、不覚にも隠していたはずの心の傷が共鳴して疼き出す。その痛みは、自分が弱者であることをまざまざと自覚させる。怒り、苦しみ、悲しみ……仕舞い込んでいた感情が溢れ出し、いつのまにかスクリーンの中の安楽に自分を投影させ、一緒に全力で走っていた。

安楽涼が体現する「安楽」のリアルな感情と劇中を流れる疾走感が、本作の一番の魅力だ。しかし、安楽とリュウイチの個人的なケンカを、エンターテインメントとして昇華させたのは、片山涼の脚本と、片山、出倉俊輔、佐藤睦、大須みづほ、片山享、大宮将司、森本のぶといった、個性あふれる俳優陣の魅力にほかならない。さらに、忘れてはならないのが、音楽の力だ。今作のために書き下ろされた「1人のダンス」のエモーショナルな歌詞とメロディがなければ、やはりこの作品はここまでの魅力をもって成り立たないだろう。

リアルで真っ直ぐな感情と、劇映画としてのエンターテインメント性を融合し、溢れる感情がスクリーンにほとばしる本作は、きっと多くの人の心を疼かせるはずだ。一発本番でしか撮れなかった奇跡のラストカット——安楽とリュウイチの対峙シーンを含め、ぜひその全貌を劇場で目撃してほしい。

 

映画『1人のダンス』予告編映像

▼『1人のダンス』作品・公開情報
(2019年/日本/DCP/ステレオ/58分)
監督・編集:安楽涼
脚本:片山享
撮影:深谷祐次 録音:坂元就、木村聡志
音楽:OOPARTZ ヘアメイク:福田純子 水中撮影:橋本芳紀
出演:安楽涼、RYUICHI(OOPARTZ)、出倉俊輔、佐藤睦、大須みづほ、片山享、大宮将司、笠井里美、藤本沙紀、伊藤まさね、朱哩、ボブ鈴木、宮寺貴也、アフロ後藤、キャッチャー中澤、葉夏、新野美紀子、森本のぶ
企画協力:直井卓俊
制作:すねかじりSTUDIO ©すねかじりSTUDIO

『1人のダンス』公式サイト

<上映予定>
2019年8月10日(土)~8月16日(金) 東京・UPLINK 渋谷
2019年8月31日(土)~9月6日(金) 神戸・元町映画館
2019年秋頃 名古屋・シネマスコーレ

関連記事:
生々しい感情と疾走感がスクリーンにほとばしる異色の青春映画!—『1人のダンス』安楽涼監督インタビュー

文:min

  • 2019年08月01日更新

トラックバックURL:https://mini-theater.com/2019/08/hitorinodance/trackback/