自分自身を体現する場所を求めて—『アリスの住人』主演・淡梨さんインタビュー

  • 2021年12月02日更新

家庭養護施設「ファミリーホーム」を舞台に、児童虐待の悲しみやトラウマを抱えながらも強く生きようとする少女たちの成長を描く澤佳一郎監督の最新作、『アリスの住人』。本作で樫本琳花さんとともにW主演を務めるのが淡梨さんだ。モデルとしてデビューし、上田慎一郎監督『スペシャルアクターズ』(2019年)の教祖役で注目を集め、今作では主人公つぐみの心を開くキーパーソンとなる賢治役を演じる淡梨さん。本作に込めた思いと、素顔の魅力にも迫った。

(取材:min 撮影:ハルプードル 衣装協力:TOGA VIRILIS)


 映画の中の世界で、普通にしゃべったり生きたりしたかった

— 澤監督のワークショップ(以下、WSと表記)に参加されたことがきっかけで本作にご出演されたそうですが、どんな内容のWSだったのですか?

淡梨さん(以下、淡梨):オーディションを兼ねたWSで、数日行われていたうちの1日に参加させていただきました。最初にエチュードがあって、そのあとはペアを組んで「コンビニ」という題材から発想を膨らませて演技をする時間などがありました。澤さんは演技を見ているというより、即興を交えながらそれぞれのやりたいことを広げていく様子を見ていたように思います。

— WSに参加された時点で、最終的にどんな作品を撮るかは決まっていたのですか?

淡梨:いえ、まだ決まっていませんでした。

— そうだったんですね。本作は、監督やキャストの「叶えたいことを叶えられる映画」というコンセプトを基に作られたとうかがっています。具体的にはどんな風に作り上げられたのでしょうか。

淡梨:澤さんにメールで送るアンケートがあって、そこに「どういった役がやりたいですか?」などの質問があったんです。おそらくそこに書かれた、それぞれのやりたい役や記憶や体験などから、澤さんが作品を構成されたのだと思います。

— 淡梨さんは、どんなことを書かれたのですか?

淡梨:「普通の役がやりたいです」と書いたと思います。プライベートで日常を送っている実感を得ることが難しいと感じていたので、映画の中という一つ別の世界で、普通にしゃべったり生きたりする体験をしたいと書いた記憶があります。

とりあえずやってみるしかない

— 出来上がった脚本を初めて読んだ時は、率直にどんな感想を持ちましたか。

淡梨:おもしろい! でも完成作品を観てみないとわからないと思いました。僕自身はそれまで澤さんの作品を拝見する機会がなくて、劇中に出てくる映画館のシーンで初めて観させていただいたのと、現場の経験も多くはなかったので、どんな現場でどんな作品になるのかわからないけど、とりあえずやってみるしかないという気持ちが強かったと思います。ワクワク半分、ソワソワやドキドキもあって、そういう前向きな「わからない」です。

— 「おもしろい!」は、どんなところに感じたのでしょうか。

淡梨:脚本の作り方からおもしろいと思いました。キャストになるかもしれない人たちのエピソードを文面で集めて、澤さんが頭の中で新たな世界を再構築されて……どこまでが誰の物語で、リアルなのか想像なのかもわからないし、世界観も少し変わっていたので、その時点でおもしろいと思いました。

撮影前に監督や演者同士の意識を摺り合わせる作業やディスカッションなどはありましたか?

淡梨:WSの中で澤さんや僕自身の人となりを共有する時間はありましたが、そのあと新型コロナが本格的に流行りだして、顔を合わせる機会はしばらくなかったんです。脚本が送られてきて、一度リモートで読み合わせをしながら摺り合わせをしたのですが、まだコロナとどう向き合うべきかもわからなかったし、リモートでの対話も初めてで、伝え方や距離感をお互いに探りつつ理解を深めていったと思います。

賢治としての “塩梅” を熟考した

— 賢治は、淡梨さんの希望が反映された “普通の人”という役どころだと思いますが、「幼児虐待」というテーマにおいて、ファミリーホームの少女たちが当事者だとするならば、第三者として一番フラットな視点を観客に提示する役でもあると思いました。つぐみの秘密を知って思わず辛辣な言葉を発してしまった時も、あの時点ではごく自然な反応だと思えるし共感もできる。そういった反応の度合いも含めて、“普通” のさじ加減を見極めるのは難しかったのではないでしょうか?

淡梨:そうですね。賢治は無知な部分もピュアな部分もあるという意味で、等身大の人間だと思います。そもそも橋の上で倒れていたつぐみに声をかけるという行為もすごくピュアじゃないですか。ファミリーホームに上がり込んでホームの人と馴染んで食事ができたり、つぐみのこともフラットに見ようとして、対等な関係でいたいとも思っている。だけど、ピュア過ぎたらただのばかになっちゃうし、逆に背負い過ぎるとこの作品の世界にいない人になってしまう。その “塩梅” は難しかったですね。現実の中のファンタジーの要素も描いている作品で、その部分にも賢治がいると思うので、それも含めて熟考しました。

— 知らないゆえのピュアさと、事情を察したうえで何をどこまで背負うかの “塩梅”。難しいですね。どのように役をつかんでいったのですか?

淡梨:事前に考えて準備もしたけど、現場で役をつかむことのほうが多い作品でした。現場に入るまで監督や他のキャストともお会いしていない状態で、実際にやってみないと、話してみないとわからないことが多かったですし。現場でも賢治のまま立ち振る舞えたらと思って臨んだけれど、実際はいっぱいいっぱいで全然できなくて、いろいろ考えることは多かったです。

「猫」の存在が意味するものは……?

— 賢治の描き方でおもしろいと思ったのは、つぐみにしか見えていない少女(合田純奈)が賢治にも見えているシーンです。劇中で賢治の内面やバックグラウンドは深く描かれないけれど、きっとつぐみと深いところで通じ合えるような素質は持っていて、踏み込んで付き合おうとさえすれば深い絆を築ける可能性を示唆しているんじゃないかな、と想像したんです。監督からはこの場面についてどんな説明がありましたか?

淡梨:「見えるから。人だけど 猫 だから」って監督がおっしゃられて、「わかりました、見えるんですね」って。そんなひと言だけだったと思います。この「猫」はどういう存在なのかを自分なりに考えて、「見える」と思って演じたと思います。

— なぜ賢治には見えるんだろう、という疑問は持たれなかったですか? 賢治に見えることが何を象徴しているんだろうとか。

淡梨:うーん、賢治が何かを象徴しているんですかね? 僕はただファミリーホームにいる神様みたいな存在を脳内でイメージして、守ってくれているものが自分にも見えて、それがつぐみとリンクしたという感覚でした。もしくは、つぐみと賢治がそれぞれに、言語化できないけれど、あの空間で守られている何かを感じていたのかなと思っています。そこに特に疑問は感じずに演じました。

— なるほど、守ってくれている存在。自分の思い込みとは違っていたけど、とても腑に落ちました。観る側の解釈に委ねられたシーンについて聞くのは無粋かなとも思ったけど、とてもユニークなシーンなので、ちょっと答え合わせをしてみたくなったんです。

淡梨:いいと思います。おっしゃられたこともわかりますし、いろんなことを想像させる、いろいろな解釈ができるシーンだな、と今あらためて思いました。「猫」がいなかったら全然違うファミリーホームだったと思いますし。

澤監督の映画づくりは芸術表現
解釈も自由でいっぱいメッセージを投げてくれる

— 印象的なシーンがたくさんある作品ですが、つぐみの「家族が一番残酷なことするんだよ」というセリフに共感もしたし、個人的に一番胸に刺さった言葉です。淡梨さんが印象残ったシーンやセリフを教えてください。

淡梨:そのセリフは僕も印象に残っています。そこについてお話しするとしたら、家族って一番近いDNAだし、切っても切れない部分はあると言われているけど、僕はDNAが同じでその人から生まれてきただけだから、まったく別の生き物だという解釈をしてもいいと思います。先ほどの「猫」のシーンも含めて、澤さんの作品は解釈も自由でいっぱいメッセージを投げてくれます。自主映画の良さもすごくあって、印象的なシーンが散りばめられているから、一つには決められないですね。

— 澤監督の作品は、観る側に余白を残してくださいますよね。観ながら自分なりに考えて咀嚼して、映画が自分の一部になるというか。以前、澤監督の『そこにあるもの』を観に行って、生きることの根源的な美しさとか、一人で勝手にいろいろと受け取ってボロボロに泣いてしまって。劇場のロビーで監督にお会いしたんですけど、ものすごく情緒不安定な人だと思われたとおもいます(笑)。

淡梨:芸術表現だと思うので。文化的な産業的価値があるだけじゃないってすごく感じますし、芸能ともちょっと違う分野だし。僕自身も、映画というもの、自主というものへの向き合い方にはすごく真摯な気持ちがあります。

—   澤監督にはその思いをお伝えしたことはありますか?

淡梨:いえ、ないです(笑)。

樫本さんの印象は “陽” 。しゅはまさんとの共演に感謝

— つぐみを演じられた樫本琳花さんとのご共演はいかがでしたか。

淡梨:樫本さんは、すごく気さくでラフで、“陽”の印象を持っている方でした。僕がロー(テンション)で現場に入っても、ふっと上げてくれる瞬間もありましたし、現場の関係性は良かったと思います。つぐみにも“陽”な部分はあって、その切り替えを演じるのもすごく上手だったし、“陽”を出す瞬間がすごくうまくて、樫本さんが場の空気を持ち上げたと感じる瞬間が何度もありました。

— 素顔の樫本さんも、魅力的な方なんですね。ファミリーホームの「ママ」を演じられたしゅはまはるみさんも、ホームのあたたかな空気感を一挙にけん引しているような、とても素敵な存在感を魅せていらっしゃいました。

淡梨:ほんとうに、そうです! しゅはまさんとの共演を楽しみにしていたので、実現できて感謝しています!

自分自身で発して体現できる場所を求めた

— どういうきっかけで芸能のお仕事を始められたのですか?

淡梨:10代のころ、一人の時間をうまく作れず、何か逃げ道がほしくてたくさん映画を観ていました。そのうち「自分も撮れるんじゃないか?」という思いで脚本を書き始めて、芸能ではないんですけど、映画に関わりたいという気持ちが芽生えました。そこからだと思います。

— 入口は脚本を書くところからだったのですね。

淡梨:10代のころはちょっと吃りぐせもあって、言葉を発して伝えるのが難しく感じることも多かったんです。集団行動をさけて、絵を描いたり一人で逃げ込む先はあったけど、もうちょっと人間らしく生きたいと思ったから、脚本を書いたり、映像の大学に行ったりしたんです。表現の場なら、集団行動できると思ったけど、できませんでした(笑)。そのうちにより体現力を高めたいとか、もっと自分で直接的に表現をしたほうが何かを明確に残していけるじゃないかと思って、役者をやってみたいと思うようになりました。

— 東京造形大学で映像を学ばれて、在学中には短編映画の監督や脚本も務められたんですよね。

淡梨:そうです。最初の2年間はずっと自分で映画を撮っていました。3年目くらいになって自主映画の助監督などもやっていたんですけど、「出て」って言われるようになってきて。演者をやってみたら、やはり体現するほうが早いと感じて。まずモデル事務所に入ったんです。身長があるのでまずはそれを生かそうと思って。芸能に関わり始めたのはそこからですね。

— モデル事務所にはどういうきっかけで入られたんですか?

淡梨:自分で応募しました。70社くらい手紙と履歴書を書いて。WSにも同時に応募していて、その中に『スペシャルアクターズ』とか今回の作品があって。それが2、3年前です。その時の作品が今徐々に公開されていっている感じです。

— モデルと俳優と両方にアプローチしていたんですね。

淡梨:はい。自分自身で発して体現できる場所がほしいと感じていたので、入口はどちらでもよかったけど、ゴールは映画に関わることで、そのために自分の身をどう置くべきかは考えました。


— 今後はどういった表現をしていきたいですか?

淡梨:すべて手段だから、どの表現でやっていくかは時代に沿って流動的になる部分もあるし、どうなりたいとか何がしたいとかはないです。でも映画はまだやるべきことがあると思っているので、今後も映画はやっていきたいです。

— それは、役者として? 制作側として?

淡梨:うーん、わからないです。全部ご縁だと思っているし。引き寄せたい時に、引き寄せたい気持ちがあれば、引き寄ってくるし、その時のセンサーが感じたままにと思っていて。自分のことって、自分が一番よくわからないと思うんですけど……今日はまだ映画をやりたいと思っています。

— これからの淡梨さんがどんな表現を魅せてくださるのか、とても楽しみです!

淡梨さんと一問一答!

—  あっという間に、取材の残り時間が5分となってしまいました!  最後は淡梨さんをもっと知りたいという私と読者のために、超ベタ企画で恐縮ですが、10個の短い質問を用意してきましたのでお答えいただけますか?

淡梨:わかりました。やりましょう。

— やったー! 題して「目指せ、5分で10問!淡梨さんと一問一答!」

淡梨:一答なんですね? がんばります!

— いや、まぁそこは大丈夫です(笑)。 とにかく、いきます!

【Q1】好きな食べ物は?

淡梨:明太フランスパン!

— いきなりトリッキーなの出してきますね(笑)。

淡梨:でもほんとうなんです。地元が神戸なんですが、神戸ってパンの消費量が日本一なんですよ。パン屋さんと喫茶店がすごく多くて、「茶、しばきに行こうや」みたいな(笑)。死ぬ前に食べるとしたら明太フランスパンですね。

— なるほど! ではご飯よりパン派なんですね!

淡梨:いえ、ご飯が大好きです(きっぱり)!

— ……ん(笑)!?

【Q2】苦手な食べ物は?

淡梨:マカロニ!

— そんな人います(笑)!?

淡梨:東京独自のチェーン店の居酒屋のお通しで出てくるマカロニのマヨネーズ和え、大嫌いなんです。

— ぐにゃっとしているのが多いですよね。

淡梨:500円とか取るんですよ? 関西では見たことないですし。そのせいでマカロニ自体が嫌いになりました(笑)。

— マカロニのことは嫌いでも、グラタンのことは嫌いにならないでください(←取材担当の好物)! では次!

【Q3】弱点を教えてください。

淡梨:高い場所は怖いです。歩道橋の柵の高さが腰の位置なんです。多分人より怖いと思います。高い所から落ちるビジョンは何度も見ますね。

【Q4】小さい頃はどんな子どもでしたか?

淡梨:今よりも髪の毛がくるくるで、おじいちゃんっ子でした。よく甲子園球場に野球を見に連れて行ってもらいました。あと、爆竹の投げ方とか悪い遊びもおじいちゃんに教えてもらいました。

— 素敵なおじいさまですね! 阪神ファンですか?

淡梨:はい!

【Q5】今までの人生で「転機」と呼べるようなことはありましたか?

淡梨:ありました。15歳くらいから一人暮らしを始めて、それが転機だと思います。自由になった。でも、自由は全部不自由で、全部自分で決めなきゃならなくて、それがなかなか難しい。思考することが増えたから、自分でどうやって生きるとか、何が好きか嫌いかもちゃんとわかった時間だったと思うので。15から18歳くらいの間は大変でしたけど、転機だったと思います。

【Q6】よく聴く音楽のジャンルは?

淡梨:ミクスチャー。なんでも好きです。

【Q7】今、何をしている時が一番楽しい?

淡梨:最近、登山します。映像を撮っていて、ロケハンする時に必然的に山に行くことが多くいので、それを登山と呼んだんですけど。人のいない場所に行って、自然の音の中だけで一人で過ごすとか、ちゃんと考える時間を設けられている時が一番好き。

【Q8】ズバリ、好きな言葉は?

淡梨:えー!? 言葉? ア、アリスの住人!

— ぬおーっ(喜)!!

淡梨:ええー、どうしよ、どうしよ(慌)。え、あ、やっぱりパスで(照)!!

— パスかーい!!!(←パスと言われても載せる気満々)

【Q9】好きな色は?

淡梨:黄色、好きです。

【Q10】最後に、野望を教えてください!

淡梨:自分らしく毎日を生きる。野望だと思います。ちゃんと自分らしく毎日を生きるってなかなか難しいので。

— 10問達成! 本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!!

 


本作の澤 佳一郎監督から、淡梨さんと読者へのスペシャルメッセージをいただきました!

澤佳一郎監督●淡梨さんへ

淡梨さんはクールに見えて、実はとても好青年なんです。
それだけでなく、本人は嫌がるかもしれませんがとても可愛いんです。
一つの物事、やりとりが、予め世間で決められた持ち方があったとしても、どう持てば自分にしっくりくるのかなと、一からちゃんと考える。その姿が何かに興味を持った子どものように見える時があって可愛いんです。
ちゃんと自分で考える姿勢、決められた持ち方に左右されることなく素直に物事を見ようとする姿勢に、人としての面白みを感じます。
そんな自由な部分も持ち合わせている一方、人に対してはちゃんと敬意を持って接してもくれます。
なのでいろんな監督、演出家さんに愛されてほしいなと思っています。
その素直さゆえ、苦しく感じることも多々あるかもしれないけど、それを創作や表現の糧にしてこれからも頑張っていってほしいです。応援しています!


●『アリスの住人』を観ていただく読者の方へ

本作は監督の私の体験や俳優たちの追体験、叶えたいことと、いろいろなものが詰まった作品となりました。
何かしら停滞しているところからの第一歩となるような、そんな希望の映画になってくれること、そしてファミリーホームという制度を知っていただいたり、より良い環境で子どもたちが生きていける世界の一助にもなってくれたらと願ってます。
劇場でお待ちしております。


【澤 佳一郎(さわ・けいいちろう)監督】
映画美学校ドキュメンタリー科卒。修了制作作品『そこにあるもの』が翌年の映画美学校セレクションに選出2020年には文化庁主催「音声ガイドスタッフ育成講座」の教材として提供し講師モニターとしても参加。フィクション作品では2017年に『その夜を越えて』で横濱IFF2017短編部門最優秀作品賞を受賞。2019年に初長編作品『モラトリアム完全版』で劇場公開を果たす。現在も映像ディレクターとして活動しながら映画製作に携わっている。

淡梨さんプロフィール & 靴チェック

【淡梨(たんり)/モデル・俳優】
1997年8月10日生まれ。兵庫県出身。2018年モデルとして活動をスタート。2019年より俳優活動をはじめ、映画『スペシャルアクターズ』(2019)、Amazon Prime Video&テレビ東京『お茶にごす。』(2021)、NTV『ネメシス』(2021)、NTV『武士スタント逢坂くん!』(2021)などに出演。2022年以降、映画・ドラマ待機作複数あり。


【ミニシア恒例! 靴チェック!】
「立っているだけで、こんなに絵になる人もそういないよ!」と撮影を担当したカメラマンも絶賛の存在感を魅せてくれた淡梨さん。「不思議の国のアリス」を彷彿とさせるクラシカルな衣装で登場してくれました。今日の靴のお気に入りポイントは「サイドとかかと部分に施された装飾です」。普段も革靴をよく履かれるそうですが、靴下が苦手で、「サンダルが一番好き!」なのだそう。

『アリスの住人』作品・公開情報

【STORY】実父から性的虐待を受けたつぐみは、その事実を母親に打ち明けられなかった。後悔とトラウマに囚われながらファミリーホームで過ごし、高校卒業し社会に出る準備をする年齢になったが、今ある日常をどのように変えていけばいいか悩む。そんなある日、賢治という青年と出会う。自分が飲み込まれそうな気持ちになるという理由から海へ行ったことがないと話すつぐみを賢治は海へと誘うが、つぐみの心の準備は間に合わず断念する。徐々に賢治に惹かれていくつぐみ。しかし、思いもよらぬ悲劇が待っていた……。

(2021年/日本/DCP/ステレオ/64分)英題:Resident of Alice
原案・脚本・監督・編集:澤 佳一郎
主題歌:尾崎豊「群衆の中の猫」唄/レイラーニ

出演:樫本琳花、淡梨、しゅはまはるみ、伴優香、天白奏音、久場寿幸、合田純奈、みやたに、大山大、萩原正道、太田翔子、蓮田キト、荻野祐輔、小春、るい乃あゆ、獣神ハルヨ、森下さゆり、遠藤史也、たなかあさこ、小澤雄志、赤江隼平、山下徳久、大石将弘、山谷ノ用心

助監督:曽我真臣、合田純奈 撮影:温水麻衣子、髙田裕真 撮影助手:水口ひまり 録音:川上翔生 録音助手:遠山浩希 応援:古茂田耕吉 ヘアメイク:蓼沼仁美、片山智恵子、藤澤和紀 車両:syu スチール:澤山友佳、蓮田キト、びばなんず 音楽:伊藤求
制作:大石知恵、久場寿幸、高瀬満寿保

製作・配給:reclusivefactory Executive Producer:宮崎和紀
後援:一般社団法人 日本ファミリーホーム協議会
©reclusivefactory

※2021年12月4日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

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