澤佳一郎監督『アリスの住人』12月劇場公開&ビジュアル解禁!
- 2021年09月29日更新
現在、オンラインで開催中(2021年9月25日〜10月3日)の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2021」国内コンペティション 長編部門に選出されている、澤佳一郎監督の最新作『アリスの住人』が、2021年12月4日(土)より池袋シネマ・ロサをはじめ全国順次公開されることが決定し、新ビジュアルが解禁された。本作は家庭環境を失った子どもを迎え入れる家庭養護施設「ファミリーホーム」を舞台に、児童虐待の悲しみやトラウマを抱えながらも強く生きようと頑張る人々を描く物語だ。
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「児童虐待」というテーマに少女の成長物語を絡め新たな視点で描く
本作の主人公であるつぐみは、過去に経験した父からの性的虐待がトラウマとなり、自身の体の大きさが変わったように感じたり、時間の経過が早く感じたりするなど、奇妙な感覚に苛まれる「不思議の国のアリス症候群」に悩まされる18歳の少女。
「ファミリーホーム」という家庭養護施設で他者と共同生活を送りながら自分と向き合う日々だが、美味しい食べ物も可愛いファッションも自分には相いれない。「私はどこにいるんだろうか——?」社会や他人との時間のズレに苦悩するつぐみに魅かれ合う賢治の存在ができた。今、やっと、外の世界に旅立とうとした時、つぐみの罪深き秘密が明かされてしまう……。
製作・脚本・編集・監督の澤佳一郎は、これまでも『そこにあるもの』『その夜を越えて』『モラトリアム完全版』と常に自身の経験を活かしたドキュメンタリー的な作品を手掛け、本作でも「児童虐待」というテーマに少女の成長の物語を絡め新たな視点で描く。
強いまなざしと存在感でつぐみを熱演するのは、元Seventeenモデルで本作が映画初主演となる樫本琳花。つぐみの心を開いていく賢治に扮するのは『スペシャルアクターズ』でインチキ教祖を演じた淡梨。さらに、実力派人気女優のしゅはまはるみほか、総勢24名の個性豊かなキャストも本作の見どころだ。
主題歌を歌うのは幻想的な美声でファンを魅了する歌姫レイラーニ(現・中嶋晃子)。尾崎豊の名曲「群衆の中の猫」をカバーし、物語を優しく包み込むように彩る。
監督&出演者コメント
私の家庭内で起こっていた父や祖父の暴力。教育と虐待のラインが曖昧な環境で育ち、そして自分が父親になったばかりというタイミングで児童虐待に触れてみたいと及んでいきました。この映画はフィクションですが、俳優たちと自分の中に投影されてきたこれまでの人生や未来への願いのようなものが含まれ、嘘ではない想いが綴られたものとなっております。何かしら停滞しているようなところからの第一歩となるような、そんな希望の映画になってくれたらと願っております。
港つぐみ役を演じました、樫本琳花です。このような状況の中で、無事に作品が完成したことを嬉しく思います。ファミリーホームをもっと皆さんに知っていただきたいという思いと共に、家族のかたちは多様であり血縁関係だけが全てではないのではないか、ということを感じていただけたら嬉しいです。自分が自分を見失ってしまわないように、小さな幸せをたくさん見つけていただきたいです。沢山の方にアリスの住人が届くことを願っています。
澤監督のWS(ワークショップ)に参加したことがきっかけで今回の作品に出演いたしました。淡梨です。
WSでは個人の人となりを見られている気がしていたので、選ばれた時は少しくすぐったさがありました。その後、時間が経って届いた台本を読んだ後は自然に責任感が生まれて、澤ワールドに、僕を今回の役にどう落とし込むかを熟考した記憶があります。皆様と劇場でお会いできることを楽しみにしています。
子供時代に安心を感じる事が少なかったため、今では寂しそうな顔をしている子供を見ると黙って手を繋いであげたくなる私。この映画には「君は君のままでいいんだよ」と伝えて抱きしめてあげたい子供たちが沢山出てきます。企画をいただいた時から出演だけでなく全力で関わろうと思いました。そして、澤監督が後悔のない作品に仕上げてくれました。この映画が一人でも多くの子供、また子育て中の方に届くようにまだまだやれる事をやって行きます。
この映画は「叶えたいことを叶えられる映画」というコンセプトから、私が叶えたかった事が反映されています。今まで誰にも話した事がなかった思いだったのでドキドキしながら監督に話した事を覚えています。私が誰にも話せなかったように心の底で何かを抱えている人はきっと沢山居るから、改めてそこには敏感でいたいと思いました。
自分は莉子ちゃんじゃないから、莉子ちゃんが経験したことを全く経験していないけど、どこかに共通点を見つけようと色々考えました。一番印象に残ったシーンは、海のシーンです。理由は、「自分は幸せだ」というのが分かるように演じて、莉子ちゃんと自分が近づけたからです。つぐみお姉ちゃんや莉子ちゃんみたいな人がいるという事と、ファミリーホームがどういうものか知ってもらいたいので、沢山の人に観て欲しい作品です。
『アリスの住人』特報映像&作品情報
【STORY】実父から性的虐待を受けたつぐみは、その事実を母親に打ち明けられなかった。後悔とトラウマに囚われながらファミリーホームで過ごし、高校卒業し社会に出る準備をする年齢になったが、今ある日常をどのように変えていけばいいか悩む。そんなある日、賢治という青年と出会う。自分が飲み込まれそうな気持ちになるという理由から海へ行ったことがないと話すつぐみを賢治は海へと誘うが、つぐみの心の準備は間に合わず断念する。徐々に賢治に惹かれていくつぐみ。しかし、思いもよらぬ悲劇が待っていた……。
(2021年/日本/DCP/ステレオ/64分予定)
英題:Resident of Alice
原案・脚本・監督・編集:澤 佳一郎
主題歌:尾崎豊「群衆の中の猫」唄/レイラーニ
出演:樫本琳花、淡梨、しゅはまはるみ、伴優香、天白奏音、久場寿幸、合田純奈、みやたに、大山大、萩原正道、太田翔子、蓮田キト、荻野祐輔、小春、るい乃あゆ、獣神ハルヨ、森下さゆり、遠藤史也、たなかあさこ、小澤雄志、赤江隼平、山下徳久、大石将弘、山谷ノ用心
助監督:曽我真臣、合田純奈 撮影:温水麻衣子、髙田裕真 撮影助手:水口ひまり 録音:川上翔生 録音助手:遠山浩希 応援:古茂田耕吉 ヘアメイク:蓼沼仁美、片山智恵子、藤澤和紀 車両:syu スチール:澤山友佳、蓮田キト、びばなんず 音楽:伊藤求
制作:大石知恵、久場寿幸、高瀬満寿保
製作・配給:reclusivefactory Executive Producer:宮崎和紀
後援:一般社団法人 日本ファミリーホーム協議会
©reclusivefactory
※2021年12月4日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国順次公開
(編集:min)
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