『先生を流産させる会』初日舞台挨拶— 映画初出演の少女たちが撮影後に結成したのは「先生を感動させる会」!?

  • 2012年06月04日更新


2012年5月26日(土)、渋谷ユーロスペースにて『先生を流産させる会』の初日舞台挨拶が行われ、内藤瑛亮監督と先生役を演じた宮田亜紀さん、生徒役の5人の少女たちが登壇した。公開前からネットを中心に話題を呼んでいた作品とあって、上映開始の3時間前には整理券が完売、144の座席数を大きくこえる180人が来場。立ち見客も出る大盛況のなか大きな拍手で迎えられた出演者たちは、充実感に満ちた笑顔を振りまいて会場を盛り上げた。大盛況の初日舞台挨拶の模様をレポート!(写真:左から内藤瑛亮監督、相場涼乃、竹森菜々瀬、小林香織、高良弥夢、室賀砂和希、宮田亜紀)


大盛況で幕を開けた初日舞台挨拶。監督と出演者が満面の笑顔で登場!

内藤瑛亮監督(以下、内藤):今日はご来場いただき……せーの、

登壇者一同:ありがとうございます!
(場内から大きな拍手)

内藤:こんなにたくさんの方にお集りいただいて、感無量です! 少女をメインに撮影するのは初めてで、上手くいくのかなという心配も有りましたが、撮影がはじまると凄く楽しくて……!

宮田亜紀(以下、宮田):ちょっと怖いタイトルの映画ですが、撮影の合間はみんなでおふざけして(笑)、仲良く、楽しくやっていました。撮影終了後には今度は「先生を感動させる会」だと言ってみんなが寄せ書きやお花をくれて……。この役をやって本当に良かったと思います。何も迷いは有りませんでした!

撮影現場はまるで学校。少女たちが過ごした特別な夏の思い出

内藤:じゃあ、ひとりずつ撮影の思い出を言っていこうか。

室賀砂和希:千葉に泊まりがけで撮影に行った時に、監督がみんなの欲しい花火を買ってくれて、撮影の後に海に花火をしました。短い時間でしたが思い出に残っています。

高良弥夢:撮影中に急に台本が変更になったり、動きがプラスされたりして「ああ、こういうことも有るんだなぁ」って勉強になりました。撮影に行く途中や帰り道で「明日の撮影するシーンは、もしかしてこういう解釈なのかな」とかいろいろと考えながら毎日を過ごしていていました。

小林香織:撮影当時は小6だったので、この映画の撮影で制服を初めて着ました。緊張もしましたが、楽しい撮影でした。

竹森菜々瀬:廃校での撮影は、クーラーが無くて凄く暑かったんですけど、大きなレフ板*であおいでもらって、それがもの凄い風で……。
*撮影の際に被写体に光を照射するための反射板。

内藤:大人は大変だったんだよ(笑)。

相場涼乃:撮影現場が暑かったので、プールのシーンではみんなで水を掛け合いました。冷たくて気持ちよかった! とても楽しかったです。

内藤:廃校でのロケでは、みんなが探検に行ってしまって出番になるとスタッフが捜索したり、水が霧状に出る手持ちの扇風機を渡したら、カメラにまで水を掛けようとするので「それは、ダメ!」って教えたり(笑)。撮影中は宮田さんが、まさに先生としてこの子たちを引っ張っていて、本当に学校みたいでしたね。撮影後も仲良くしていて、先週は映画公開記念にみんなで東京ディズニーランドに行きました。

『先生を流産させる会』という言葉から受ける、強い拒絶感の意味を考えてほしい(内藤監督)

宮田:この映画は特に女性の方や、中学生くらいのお子さんがいる方に観ていただきたいですね。それから、中2の反抗期だったころの自分に観せてやりたいです(笑)。

内藤:実際に有った事件を映画化する際に、僕は事件の詳細というより『先生を流産させる会』という言葉に衝撃を受けました。否定されたくないものを否定されたような感覚で、それって何なんだろうという問いかけからこの作品は始まりました。

僕なりの展開をこの作品中で出しているけど、それは絶対的な真理ではないし、皆さんそれぞれがこの言葉から受ける強い拒絶感の意味を考えていただければと思います。是非、映画を観たあとに議論してください!

▼ 『先生を流産させる会』作品・上映情報
(2011年/日本/HDV/62分)
監督・脚本:内藤瑛亮
出演:宮田亜紀、小林香織、高良弥夢、竹森菜々瀬、相場涼乃、室賀砂和希、大沼百合子ほか
脚本協力:佐野真規 松久育紀 渡辺あい
撮影:穴原浩祐
製作協力:映画美学校
©2011 内藤組

『先生を流産させる会』公式サイト

※ 2012年5月26日(土)より、渋谷ユーロスペースにてレイトショー公開中。全国順次公開予定。

(取材・編集・文:min スチール撮影:やなせゆうこ)

▼関連記事
『先生を流産させる会』 内藤瑛亮監督 インタビュー

『先生を流産させる会』公開直前試写会&トークショー—寺脇研氏と内藤瑛亮監督が語る、最凶の教育映画

『先生を流産させる会』— 思春期の少女たちが投げかける“いのち”の問いが、大人の良識を鋭利に切り裂く。衝撃の問題作がいよいよ劇場公開!

  • 2012年06月04日更新

トラックバックURL:https://mini-theater.com/2012/06/04/ryuzansyonichi/trackback/