最新作品情報
『ルック・オブ・サイレンス』〜慟哭のドキュメンタリー再び! 百万人の命を奪った「責任なき悪」のメカニズム
「あなたはなぜ、兄を殺したのですか?」1965年、インドネシアで密かに100万人規模の歴史的大虐殺が行われた。そして今、遺族と殺人者の常識を覆す"対面"の場が設けられ、大虐殺に隠された"責任なき悪"のメカニズムが浮かび上がる! 2014年、日本でも公開され衝撃を与えたドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』を、今度は被害者側から見つめ返した慟哭のドキュメンタリー。息がつまる緊迫感と怒りを封じた苦悶の沈黙……。殺人という大罪を犯してもなお、なぜ彼らは罪の意識なく生きられるのか?
7月4日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開 © Final Cut for Real Aps, Anonymous, Piraya Film AS, and Making Movies Oy 2014
『Beauty of Tradition-ミャンマー民族音楽への旅-』― 世界でも稀少な音源CD制作の収録風景を撮影したドキュメンタリー
ふとしたきっかけで出会ったミャンマーの伝統音楽に魅せられ、その手つかずのピュアな音楽を守りたいという想いからトランク7個分の録音機材とともに現地に赴き、40日間かけて約100曲もの楽曲を録音。映画『Beauty of Tradition-ミャンマー民族音楽への旅-』は世界でも稀少な音源CD制作の収録風景を撮影したドキュメンタリーであり、アウンサンスーチーの解放後、急速な民主化と経済改革が進むミャンマー最大の都市・ヤンゴンの風景を記録したロードムービーでもある。6月27日(土)よりポレポレ東中野ほか全国順次公開
©株式会社プロジェクトラム
『雪の轍(わだち)』-冬のカッパドキアのホテルを舞台にした重厚な人間ドラマ。パルドール受賞作
夏は観光客で賑わうが、冬は閑散とするカッパドキアのホテル・オセロ。閉塞感に覆われた空間で、「夫と妻」「兄と妹」間の軋轢が、哲学的要素を含む会話を通して表面化していく。一方、主人公である裕福な家主と貧しい借主一家との対照的な暮らしぶりと、そこから生じる両者の言い分や考え方のずれもシビアに描かれる。監督はトルコ映画界の巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイラン。チェーホフの短編3作が発想源だという。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。6月27日(土)より、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー。
『コングレス未来学会議』〜誰も見たことのない未来! サイケデリックで圧倒的なトリップ体験〜
『戦場でワルツを』で、自らの戦争体験を描いた鬼才アリ・フォルマン最新作。映画に出演するのは実態のないスキャンデータたちに変わった、そう遠くない未来のハリウッド。そしてさらに「娯楽」は恐るべき変化を遂げようとしていた……。そんな世界で人間は、アートは、愛は、性はどうなってしまうのだろう。「世界がどんなに変わっても揺るがない愛」とはどんなものなのか?『惑星ソラリス』の原作で知られるSF界の巨星・レムの小説を、舞台をハリウッドに変えて映画化。極彩色のアニメーションを駆使し、危険で魅惑的な未来を壮大なスケールで描く。サイケな多層世界に飛び込んだようなトリップ感! 混乱と浮遊感に惑わされる、知的興奮にあふれた問題作。 6月20日(土)より新宿シネマカリテにてロードショーほか全国順次公開
© 2013 Bridgit Folman Film Gang, Pandora Film, Entre Chien et Loup, Paul Thiltges Distributions, Opus Film, ARP
未来の巨匠と今の巨匠のトークバトルに注目する映画祭— 第 27 回東京学生映画祭
5月29日より北沢タウンホールにて第27回東京学生映画祭がスタート。東京近郊の学校、団体制作から選ばれた16作品(アニメーション部門8作品、実写部門8作品)を一挙公開。東京学生映画祭は27年間の歴史の中で青山真治、中村義洋、園子温、熊澤尚人など国の内外を問わず目覚ましい活躍を続ける映画人を輩出している映画祭。これから芽吹く日本映画の才能をいち早く見つけることのできる絶好のチャンスだ。大林宣彦監督をはじめとしたゲスト審査員と学生監督のトークセッションは将来、「伝説の巨匠対談」になるかもしれない。
『追憶と、踊りながら』-文化も言葉も異なる母と息子の恋人ををつなぐのは、愛する人を失った悲しみだった
ロンドンに住む中国人女性と、息子の恋人であるイギリス人青年の心の軌跡と葛藤を描く。『007』シリーズのQ役などで、今最も注目を集めるイギリス人俳優ベン・ウィショー主演。悲しみと静かな情熱を胸に秘めた彼の演技が心を打つ。5月23日(土)より、新宿武蔵野館、シネマ・ジャック&ベティほか全国順次ロードショー
『スライ・ストーン』― スライの波乱に満ちた半生に迫る、オランダ人監督による執念のドキュメンタリー
伝説のファンクスター、スライ・ストーンの半生を追ったドキュメンタリー映画『スライ・ストーン』が、5月16日より新宿 K’s cinemaにて公開中だ。監督はオランダ人の映像作家ウィレム・アルケマ。1993年から20年以上におよぶ執念の取材で、スライの生い立ちから華々しい活躍と挫折、謎に満ちた隠遁生活と今年1月に勝訴を迎えた元マネージャーとの5年間におよぶ裁判の様子までを追い続け、これまでベールに包まれていた彼の波乱の半生を明るみにしていく。
© Dwars Productions
『真夜中のゆりかご』〜我が子の突然死……悲しみの中、悪意なき悪事に走った敏腕刑事の運命は……?
アカデミー賞外国語映画賞受賞作『未来を生きる君たちへ』など、深い人間ドラマの傑作を撮り続けるスサンネ・ビア監督のサスペンス作品。幸せな夫婦に訪れた愛息の突然死。刑事である夫は我が子の遺体をすり替えることを思いつく……。デンマークの水辺の風景を印象的に取り込みながら、苦しみ惑う主人公の魂のゆくえをスリリングに、情感豊かに描き出す。2014年トロント国際映画祭でプレミア上映され絶賛を浴びた北欧サスペンスの傑作。5月15日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開 © 2014 Zentropa Entertainments34 ApS & Zentropa International Sweden AB
『セシウムと少女』〜音楽、アニメ、見慣れた街。中央線カルチャーがぎっしり詰まった、女の子の冒険ファンタジー
音楽・ファッション・マンガ……様々な文化を生んできた、東京・中央線沿線の街々。この中央線文化の魅力をたっぷりと注ぎ込んだご当地ムービーが誕生! 阿佐ヶ谷に住む17歳の少女が、7人神様と過去や現在を駆け巡る冒険ファンタジー。阿佐ヶ谷が誇る名飲食店や見慣れた風景がふんだんに登場し、ナレーションには原マスミ、主題歌に知久寿焼など、中央線文化に寄り添ってきた人気ミュージシャンが多数参加。さまざまな作風のアニメを挿入したり、キュートな新人女優を主演に迎えたりと、お楽しみがいっぱい。でもタイトル通り、3.11以降の福島原発問題に切り込んでいく社会派作品でもある。ポップでシリアスでノスタルジック。大切なものがぎっしりと詰まった、まさに玉手箱のような作品だ。
4月25日(土)からユジク阿佐ヶ谷で公開。
© 2015 ふゅーじょんぷろだくと All Rights Reserved.
『イマジン』-目の見えない男女は“音”を介して恋に落ちた
舞台は情緒溢れるポルトガルの古都リスボン。視覚障害者施設で働く盲目の教師と美しい女性との淡い恋や、彼と生徒たちとの交流が描かれる。自然光を駆使して詩的な映像を作り上げたのは1963年生まれのアンジェイ・ヤキモフスキ監督。近年評価の高い作品を続々と生み出しているポーランド映画界期待の新鋭である。4月25日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開、その後全国順次公開。