『上飯⽥の話』―4月公開決定&称賛コメント解禁! 新鋭たかはしそうた監督が紡ぐ横浜の端っこで⽣まれた3つの⼩話

  • 2023年03月03日更新

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主役は“町”――新鋭たかはしそうた監督の初劇場公開作

新鋭たかはしそうた監督の初の劇場公開作となる『上飯⽥の話 』(かみいいだのはなし)が、2023年4月15日 よりポレポレ東中野にて公開となる。本作は、「ショートストーリーによって連結された町の物語」であり、 主役は“町”そのものだ 。

町⺠の⼈々と交流するなかで物語を制作
エスノグラフィックな⼿法で撮られたタウンムービー

その不思議な感覚は特殊な撮影⼿法によってもたらされた。たかはし監督は、劇中にも登場する「上飯⽥ショッピングセンター」の建物の佇まいから強い映画創作の着想を得て、現地に何度も⾜を運び、町⺠の⼈々と交流するなかで、物語を制作していった 。主要キャストはエビス⼤⿊舎に所属する若⼿俳優たち。彼らの演技のレッスンにも⾜を運び、 それぞれの⼈物像と登場⼈物を丁寧にすり合わせていったという 。上飯⽥町の住人にも出演してもらっており、俳優たちの演技のなかに、 いきいきとした町⺠のリアルな会話も溶け込む 。フレームの外の町の⾵景、⽣活、⼈々が、巧みにフレーム内に融合した、この時代にしか撮れない エスノグラフィックムービーが誕⽣した。

監督コメント&プロフィール

祖⽗⺟が住んでいた上飯⽥町を散歩していたとき、上飯⽥ショッピングセンターを⾒つけました。いかにも地元に根ざした個⼈商店が連なり、地元の⼈が通い、独特な時間の流れがありました。地元の⽅と関わる中で、この町は徐々に⾼齢化が進み、⼈もまばらになっていることがわかりました。つまりこ の場所で感じた時間の流れは、今撮らなけ ればまた別のものになってしまう 。なんとかこの町の今の時間の流れを映画にすることはできないだろうかということが製作のきっかけとなっています。今回の上映で、 ⾒ている⼈と⼀緒にこの町の時間を共有できたら嬉しいです 。


監督:たかはしそうた
1991年⽣まれ。⾼校時代から映画を学び始め、東京造形⼤学映画専攻領域へ⼊学。在学中は諏訪敦彦ゼミに所属。卒業後5年間イベント制作会社にて会社員として働きながら⾃主で映画制作を続ける。2020年度から東京藝術⼤学⼤学院映像研究科映画専攻監督領域に進学。『上飯⽥の話』はコロナ禍のため休学していた2020年に⾃主制作した。今作『上飯⽥の話』は初の劇場公開作となる。

横浜市泉区上飯⽥町
横浜の端っこで⽣まれた3つの⼩話

第1話『いなめない話』
⽣命保険の営業のヒロコが、乾物屋で働くマコトの依頼で訪問し営業をすることに。マコトが依頼をしてきたのに、なぜかヒロコに⾼慢な態度で迫るがその裏には……。


第2話『あきらめきれない話』
もうすぐ結婚するショウは、仲の悪い兄ツヨシに結婚式に出てもらいたく兄の家に⾏くが、兄は頑なに出たくないと⾔う。


第3話『どっこいどっこいな話』
知らない場所に⾏っては、そこでもし⽣活したらということを想像するナオキ。ある⽇上飯⽥町を写真に撮っていると乾物屋のマコトと出会い、そこでつかの間の奇妙な関係が始まる。

称賛コメント(敬称略)

諏訪敦彦(映画監督)

上飯⽥という場所は実在するが、『上飯⽥の話』はどこにも存在しない。それは誰かの私的な記憶の場所でありながら、誰もが知っているはずの⾵景である。映画と現実。ドキュメンタリーとフィクション。歴史と現在。あなたとわたし。バナナの⽊とソフトボール。あらゆるものを結びつけながら分割する「と」という接続詞をヒョイと⾶び越え無効にしてしまうたかはしそうたの⼤胆不敵さを御覧あれ。これもまた映画にしかできない離れ技である。


⿊沢清(映画監督)

その辺の普通の⼈たちのいつもの⽣活が、気味悪いほど確信に満ちた映像で撮られることによって何やら神聖なものに⾒えてくるから不思議。たかはしそうたは若くして映画の本質をつかんでしまったようだ。カメラがゆっくりパンを開始する度に、僕は⾃然と襟を正した。


深⽥隆之(映画監督)

なんて⾵通しの良い映画なのだろう。それが最初の感想だった。俳優も、不意に横切る⼈々も、上飯⽥という街も、無理をしていない。これは映るものの”⾃然さ”を安易に装うつまらない映画なのだろうか?
いやちがう。カメラが俳優へ近づくとき、私たちはフィクションへ跳躍する。俳優によって、フィクションによって、あるいは撮るという⾏為によって、上飯⽥の街は別の相貌を垣間⾒せてくれる。たかはしそうたが作り出す、街と⼈のあいだに流れるささやかだが苛烈な⾵は、劇場の暗闇でしか体験できないはずだ!


⾕川俊太郎(詩⼈)

⽣きることを物語に要約しないことで、毎⽇の暮らしのどうでもいい細部にひそむ不安が⾒えてくる、隠された⽇常の発⾒。


吉⾒茉莉奈(俳優)

⼈間って、時々憎たらしく思えることもあるけど、やっぱりおもしろいし、楽しいし、かわいい。
だから嫌いになれないしやめられないんだよな。そんなことを、⾒ていて思いました。
流れている時間と、たかはし監督の持つ”おかしみ”がとても⼼地よい映画です。

予告編&作品情報

▼『上飯⽥の話』 
(2021年/⽇本/スタンダード 1:1.33/モノラル/63分)
出演:⽵澤希⾥、本多正憲、吉⽥晴妃 、⿊⽥焦⼦、⽇下部⼀郎、⽣沼勇、荒川流、上飯⽥町の皆様

監督・脚本・編集:たかはしそうた
撮影監督:⼩菅雄貴 録⾳:河城貴宏 助監督:福地リコ 制作:⽣沼勇 整⾳:浪瀬駿太 ⾳楽:本⽥真之 絵:⻄永怜央菜 DCP制作:⻄後知春
宣伝協⼒:ガブリシャス本⽥ 協⼒:㈱エビス⼤⿊舎、上飯⽥ショッピングセンター
英語字幕:Megumi Suehara

上飯⽥の話』 公式サイト     Twitter Instagram:@kami_iida_movie

※2023年4月15日よりポレポレ東中野にて公開

  • 2023年03月03日更新

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