『パラサイト 半地下の家族』アカデミー賞席巻で記録的ヒット! ポン・ジュノ監督とソン・ガンホの凱旋来日を草彅剛がハイテンションで祝福!

  • 2020年02月25日更新

カンヌ国際映画祭、アカデミー賞ほか各国の映画祭を席巻し、日本でも記録的ヒット中の『パラサイト 半地下の家族』。本作のポン・ジュノ監督と主演のソン・ガンホが凱旋来日し、2020年2月24日(月)に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に登場した。朝早くからの上映回にもかかわらず、客席は大賑わい。割れんばかりの拍手で迎えられた二人は、その光景に顔をほころばせた。さらにサプライズゲストとして二人のファンを公言する草彅剛が登場。終始ハイテンションで会場を盛り上げた。


アカデミー賞の歴史を塗り替え、
日本での歴代No.1ヒット韓国映画に!

第72回カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」に輝き、第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞。さらに、初の外国語映画による作品賞でオスカーの歴史を塗り替えた本作。

日本でも2020年1月10日の公開以来、多くの観客を魅了しているが、アカデミー賞のニュースはその勢いにさらに拍車をかけ、2月23日時点での興行成績は、驚異の32億円越え、観客動員数230万人を突破し、現在も記録を更新中だ。これは、日本で上映された韓国映画のなかで歴代一位の成績となる。

ポン・ジュノ監督は「オスカーを受賞して、たくさんのお祝いもいただきましたが、受賞の喜び以前に、皆さんが劇場に足を運び、熱い反応を返してくださったことに、心から感謝します。日本の皆さんはお目が高い(笑)!」と笑顔で客席に語りかけた。

続いてソン・ガンホも、「言語の違う作品が受け入れられ、共感してもらえる。それが、“映画の力”だと、皆さんが証明してくれました! 本当に感動しています!」と、落ち着いたトーンながら熱く語った。

ここで、凱旋来日を祝して用意されたくす玉を割ることに。「パラサイト、おめでとう〜!」という観客たちの掛け声に合わせて二人がくす玉の紐を引くと、会場は再び大きな拍手に包まれた。

 

二人が語る「受賞や興行成績より大切なもの」

日本での大ヒットを祝福されたポン・ジュノ監督は「2000年初頭、日本で韓国映画が活発に公開され、愛された時期がありました。当時は日本映画も各国で上映され、関心を持たれていました。本作で久しぶりに韓国映画が日本でも注目を浴び、両国の映画ファンや観客の皆さんが、互いに関心をもち、愛し合うきっかけになればと願います。第二の映画交流の時期が、また始まることを祈ります」と真摯な表情で語った。

ソン・ガンホも「(くす玉の垂れ幕を指差しながら)興業収入30億円突破と書いてありますが、数字よりも大切なことがある気がします。監督もおっしゃったように、韓国の観客が日本映画を楽しみ、日本の方が韓国映画を楽しんでくださる……そんな風に触れ合うことが重要だと思います。韓国でも、日本の巨匠たちの映画が上映されてきたし、最近も是枝裕和監督や阪本順治監督、李相日監督の作品など、たくさんの日本映画が愛されています。本作もまた、両国の人が共感し合えるきっかけになった気がして……それがとても嬉しいんです!」と話し、二人の熱い言葉に、客席からはさらに大きな拍手が湧き起こった。

 

ソン・ガンホはアカデミー賞授賞式で嬉しさをこらえていた!?

カンヌやアカデミー賞受賞について率直な感想を求められるとポン・ジュノ監督は、「劇中にも『無計画が最高の計画』というようなセリフあがりますが、まったく計画外のできごとで……。嬉しくもあり、しばらくは気が動転しているような状態でした。もちろん光栄ですし、トロフィーも大切にしています。でも、さまざまな国の方に映画を知っていただき、熱烈な反応を返していただけたことが、私にとっては受賞以上にうれしいことでした」と真剣な眼差しを会場に向けた。

それに対し、ソン・ガンホは「(アカデミー賞)受賞の瞬間の映像をよく見ていただくと分かるけど、嬉しさをかみしめつつも、若干控えめにしていたんですよ。……監督のあばら骨を折らないように」と、授賞式の意外な裏話を暴露。

「カンヌのときに、僕のあばら骨を強く叩いて、骨にヒビが入ったからね!」とポン・ジュノ監督が返すと、ソン・ガンホは「今回は、首の後ろと背中と顔を中心に抱きしめましたよ(笑)」と茶目っ気たっぷりに笑い、痛々しくも仲睦まじいやりとりに観客たちも思わず顔をほころばせた。

 

草彅剛がハイテンションに「好き!」をアピール

会場の空気がすっかり温まったなか、さらにサプライズゲストの登場が発表されると、花束を持って登場したのは……なんと、“チョ・ナンカン”名義で韓国での活動歴もある、草彅剛!

二人の大ファンだという草彅は、「カムサハムニダ! 日本に来てくださって、ありがとうございます!」と挨拶。さらに、「アカデミー賞受賞おめでとうございます! お二人の熱烈なファンです! ソン・ガンホさんは僕が一番尊敬している俳優で、自分が演技をするときもガンホさんならどうするだろう? と考えるんです」と韓国語でアピール。「最近は韓国語の勉強をする時間がなくて、忘れちゃった!」と少し日本語をまじえながらも、しっかりと二人に思いを届けていた。

ソン・ガンホは草彅の言葉を受けて、「20年前からチョ・ナンカンさんが僕のファンだと聞いていました。お会いできてうれしい。記念すべき日ですね!」とうれしそうに返し、ポン・ジュノ監督は、「アリガトウゴザイマス! 僕もチョ・ナンカンさんのことは、存じ上げています! 韓国で香川照之さんと一緒に出演された公演も行きましたよ!」と日本語をまじえて感謝を述べた。

 

一瞬たりとも退屈しない、一流エンターテインメント!

『スノーピアサー』以外のポン・ジュノ監督作は観ているという草彅。本作の感想を聞かれると、「一流のエンターテインメント! 」と即答し、「一瞬たりとも退屈しなかった。観たあと、すぐにまた観たくなる! お二人がタッグを組んだ『殺人の追憶』もそうだったけど、鬼気迫る部分にもブラックユーモアが効いていて、そこがリアル。誰しもが持っている喜怒哀楽が散りばめられていて、もう、全部好き!」と大絶賛。さらに、お気に入りのシーンを次々と挙げ、草彅が独自の視点で考察を述べると、ポン・ジュノ監督は「そこまで考えていなかった部分もあったけど、草彅さんに指摘されて、自分でもそういう意味があったんじゃないかという気がしてきました(笑)。このあとのインタビューに引用していいですか?」と、頬を緩ませた。

最後に草彅は、「これまで何度も共演をオファーしたけど予定が合わなくて。今日初めて、そこの出入口で会ったんです(笑)! お二人にはいつも力をいただいています!」と興奮しながら出会いの喜びを語り、二人と熱いハグを交わして会場を後にした。

『パラサイト 半地下の家族』は全国で絶賛公開中。

★★★ミニシア恒例靴チェック!★★★

ポン・ジュノ監督 ソン・ガンホ 草彅剛

 

予告編&作品・公開情報

『パラサイト 半地下の家族』
(2019年/韓国/132分/PG-12)
英題:PARASITEZ 原題:GISAENGCHUNG
監督ポン・ジュノ
出演: ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
撮影:ホン・ギョンピョ  音楽:チョン・ジェイル
提供:バップ、ビターズ・エンド、テレビ東京、巖本金属、クオラス、朝日新聞社、Filmarks
配給:ビターズ・エンド
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【STORY】全員失業中、“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。長男ギウは、“高台の豪邸”で暮らす裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受けに行く。そして兄に続き、妹ギジョンも豪邸に足を踏み入れるが……。この相反する2つの家族の出会いは、次第に想像を遥かに超える物語へと加速していく——。

『パラサイト 半地下の家族』公式サイト

※2020年1月10日より全国大ヒット上映中!

取材・編集・文:min 撮影:ハルプードル

  • 2020年02月25日更新

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