一般社団法人外国映画輸入配給協会 発足50年記念式 外国映画ベストサポーター賞授賞式―政治学者の藤原帰一さんとAKB48の前田敦子さんが受賞

  • 2012年04月19日更新

一般社団法人外国映画輸入配給協会 発足50年記念式 外国映画ベストサポーター賞授賞式 ― 受賞者は藤原帰一さんと前田敦子さん

一般社団法人外国映画輸入配給協会兌―― 1962年に正式に結成された、外国映画輸入配給会社の団体である。発足50年を迎えた2012年の今年、4月11日(水)に、東京の有楽町朝日ホールにて記念式が開催された。その中で、本年1回限りの賞として「外国映画ベストサポーター賞」が設けられ、藤原帰一さん(政治学者、東京大学大学院法学政治学研究科教授)と、AKB48の前田敦子さんが受賞した。おふたりに贈られたこの賞には、「外国映画に特に興味と愛情を持っているおふたりに、外国映画の素晴らしさを今後も多くのかたに広めてくださるよう、サポートをしていただきたい」という、外国映画輸入配給協会の気持ちがこめられている(↑の写真、左から、ギャガ株式会社代表取締役会長兼社長CEOの依田巽さん、前田さん、藤原さん)。

 前田さんがお持ちの今回の賞状は、タイトルライターの塚田真里さんが書かれたものです。
 タイトルライターとは、外国映画の字幕文字を書く専門職。かつて、外国映画の字幕は、タイトルライターが一文字ずつ手書きしていました。


「いろいろな夢を見させていただける外国映画には、すごく感謝しています」(前田さん)

― 受賞のご感想は?

藤原帰一さん(以下、藤原) 映画をご覧のかたはたくさんいらっしゃるので、「なんで、僕が?」という驚きが一番にありますが、映画ファンのひとりとして、喜んでこの賞をいただきたいと思います。

前田敦子さん(以下、前田) 私こそ、映画が大好きなだけの一映画ファンなので、(このような賞をいただけて)びっくりという感じです。外国映画は夢がいっぱいつまっているので本当に好きで、観ているとすごく息抜きにもなります。いろいろな夢を見させていただけるので、外国映画にはすごく感謝しています。

― 普段、どのくらいの本数の映画をご覧になっていますか?

藤原 年間200本鑑賞するのがひとつの基準になると思っていますが、実は(僕が観ている本数は)200本を切ってしまっているので、申し訳ありません。
(普段は)午後11時頃に映画を観始めて、その作品がおもしろければ午前1時くらいに眠れるのですが、いまいちだと感じた場合は、口直しに古い映画をもう1本観ることもあるので、(観る本数が結果的に)増えてしまうことがあります(笑)。

前田 映画館で観ることも多いですが、DVDプレーヤーを持ち歩いているので、待ち時間やメイク中など、細かい時間で分けて観ることもあります。多いときは週に5本くらい観ます。1日に2本観ることも普通にあります。

― 字幕バージョンでご覧になるのですか?

前田 もちろんです! 「そのまま」を味わいたいじゃないですか。日本語になるとわからない部分がたくさんあると思うので、オリジナルの声と雰囲気で観たいと思っています。

― 映画をご覧になる際、前田さんは内容を深く掘りさげて楽しまれるほうですか?

前田 私自身も映画に何本か出演させていただいているので、どうしても「撮られる側」の立場で考えてしまいます。「このシーンは、どういうアングルで、どのように撮ったのだろう」とか、ひとりでいろいろと考えながら観るのがすごく好きです。

「大学の教員としては、『市民ケーン』と『黒い罠』。ひとりの映画好きとしては、『カサブランカ』」(藤原さん)

「最近観た映画では、『ヒューゴの不思議な発明』」(前田さん)

― 好きな外国映画は?

藤原 大学の教員として、これから映画を観る人に絶対に観るよう薦めるという意味では、『市民ケーン』や『黒い罠』を観ていないのはありえない、と言いたいです。ひとりの映画好きとしては、誰がなにを言おうと、『カサブランカ』は映画の基本だと思います。

前田 (『カサブランカ』は)まだ観ていないので、絶対に観ます。ありがとうございます(会場笑)。
最近観た映画では、『ヒューゴの不思議な発明』が印象に残っています。「私の知らない映画の世界が、まだたくさんあるんだな」とこの作品に教えてもらった気がします。
(この式典が開催された時点で)直近で観た作品は『アーティスト』です。

藤原 『ヒューゴの不思議な発明』と『アーティスト』は、いずれも古い映画への愛情に満たされた作品です。前田さんのような若いかたが観てくださって、とても嬉しいです。

「たくさんのかたに『スクリーンで』映画をご覧になってほしい」(前田さん)

「『今』の映画館には、幸せしかつまっていない」(藤原さん)

― 前田さんの世代のかたがたで、映画をご覧になるかたは少ないですね。

前田 周囲の同世代の人たちの中には、「字幕の見方がわからない。字幕を読んでいると映像が観られないから、(映画館へ)観に行けない」と言っている人が多くて、「どうして?」と思います。(映画館に)入ったら、字幕も映像も自然に見られると思うのに。
映画はすべてそうだと思いますが、特に外国映画には、夢がすごくつまっていると思うんです。こういうことはあまり強くは言えませんが、「本物の映画と言えば外国映画」と思っているので……。自分と同じ世代のかたがたの中には、「将来、なにをしてよいかわからない。夢がない」と感じているかたがいらっしゃると思います。ですが、外国映画を観ることで、夢を持ったり夢をふくらませたりするきっかけにもなると思います。なので、たくさんのかたに「スクリーンで」映画をご覧になってほしいな、と思います。

藤原 今年は素晴らしい外国映画の公開が続きます。『ヒューゴの不思議な発明』と『アーティスト』もそうですが、アート系作品なら『メランコリア』や『ニーチェの馬』、娯楽性もあるすごい作品では『ドライヴ』も素晴らしい。「今」の映画館には、幸せしかつまっていません!

《ミニシア恒例、靴チェック!》
藤原帰一さん 前田敦子さん

取材・編集・文:香ん乃 スチール撮影:鈴木友里

  • 2012年04月19日更新

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