【イケメン青田買い】『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』東京・初日舞台挨拶―金田敬監督、高崎翔太さん、新井裕介さん、林明寛さんがご来場。

  • 2012年03月12日更新

 市民オーケストラを舞台に、ヴァイオリニストの守村悠季と指揮者の桐ノ院圭が、音楽家としての互いを高めあいながら愛を育んでいく『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』。2012年3月10日(土)に公開初日を迎え、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて舞台挨拶が開催されました。

 本編の上映後、立ち見のお客さまもいらっしゃる満員の映画館へ駆けつけたのは、金田敬監督、高崎翔太さん(守村悠季役)、新井裕介さん(桐ノ院圭役)、林明寛さん(チェリストの五十嵐健人役)の4名。↑の写真、左から、林さん、高崎さん、新井さん、金田監督です。舞台でも共演したことのある3人と、彼らを温かく見守る金田監督の、和気藹々とした舞台挨拶の模様を、ほぼノー・カットでお届け致します。

※この記事には、映画本編の詳しい内容に関する記述が含まれています。ネタバレを控えたいかたは、本編のご鑑賞後にご覧ください。

― 公開初日を迎えましたね。

金田敬監督(以下、金田) 立ち見のお客さま、すみません。監督にとって、立ち見のかたがいらっしゃるほど多くのかたに観ていただけるというのは、一番の幸せです。どうもありがとうございます。

― 公開前の完成披露試写会でも舞台挨拶をしましたが、東京でこの4名が揃うのは初めてですね。

新井裕介さん(以下、新井) そうですね。前回は警察官*が来ていたんで(笑)。
*警官役で出演している馬場良馬さんのこと。

― 秋月こお先生の原作小説を読んだ上で、この作品に関わることについて、どう感じましたか?

「(悠季と僕は)運命的な出会いを果たしたんじゃないか、と思いました」(高崎さん)

「自分に似ていない桐ノ院というキャラクターを作りあげていくのはおもしろかったです」(新井さん)

「富士見二丁目という架空の町を僕らで創れるのが楽しかった」(金田監督)

高崎翔太さん(以下、高崎) 守村悠季くんと僕は、表面的にも感情的にも似ている部分があります。また、同じ新潟県の出身で家族構成も似ている等、すごい偶然が重なったので、(悠季と僕は)運命的な出会いを果たしたんじゃないか、と思いました。
(実際に演じるときは)桐ノ院くんや(岩田さゆりさんが演じた)川島奈津子さんの言葉にリアルに反応できたら、と考えながら、気をつけて演じました。

新井 桐ノ院圭という役は自分とはかけ離れたキャラクターだったので、自分に似ていないところをどんどん創りあげていくのはおもしろかったです。そういった点を高めていくには、(原作をはじめ)いろいろな題材を読んで積みあげていくのがいいんじゃないかな、と思って、監督とも現場でたくさん話しあって、楽しく創っていきました。

林明寛さん(以下、林) 僕は……、(出演シーンが少なかったので)出てましたっけ?(笑) 僕は今回、チェロを頑張りました! ありがとうございます!!

新井 それだけかよ(会場笑)。

金田 去年の5月くらいにプロデューサーから、「『富士見二丁目交響楽団シリーズ』というボーイズ・ラブの原作があるのですが」とお話をいただいたときは、「また来たか」*と思いました(笑)。
 原作を読ませていただいて、「富士見二丁目という架空の町を僕らで創れる」と思うとおもしろかったですね。とても興味を持って、ロケハンもすごく楽しんでできました。
*金田監督は、過去にボーイズ・ラブ映画『愛の言霊』(2007)と『愛の言霊~世界の果てまで~』(2010)を手がけている。

― 演じてみて印象的だったことは?

「神社でヴァイオリンの練習をしていたら、警察官に職務質問をされるという事件も(会場爆笑)」(高崎さん)

新井 劇中で何度も出てくる、「スタァーップ!」と叫んで楽団の演奏をいきなりぶった切るのが印象的でしたね。言ってて気持ちよかったです。

高崎 僕はですね、ヴァイオリンという特殊技術を身に着けるというか……。

新井 身に着いた?(笑) 身に着いた?(会場笑)

高崎 身に着いたんですけど……(苦笑)、相当難しかったので、家に持ち帰って練習もしたんですが、やはり音が鳴るものなので、姉や隣人に怒られることもありました。
 神社や公園でも練習したんですけど、神社で弾いていたら警察官に職務質問をされるという事件もありまして(会場爆笑)。そんな紆余曲折を経て撮影した演奏のシーンは、かなり印象的でしたね。

 11月に撮影したんですが、まさかのタンクトップ姿で1日中いるという(笑)。その寒さに耐えるのが必死で、(ほかのことは)憶えていません!(笑) ……いや、憶えていますけど(笑)、タンクトップでチェロを弾いている自分に笑っちゃって。その印象が強かったです。

金田 (五十嵐の衣装がタンクトップなのは)原作者の秋月先生のこだわりなので。五十嵐くんがバンダナをしていることも含めて、僕のセンスではないので、そこだけは言っておきます(会場笑)。

新井 今のは、完全に秋月先生を批判したことになりますね(笑)。

 そんなことないです。僕は(タンクトップが)お気に入りですもん。すーっごくお気に入りですよ(会場笑)。

― 秋月先生とお目にかかったときは、どんなお話をなさったんですか?

「映画の完成後、秋月先生から3点ご指摘を受けました。『悠季は(高価な)指輪は買えない』、『悠季のパンツの色が違う』、『桐ノ院がオールバックになっていない』という点です」(金田監督)

新井 撮影現場に先生が来てくださって。「なんて言っていただけるのかな」と思っていたら、「手が綺麗ね~」と何度もおっしゃっていただけました。

高崎 先生、お着物をばっちりお召しでご登場だったんですが……。

新井 そう。すごく正装でいらしてくださって。

高崎 めちゃめちゃ恐い人なんじゃないかと思って(笑)。でも、話してみると、すごく優しいかたで、気さくに話してくださいました。撮影後、先生にひと言、「あとはヴァイオリン(が課題)だね」と言われました(苦笑)。

新井 先生から直接伺ったわけではないんですが、撮影現場に先生がいらしたときに、「(新井さんが)桐ノ院のままだったら、『なぜ、こんなところに来たんですか!?』と怒られるんじゃないか、とびくびくしている」とおっしゃったそうです(「あぁ、なるほど」と納得したようにうなずく3人)。

金田 本作が完成したあとに先生と対談させていただきましたが、ご指摘を受けた箇所が3つありました。ひとつは、「悠季は(高価な)ダイヤモンドの指輪は買えません」ということ(笑)。あと、「悠季のパンツの色が違います」と言われました(会場笑)。

高崎 先生は「白がよかった」んですよね(笑)。

金田 そう。それに、「ブリーフじゃなくてはだめです!」って(笑)。もう1点、ご指摘を受けたのは……。

 僕のタンクトップのことは、なにかおっしゃっていましたか?(会場笑)

金田 そこは「完璧です」と言われましたよ(笑)。あと1点ご指摘を受けたのは、桐ノ院がオールバックになっていなかったことですね。撮影当時、新井くんがまだオールバックに向かない髪型だったもので(苦笑)。この3点については、先生に「ごめんなさい」をしました(笑)。

― 最後に、ご来場くださったお客さまと、この舞台挨拶の生中継をUstream(ユーストリーム)でご覧になっているみなさまへ、メッセージをお願いします。

「本当に素敵な若い俳優たちが、一生懸命演じた作品」(金田監督)

高崎 原作ファンのみなさま、本日観にきてくださったお客さま、ありがとうございました。そして、夜分遅くに……、ユーストリーム?(と、新井さんに訊ねるように)

新井 うん、ユーストリーム。

高崎 ユーストリームというもので(会場爆笑)ご覧になっているみなさま、ありがとうございます。

本編の名シーンを、金田監督の無茶振りで再現。

金田 高崎くん、夜遅くにお客さまが集まってくださったんだから、ここはみなさまに、生「にゃ~」を……。

高崎 え!? 台本に書いてあれば、700回くらい練習してきたんですが、突然……、エンドロールの「にゃ~」ですね……。じゃあ、一緒にやろう(と、新井さんを見る)。

新井 頑張って勇気をふりしぼってひとりでやろう! 両手、使ったらいいよ(と言って、高崎さんのマイクを持ってあげる)。

高崎 「にゃ~」(会場爆笑・拍手)

金田 悠季がやったんだから、圭もやらなければいけないと思うんですけど。……ここはやっぱり、生「悠季 MY LOVE」を!(会場拍手)

新井 ちょっと待って、本当に!! 

 いきます! テイクワン!! はい、入ります!

金田 じゃ、いきますよ。よーい、本番!

 アクション!

新井 (高崎さんの肩を抱いて)「悠季……、MY LOVE」。

高崎 (くすくすと笑ってから)「わーっ!」

金田 林くんはなにをやるのかな?

新井 ……「警官 MY LOVE」(ぽつりとつぶやく)

 まさかの?(笑)
 僕はまだ秋月先生とお会いしたことがないんですけど、目を閉じれば、「チェロ、頑張ったね。タンクトップ、寒かったでしょ?」という先生のお声が聞こえてきます(会場笑)。みなさまの応援があれば、次回作も作られるかもしれなくて、そうしたら、またはじけてチェロももっと頑張って弾くので、応援、よろしくお願いします!

金田 ご覧になっていただければわかると思いますが、本当に素敵な若い俳優たちが、一生懸命演じた作品です。みなさまに愛していただけたら嬉しいと思っています。今日は本当にありがとうございました。

《ミニシア恒例、靴チェック!》
左から、林さん・高崎さん・新井さん・金田監督です。

▼『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』作品・公開情報
2012年/日本/カラー/ビスタ/ステレオ/83分
原作:秋月こお(角川ルビー文庫・刊)
脚本:板谷里乃 箱田森介
監督:金田敬
製作:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント ビデオプランニング ビデオフォーカス
制作・配給:ビデオプランニング
出演:高崎翔太 新井裕介 岩田さゆり 林 明寛 馬場良馬 NAOTO(ゲスト出演) 木下ほうか 宮川一朗太 徳井 優 国広富之
コピーライト:(C)2012秋月こお/角川書店・富士見二丁目交響楽団シリーズ製作委員会
『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』公式サイト
※3月3日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー!

取材・編集・文:香ん乃 スチール撮影:鈴木友里

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  • 2012年03月12日更新

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