『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』河童のピンクミュージカル?! 無邪気でパワフルなピンク映画の驚愕

  • 2011年10月12日更新

世界初。日独合作ピンクミュージカル。無邪気でお馬鹿でエロティック

缶詰工場で働く明日香の目の前にお調子ものの河童が現れて親しげに話しかけてきた「オレだよ、オレ。青木哲也。」伝説の妖怪はなんと高校時代に溺死した同級生だった?!ピンク映画を中心的に熱狂的なファンをもつ、いまおかしんじ監督と世界で活躍するカメラマン、クリストファー・ドイルによる、今までのピンク映画とは全く異なるピンクミュージカル。10月8日~ポレポレ東中野、10月22日~ユーロスペース、10月下旬~ドイツ6都市ほか全国順次ロードショー。いたずら好きの河童をモチーフにしたストーリーは無邪気でおバカなユーモアにあふれているが、生きることのエネルギーを感じさせるエロティックシーンにピンク映画の底力を見せつけられる。いまおか監督とクリストファー・ドイルの化学反応が存分に楽しめる作品。


「オレだよ、青木哲也覚えている?」懐かしい同級生が河童になっていた!

缶詰工場で働く明日香はある日、沼で河童と遭遇する。婚約者のはじめや、缶詰工場の同僚に話しても誰も信じてはくれない。再び現れた河童は明日香に親しげに話しかける「よぉ、オレだよ、オレ。青木哲也。覚えている?」河童は沼で溺死した明日香の同級生の生まれ変わった姿だった。混乱する明日香に「久しぶりだなぁ、チャゲ」と河童は高校時代の懐かしいあだ名で呼びかける。17年ぶりの再会を喜ぶ二人。しかし、沼から地上に来た理由を尋ねても河童はなかなか話したがらない。結婚を前に幸せそうな明日香をなにも言わずにただ見ている河童。実は妖怪である河童は、死神から明日香の死期が近いことを聞かされていた。人の死期を変えることはできない。そんなことをしたら死神に祟られる。分かっていながら、河童は明日香の手を取り、河童のいる山を目指した。

低温な歌と体当たりダンスが生み出す、破壊力を秘めたミュージカルシーン

まずは予告編を見て頂きたい。冒頭に流れるのはこんな曲。「オバサンガ、ウゴキダス、オバサンガ、タチアガル(中略)オバサン、オバサン~♪」こんな不思議な歌詞を歌うのはドイツの人気ポップデュオ“ステレオ・トータル”。オール日本語の曲は感情がこもらないカタコト口調。この軽快にして低温な曲と感情あふれる熱っぽいダンスとのギャップが楽しい。いまおかしんじ監督は『サウンド・オブ・ミュージック』の大ファン。「音楽が始まり、踊りだすダイナミズムに涙が流れる」と語る。もちろん、『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』のミュージカルシーンは『サウンド・オブ・ミュージック』とは全く方向性の違う別物。それでも物語の中で、行き場のない感情を歌い、踊るミュージカルシーンでは想像を超えたエネルギーが生まれていることを実感するはず。

いまおかしんじ×クリストファー・ドイル。垣根を越えて生まれる化学反応

ピンク映画を中心に熱狂的なファンをもつ、いまおかしんじ監督。ウォン・カーウァイ監督を始めとし、ハリウッド映画でも活躍をする世界的カメラマン、クリストファー・ドイル。今まで交わることのなかった二人の化学反応にも注目。いまおか監督が「通常のピンク映画とは全く違う」と語るように、ドイルの撮るエロティックシーンにはセックスという行為以上に感情のぶつかりあいがくっきりと激しく浮かび上がる。「僕はある種のエネルギーを賞賛しようとしていて、それに美しい形や、光を当てたいと思っている。」と語るクリストファー・ドイル。ドイルがエロティックシーンに求めるのは生きることのエネルギーを美しく切り取るということ。エロの持つ破壊力と美しさをピンク映画とは違う角度からも楽しんでいただきたい。

▼『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』公開・上映情報
監督:いまおかしんじ
脚本:守屋文雄、いまおかしんじ
撮影:クリストファー・ドイル
音楽:ステレオ・トータル
製作:国映株式会社、Rapid Eye Movies、インターフィルム
出演:正木佐和、守屋文雄、 梅澤嘉朗、大西裕、成田愛、佐藤宏、 吉岡睦雄
●『UNDERWATER LOVE -おんなの河童-』公式サイト

10月8日~ポレポレ東中野、10月22日~ユーロスペース、
10月下旬~ドイツ6都市ほか全国順次ロードショー
©2011 国映株式会社/Rapid Eye Movies/インターフィルム

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文:白玉

  • 2011年10月12日更新

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