北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS2020」開幕 !— 福井から世界へ響く轟音! 『轟音/ROAR』片山享監督 緊急インタビュー

  • 2020年07月18日更新

北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS 2020」が、現地時間の2020年7月17日(金)に幕を開けた。

2007年より毎年ニューヨークで開催されている本映画祭だが、14回目となる今年はコロナウイルス感染拡大の影響を受け、オンラインで7月30日(現地時間)まで14日間にわたり開催される。

メジャー、インディペンデントの垣根を超えた話題作や、過去の名作、短編、アニメーションまで、多様なジャンルから日本映画の「今」を映す作品を集めた本映画祭は、米国在住の日本映画愛好家や大手メディアも注目する祭典だ。なかでも、「もっとも熱いコンペティション」と言われているのが若手監督の登竜門、Next Generation部門だ。

そのNext Generation部門に片山享監督の『轟音』(英題:ROAR)が選出されたというニュースを受け、映画祭開幕直後の今の心境を緊急インタビューした。

※画像は『轟音』インターナショナル版ポスター(デザイン:広部志行)


「 “生きてる” ことは素晴らしい」
海外の方にも伝わることを願ることを願って

—「JAPAN CUTS 2020」ご出品までの経緯をお聞かせいただけますか?

片山享監督(以下、片山):『轟音』の劇場公開初日に観に来てくださった知り合いの配給会社の方が、「Third Window Filmsのアダム・トレル氏にこの作品を観てもらえば?」と助言してくださって。「知り合いではないんです」と答えたら紹介してくださったんです。アダムさんも『轟音』を気に入ってくださって、話はとんとんと進み、JAPAN CUTSに推薦していただき、出品が決まりました。

—  「JAPAN CUTS」のなかでも注目度の高い、Next Generation(ネクスト・ジェネレーション)部門に選出されたお気持ちは?

片山:信じられないですね。誰に頼まれたわけでもなく、撮りたいという一心で撮った映画なので、そんな映画が日本だけじゃなく、海外で上映されるなんてなんか出来すぎた話みたいです。ただ、Next Generationということで今年40歳の僕がネクストでいいかどうかは疑問だなとは思いました(笑)。けど、負けたくないので頑張りたいと思います。それと、致し方ないことですが、ニューヨークに猛烈に行きたかったですね。現地で直接、色んな感想を聞きたかったです。

—  今回の映画祭選出を受け、一緒に映画を作ったスタッフやキャスト、作品の舞台となった福井の方からはどんな声をかけられましたか?

片山:皆さん喜んでくださって、寝れない食べる時間ないみたいな現場だったので、報われたと言っていました。ありがたいです。福井の方々は、自分の街が海外で観られるということで興奮しています。僕も興奮しています!

—  海外(北米)の方に本作を観てもらうのは、率直にどんなお気持ちですか? どんな部分を観て、感じてもらいたいですか?

片山:この映画に込めたのは “生きてる” ことは素晴らしい、ということです。今当たり前にあること、普通のことが実はすごく幸せなことなんだって。これは、日本だけではなく、人類みんなに言えることではないかと思っています。それが海外の方々に伝わることを願っています。そして、いつか福井という街に来てほしいですね。

— 上映以外のイベント、例えばQ&Aなどに参加のご予定はありますか?

片山:特にQ&Aの時間はないのですが、映画の冒頭でイントロダクションを話させていただいています!

【速報】「第21回ハンブルク日本映画祭 」招待作品に決定!
シネマスコーレ、京都みなみ会館ほか国内拡大上映決定!
安楽涼&片山享タッグ『追い風』8月7日公開も!

本インタビューの直後、片山監督からさらに喜ばしいニュースが届いた。
『轟音』がドイツ・ハンブルグで2020年8月19日(水)〜9月2日(水)<現地時間>にオンライン開催される「第21回ハンブルク日本映画祭」の招待作品に決定し、さらに、名古屋のシネマスコーレでも今秋上映が決定、京都みなみ会館でも近日上映が決定した! 8月7日(金)からは『轟音』で主演を務めた安楽涼がメガホンを執り、片山監督が脚本を手掛けた『追い風』の全国順次公開も待機中だ。

福井の街の片隅で片山組が鳴らした轟音が、日本を揺らし、そしていま世界へ響きわたろうとしている——。

◆「第21回ハンブルク日本映画祭」公式サイト(※2020.7.18現在:招待作品ページなどは準備中)

『追い風』公式サイト

北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS」とは?

「JAPAN CUTS」は、日本映画の「今」を映す珠玉の作品を集めて上映する、北米最大の日本映画祭。歴史ある日米交流団体「ジャパンソサエティ」の主催で、2007年から毎年ニューヨークで開催されている。

プレミア上映のほか、フリートークイベントや上映後のQ&A、パーティーなど多彩なプログラムを通じて、ゲストの映画製作者や俳優陣の生の声に触れることができ、これまで、350本以上の映画作品を上映、100人以上のゲストを招き、6万人以上もの日本映画ファンを魅了してきた日本映画の祭典だ。

【「JAPAN CUTS 2020」開催概要】
14回目となる2020年は、現地時間の2020年7月17日(金)~30日(木)にオンラインで開催される。メジャー、インディペンデントの垣根を超えた話題作や、過去の名作、短編、アニメーションまで、多様なジャンルから30作の中長編と12作の短編を選出。映画製作者の紹介動画や、全米の視聴者向けのライブQ&A、パネルディスカッションなど多彩なプログラムで14日間にわたり開催する。残念ながら、作品上映ほかのストリーミング配信でのプログラムは米国在住者のみ視聴可能だが、一部作品とQ&Aなどのアーカイブ映像は全世界から視聴可能だ。視聴可能なプログラムは、ぜひ「JAPAN CUTS 2020」公式サイトでご確認を!

<Next Generation部門>
7作品が選出されたNext Generation部門は、フェスティバル・プログラムの中でももっとも熱いコンペティションとなる部門だ。その特徴は、新人監督による長編インディペンデント映画のなかから、日本映画の未来を担うべく才能を厳選していること。映画界のプロたちによって審査され、もっとも優秀とされた作品には、故・大林宣彦監督(1938-2020)を称え、第一号となる「大林賞」が授与される。

「JAPAN CUTS 2020」Next Generation部門 作品ラインナップ

・片山享監督『轟音/ROAR』
・中川奈月監督『夜のそと/Beyond the Night 』
・アンシュル・チョウハン監督『KONTORA-コントラ/Kontora 』
・山田佳奈監督『タイトル、拒絶/Life: Untitled 』
・三澤拓哉監督『ある殺人、落葉のころに/The Murders of Oiso 』
・鈴木冴監督『神様のいるところ/My Identity 』
・壷井濯監督『サクリファイス/Sacrifice 』

受賞発表について
受賞発表は現地時間の7月30日。大林賞受賞者とのクロージングナイトライブQ&Aが米国在住者に向けライブストリーミング配信される予定だ。こちらはライブ配信後、アーカイブ映像として日本からも無料視聴可能となる予定なので、楽しみに待とう。

「JAPAN CUTS 2020」公式サイト

映画祭トレーラー

 

監督プロフィール・作品情報

©ハルプードル

【監督/片山享(かたやま・りょう)】
1980年、福井県鯖江市生まれ。大学卒業後から俳優活動を始める。主にインディーズ、単館系映画にて多く出演を重ね、主演も果たしている。舞台では賞レースを賑わせたトラッシュマスターズに多く客演。安定感のある演技力を武器に着実にメジャー作品にも進出しつつある。近年の主な出演作は『22年目の告白-私が殺人犯です-』(2017/入江悠監督)、『リングサイド・ストーリー』(2017/武正晴監督)『DEVOTE』主演(2015/田島基博監督)など。また『轟音』主演の安楽涼氏監督作『1人のダンス』では脚本を務め、安楽監督の最新作『追い風』でも脚本を担当。『追い風』は2020年8月7日よりアップリンク吉祥寺にて公開予定。

▼『轟音/ROAR』作品・公開情報
(2019年/日本/99分/16:9/ステレオ/DCP)
監督・脚本・編集:片山享
英題:ROAR
プロデューサー:夏井祐矢、宮田耕輔
撮影・照明:深谷祐次 録音:マツバラカオリ
特殊メイク:北風敬子
サウンドディレクター:三井慎介
カラリスト:安楽涼
出演:安楽涼、太田美恵、大宮将司、岸茉莉、中山卓也、柳谷一成、松林慎司、片山享、​宮田和夫 ほか
© Ryo Katayama Film

【ストーリー】ある⽇、誠(安楽涼)の兄が犯罪を犯した。それを苦にした⽗は⾃殺し、誠は⺟親に助けを求めたが、⺟は助けてはくれなかった。誠は家を⾶び出し、⾃分を傷つけてくれるものを探した。そして、⼀⼈の浮浪者(片山享)に出会う。彼との出会いをきっかけに、誠の生と向き合う音が静かに響き始める……。

『轟音』公式サイト

※名古屋・シネマスコーレ、今秋公開予定! 京都みなみ会館、上映決定!ほか全国順次拡大公開!

 

編集・文:min

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