多様な映像が映し出す“福島の今”—『福島映像祭2019』ポレポレ東中野にて開催

  • 2019年09月01日更新

福島や3.11にまつわる、あらゆる映像を集めて上映する『福島映像祭2019』が、2019年9月21日(土)~27日(金)に東京・中野区の「ポレポレ東中野」と「スペース&カフェポレポレ坐」にて開催される。

プロの映画監督の長編作品から、TV番組、一般市民による生活の記録まで、多様な映像を通して“福島の今”を映し出すことを目的に、2013年にスタートした本映像祭。映像上映とトークイベントを組み合わせた多彩なプログラムで、震災・原発事故の記録を継承し、対話を生み出すことを目指している。

多くの犠牲者を出した東日本大震災と原発事故が、時とともに風化されることがないよう、スクリーンを通してあらためて福島の真実を見つめてみてはいかがだろうか。

※作品詳細・上映スケジュールを掲載したチラシ(PDF)のダウンロードはこちら

 

上映作品・イベント

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◆上映作品◆

失われた春』監督:田嶋雅己
(2019年/129分/日本)作品詳細
福島第一原発による放射能汚染は、阿武隈地方の原木シイタケ農家と、農家に原木を供給してきた林業家にも壊滅的な被害を与えてきた。他の農産物は徐々に回復してきたものの、原木シイタケは放射性セシウムの移行係数の高さゆえに被害は未だに続いている。写真家・田嶋雅己による県内各地の農家や林業家、阿武隈の里山の継続的な記録。

星に語りて ~Starry Sky~』監督:松本動
(2019年/日本/115分)作品詳細
東日本大震災の直後、全国障害者ネットワークでは、日本各地のグループで連携して被災地の支援活動を始めようとしていた。その矢先「障害者が消えた」という情報を聞く—。陸前高田、南相馬など、被災地での実話をもとに、その知られざる実情をフィクションとして描いた物語。
※バリアフリー版(日本語字幕・音声ガイド付き)上映

日本一大きなやかんの話』脚本・編集:矢座孟之進
(2019年/日本/50分*予定)作品詳細
「ドキュメンタリー作品による原子力発電に対する意識改革」というテーマを基に高校生が作り上げた中編。アメリカの学者、鎌倉の地域発電、東京電力の立地地域部、フランス大使館の原子力参事官など、多種多様な人々に話を聞きに行くことで、福島の原発事故とは何だったのか、原子力発電の議論になぜ乖離が生まれるのかを考えていく力作。

ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲』監督・脚本:才谷遼
(2019年/113分/日本)作品詳細
原発最前線の町・フクシマ県楢穂町の役場に出向を命じられた楠穀平は、上司となる役場の助役・村井に連れられ、津波で押し流された地区や、いまだ復旧しない鉄道、終わらない除染、セシウムが降り積もった帰宅困難地域など、各所を視察。フクシマの現状を目の当たりにする―。葛飾北斎の大蛸が福島第一原発に巻き付くアニメーションは必見。

富岡 わが愛(仮題)』※未完成版上映 監督・編集:島田隆一
(2019年/日本/70分*予定)作品詳細
福島県富岡町から郡山市に避難した女性たちで結成した「富岡町3・11を語る会」は、語り部として県外から訪れた人に震災当時の経験を語る活動とともに、その活動をドキュメンタリーとして記録していた。その制作を指導していた映画監督の島田隆一による彼女らの活動とその失われた故郷を訪れる旅路を描いた近日完成予定の作品のプレビュー上映。

マリアとフクシマ』製作:関西テレビ放送
(2018年/日本/60分)作品詳細
チェルノブイリ原発事故で胎内被曝したマリア・ディオディチュクさん。原因不明の体調不良が続いていたが、大人になってから甲状腺の病気だと判明し、24歳の時に摘出手術をした。絵を描くことが大好きで日本文化に憧れていたマリアさんが2016年に初めて日本を訪れ、福島を訪れてから、そこで出会った人々との交流を続けていく―。1年半の記録。
※「フクシマの母~母子避難8年・闘いの記録~」との2本立て上映

フクシマの母~母子避難8年・闘いの記録~』製作:毎日放送
(2019年/日本/50分)作品詳細
郡山市から大阪へ避難している森松明希子さんとその家族を6年間追ったドキュメント。郡山の病院で働く夫と離れ、息子と娘を連れて自主避難した森松さんの、夫と離れて暮らすこと、子どもが避難先で成長していくこと、東京電力の賠償、世間の目、事故の風化―。作品は様々な葛藤を描いていく。
※「マリアとフクシマ」との2本立て上映


◆イベント◆

市民部門上映&トーク「わたしが伝える福島 イベント詳細
ゲスト:城島めぐみ、千葉偉才也(リテラシー・ラボ)、山田徹
コメンテーター:下村健一(白鴎大学客員教授/元TBS報道キャスター)
進行:平野 隆章(OurPlanet-TV)
上映作品:『小さな種が繋ぐ物語―原発事故から8年 とみ子さんの想い―』、『愛しのAiAi』、『あいまいな喪失(仮)』※フッテージ上映
市民部門に寄せられたビデオの中から3作品を上映。それぞれの作品の制作者、関係者をゲストに作品に込めた想いを聞く。

上映&トーク「福島中央テレビの現場から」 イベント詳細
ゲスト:佐藤 崇(福島中央テレビ常務取締役報道担当)
聞き手:小田桐 誠(ジャーナリスト)
福島県外では見ることのできない福島のローカルニュースを上映する毎年恒例企画。震災・原発事故から8年が経過した現在、地元テレビ局の報道はどう変化したのか、福島中央テレビの佐藤崇さんをゲストに、取材現場のリアルを聞く。

上映&トーク「双葉町のいま」 イベント詳細
ゲスト:井戸川 克隆(元双葉町長)
聞き手:白石 草(OurPlanet-TV) 
福島第一原発の重大事故を受け、福島県の首長の中でただ一人、町民の県外避難を行なった双葉町の井戸川克隆前町長。住民が移住する「仮の町」構想を提唱し、避難指示解除や帰還を急ぐ近隣の市町村とは一線を画した。現在、被曝問題に正面から向き合いつつ、国と東電を訴えた裁判を闘っている。双葉町の最新映像を交えながら、事故当時を振り返るとともに、避難指示解除に急ぐ双葉郡の未来を考える。

 

スケジュール

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開催概要

日程:2019年9月21日(土)~9月27日(金)

会場:ポレポレ東中野スペース&カフェポレポレ坐
主催:認定NPO法人OurPlanet-TV
共催:ポレポレ東中野

『福島映像祭2019』公式サイト

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編集:min
  • 2019年09月01日更新

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