『CINEMA JOURNEY 湯梨浜×門司×宗像』—心に抱えた重い荷物はいったん置いて、スクリーンの中で旅に出よう!

  • 2019年06月27日更新

湯梨浜、門司、宗像——
旅の案内人は、才能溢れる3人の監督たち

夏休みを前に気分が上向きの人も、日々の生活に少々疲れ気味の人も、旅気分を味わえる映画を観て心と頭をリフレッシュさせてみるのはいかがだろうか。

2019年6月29日(土)〜7月5日(金)に新宿K’s cinemaで開催される『CINEMA JOURNEY』は、3人の新鋭監督――吉開菜央、岡太地、浦井崇が、異なる地域で撮った珠玉の中編映画 3 本を楽しめる特集上映だ。

鳥取の湯梨浜、北九州の門司、福岡の宗像を舞台に、経歴も作風もまるで異なる監督たちが、美しい風景と、そこに生きる人や訪れる人々の人生を、三者三様にいきいきと描いた意欲作が揃う。それぞれの作品に登場する吉本芸人たちの演技や役柄も、見どころだ。

個性的な監督と魅力的なキャストたちが紡ぐ3つの物語は、きっと新鮮な刺激と癒しをもたらしてくれるはず。劇場を出たときには、心も足取りもふっと軽くなっているかもしれない。


『梨君たまこと牙のゆくえ』×湯梨浜 監督:吉開菜央

自然の溢れる湯梨浜で、梨の果汁がほとばしる !
みずみずしさ200%の新感覚ガールズファンタジー

“梨”と“牙”に導かれた「あやの」と「さとこ」の運命を描く、ファンタジックでミステリアスな新感覚ガールズムービー。湯梨浜の豊かな緑をやわらかな光の中に描く映像がとにかく美しい。かわいさとエロさと野性が同居するヒロインたち、ポップでカラフルなインテリアなど、どこを取っても魅力的な作品ではあるが、 “みずみずしさ”という表現をここまでの臨場感で描いた映画はほかにないだろう。五感を震わせる巧みな仕掛けに、風の匂いや、水の温度、日常を彩る楽しい音たち、さまざまな感触までが伝わってくる。スクリーンから滴る吉開監督の類いまれなる感性を、ぜひ劇場でご体験あれ。

【あらすじ】身の回りの音をこよなく愛する “音フェチ女” あやのは、ある日、自分の部屋で身に覚えのない梨を発見する。女手ひとつで梨づくりに奮闘するさとこは、自分の畑から梨を盗んだ獣の牙を見つける。「シャクリ、シャクリ、ゴクリ」。梨と牙をめぐってほとばしる、ふたりの女の果実愛。

出演:後藤ゆう、木村舞輝、笑い飯哲夫、レイザーラモンRG、歩りえこ
(2018年/日本/30分) ©「梨君たまこと牙のゆくえ」制作委員会

【監督プロフィール】
吉開菜央(よしがい・なお)/映画作家・ダンサー・振付家。公式サイト
主な監督作品は『Grand Bouquet/いま いちばん美しいあなたたちへ』(カンヌ国際映画祭監督週間2019正式招待)、『ほったまるびより』(文化庁メディア芸術祭2015エンターテインメント部門新人賞受賞)。MVの監督、振付も行う。米津玄師MV『Lemon』では出演・振付を担当している。

『レトロの愛情』×門司 監督:岡太地

ロバート主演!
北九州の観光名所の門司を舞台に描く
時流に染まれない人々への賛歌

北九州を代表する観光名所、門司。しかし、10数年前までは貨物船が行きかうだけの港町だった。幼いころに門司港に住んでいたカメラマンの主人公は、数年ぶりに仕事で訪れるが、観光地化した思い出の場所に、もう昔の面影はなかった……。心に傷を抱えた主人公とヒロインの出会いを通して、時流に染まれない人々の葛藤と思いやりを描く人間ドラマ。メインキャストを務めるロバートの3人が、それぞれのキャラクターを活かして好演している。生きることに不器用な人々を見詰める岡監督の視線は、鋭くもいつも温かい。彼らのくすんだ人生を愚直に描き、それでもなお愛おしいと思わせる。そんな岡節ともいえる人間讃歌が本作でも息衝いている。訪れる人は変わっても、門司の海はいつだって輝いてそこにある。運行の目的は変わっても、皆に愛される「トロッコ列車」みたいに、ゆっくり進んで行けばいいのだ。

【あらすじ】北九州市の観光名所、門司港レトロ。かつての炭鉱の貨物線路には観光用「トロッコ列車」が走る。大物カメラマンがやってくるが、観光課の職員の距離の近さにイライラし始める。2013年沖縄国際映画祭特別招待作品。

出演:馬場裕之(ロバート)、肘井美佳、秋山竜次(ロバート)、山本博(ロバート)
(2013年/日本/36分) ©「レトロの愛情」製作委員会

【監督プロフィール】
岡太地(おか・だいち)/1980年、京都府生まれ。
大阪芸術大学映像学科・大学院卒業。映画監督・武蔵野美術大学非常勤講師。『トロイの欲情』がPFF2005で準グランプリを受賞。
2016 年製作の長編『川越街道』が各地で劇場公開され好評を博す。はなわ・島谷ひとみのMVも監督。

『あなたがここにいるだけで〜むなかた三姉妹物語〜』×宗像 監督:浦井崇

神秘的な風景のなか、神話と現代がリンクする

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界遺産記念ドラマとして、2017年に制作された作品。エキストラやボランティアとして市民が多数参加し、宗像大社や大島、神湊、赤間など、さまざまな「宗像」がロケ地として登場する、スピリチュアでエコロジカルな物語だ。映画『ブタがいた教室』や『わさお』などを手掛けた小林弘利によるオリジナル脚本を、元お笑い芸人の浦井監督が映像化。大きな力に導かれ、心の旅をしてみたい……そんな体験に憧れている人はきっと多いはず。心に刺さるセリフが散りばめられ、神秘的な風景が旅情を掻き立てる、魅力的な作品だ。

【あらすじ】母校の小学校で教育実習をすることになった三姉妹の末娘・一希(いつき)が児童からの無邪気な問いかけをきっかけに、「宗像三女神」が何を伝えようとしているのか、さまざまな人と出会いながら自分の答えを探し、成長していく物語。 ある時、一希は宗像の森で不思議な体験をする。 これは三女神からのメッセージなのか……?

出演:山田菜々、テット・ワダ、中村祐美子、山本由貴、寿一実、出光秀一郎、田中健(特別出演)
(2017年/日本/47分)©世界遺産登録記念ドラマ制作実行委員会

【監督プロフィール】
浦井崇(うらい・たかし)/大阪府生まれ。
漫才コンビやるじゃねぇかーずとして第14回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞を受賞。1998年に映画美学校に入学。
『もの凄いキック』(2003年)、『伊達ハリー』(2005年)などを監督。現在は構成作家として活躍。

▼『CINEMA JOURNEY 湯梨浜×門司×宗像』開催情報
開催日時:2019年6月29日(土)~7月5日(金)連日レイトショー上映(21:10〜)
場所:新宿K‘s cinema(東京都新宿区新宿3-35-13 3F)
料金:前売り券/1,300円 当日券/1,800円
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
公式サイト

<トークショー登壇予定>
6月29日(土) 吉開菜央監督、岡太地監督、浦井崇監督
6月30日(日) 吉開菜央監督
7月  1 日(月) 岡太地監督
7月 2 日(火) 浦井崇監督
7月 3 日(水) 浦井崇監督
7月 4 日(木) 岡太地監督
7月 5 日(金) 吉開菜央監督、岡太地監督、浦井崇監督

※2019年6月29日(土)~7月5日(金)新宿K‘s cinemaにて1週間限定レイトショー上映

編集・文:min

  • 2019年06月27日更新

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