年末年始にオススメ! 3時間超えの名作DVD 

  • 2018年12月29日更新

「年末年始にオススメ!3時間超えDVD」メイン画像2018年も残りわずか。待ちに待った冬休みももうすぐそこ。今回は趣向を変えて、普段は長くて敬遠しがちな3時間超え映画の中から、オススメのDVD作品『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』『ファニーとアレクサンデル』『ドクトル・ジバゴ』をご紹介。この年末年始、見応えたっぷりの不朽の名作を観て、贅沢な時間を過ごしてはいかがだろうか。


『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』-60年代の台北を舞台にした残酷で瑞々しい青春映画

牯嶺街少年殺人事件
(1991年/台湾/
236 分
監督: エドワード・ヤン
出演:チャン・チェン、リサ・ヤン、ワン・チーザン、クー・ユールン、エレイン・ジン

熱狂的ファンを生み出した、エドワード・ヤン監督の伝説的作品の4Kレストア・デジタルリマスター版。主役の少年を演じたチャン・チェンは今や中華圏の大スターで、2018年のカンヌ映画祭審査員も務めた。

1960年代初頭、日本統治時代の名残を留める台北。建国中学夜間部に通う小四(シャオスー)は、ある日保健室で足に怪我をした小明(シャンミン)という少女に出会い、淡い恋心を抱く。だが、彼女は不良グループ “小公園” のボス、ハニーの女だった。ハニーは別のグループのボスと小明を奪い合い、相手を殺して逃亡中だったが、突然姿を現す。グループ同士の対立は激化し、“小公園”のメンバーである小四もその抗争に巻き込まれていく……。

当時の複雑な社会情勢による閉塞感、それが生み出す暴力や犯罪、さらに恋や友情、家族の愛といった日々の営みの様々な側面がノスタルジックな映像で描かれる。「僕だけが君を救える」と青臭いヒロイズムに酔う無口な少年と、ファム・ファタールのように男を翻弄する少女。この2人の関係はどこまでも瑞々しく、残酷だ。思春期に経験した初恋の甘く切ない記憶が呼び起こされる。

牯嶺街少年殺人事件 [DVD]

『ファニーとアレクサンデル』20世紀初頭のブルジョワ一族の2年間を綴る、ベルイマン監督の自伝的作品

『ファニーとアレクサンデル』
(1982年/スウェーデン・フランス・西ドイツ/319分)
監督:イングマール・ベルイマン
出演:ペルニッラ・アルヴィーン、バッティル・ギューヴェ、グン・ヴォールグレーン、アラン・エドヴァル

スウェーデンの地方都市に住むエクダール家の人間模様を描く、ベルイマン監督の集大成ともいえる作品。テレビ連続放映用オリジナル版で、5部構成となっている。

1907年、劇場主で俳優のオスカル・エクダール一家は、クリスマス・イヴ恒例のキリスト降誕劇を上演し、その後いつものように親しい人々と盛大に祝った。だが、オスカルは年明けのリハーサル中に急死。未亡人となったエミリーは、相談相手のヴェルゲルス主教と再婚するが、それは幼い子供たちアレクサンデルとファニーにとっての過酷な生活の始まりだった。

一族が集まる豪華絢爛なシーンは華やかで温かい雰囲気が、主教との質素な生活を描くシーンでは凍えるように冷たい空気が画面から伝わる。そうしたリアリティを感じさせる一方、澄んだ瞳が印象的なアレクサンデルが幽霊を見たり、祖母の友人が不思議な能力を使ったりと、突如ファンタジーの世界に誘い込まれる。

神に仕える主教の冷酷さと垣間見える苦悩、モラハラやパワハラを平気で行う2人の叔父が子供たちに見せる愛情など、人間の多面性も描かれる深遠なヒューマンドラマ。不出来な男たちに比べて、エクダール家の女たちは包容力もあり魅力たっぷりだ。

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『ドクトル・ジバゴ』ロシア革命に翻弄された男女の愛を壮大なスケールで描く

『ドクトル・ジバゴ』
(1965年/アメリカ・イタリア/200分)
監督:デビッド・リーン
出演者:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、ジェラルディン・チャップリン、トム・コートネイ、リタ・トゥシンハム、アレック・ギネス

ロシアの文豪ボリス・パステルナークの小説を原作にした、巨匠デビッド・リーンの超大作。

医師で詩人のユーリ・ジバゴは、幼い頃から一緒に育ったトーニャとの婚約をクリスマスパーティーで発表する。その会場でラーラという女性が、悪徳弁護士コマロフスキーを銃で撃つ姿を目撃。数年後、ユーリは革命家の夫を探すラーラと野戦病院で再会し、2人は強く惹かれ合う。だが、彼らの運命は歴史の大きなうねりに飲み込まれていく。

詩を心から愛し、傷ついた人々を救うことに心血を注ぐジバゴは、ロシア革命という動乱の時代を生きるにはあまりにも繊細で純粋すぎる。だからこそ、慈愛に満ちた妻トーニャと薄幸で健気なラーラとの間で揺れ動く姿も、彼の「弱さと優しさ」として人々に受け止められてきたのだろう。

冬から春に移り変わるシーンでは、凍りついた窓ガラスの氷の結晶がゆっくりと溶け、白一色だった庭に黄色い水仙が咲き誇る。エンド・クレジットでは、虹の架かるダムから放たれた水がやがて川となり、悠久の流れを育む。そして全編を彩るのは名曲「ラーラのテーマ」。この作品の魅力を挙げるときりがない。ロマンチックで壮大なストーリーと圧巻の映像美、俳優たちの見事な演技に酔いしれたい。

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(文:吉永くま)

  • 2018年12月29日更新

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