《ロマンポルノ・リブート・プロジェクト》― 「日活ロマンポルノ」再起動! 日本を代表する5人の監督が“あえて”ルールに縛られる!

  • 2016年11月25日更新

「監督への新しい映画表現の場の提供」「クラシック作品群の上映」新・旧作の活性化を目指す!

ロマンポルノ・リブート・プロジェクト_ポスタービジュアル

今年、製作45周年を迎える「日活ロマンポルノ」が、ついにリブート(再起動)する――その名も《ロマンポルノ・リブート・プロジェクト》は、「監督への新しい映画表現の場の提供」「クラシック作品群の上映」を通して、新・旧作の活性化を目指すというものだ。

ここでいう旧作とは、映画会社の日活が1971年〜88年の間に製作・公開した成人映画「日活ロマンポルノ」シリーズのことで、第1弾製作の西村昭五郎監督『団地妻 昼下りの情事』と林功監督『色暦大奥秘話』から、わずか17年間で約1,100本もの作品が劇場公開された。当時は、通常3本立ての公開だったため、量産体制と低予算が絶対条件となり、必然的に若い人材にも目が向けられる。そんな背景もあり、現在の映画界で活躍するクリエイターのなかにも、同シリーズの現場で経験を積んだという人が数多く存在する。

「日活ロマンポルノ」が多くの映画人を育んだ理由はほかにもある。それは、「10分に1回の濡れ場」「上映時間は80分程度とする」といった定番ルールだ。この製作条件を守れば、比較的自由に映画を撮ることができた。そのため、監督や製作スタッフたちは限られた予算と縛りのなかでアイデアを模索。その結果、多くの若手クリエイターにとって、創造性を広げる格好の場となったのである。

さらに今回のリブート・プロジェクトでは、新作製作の条件として、前述の2ルールのほかに「製作費は全作品一律」「撮影期間は1週間」「完全オリジナル作品(脚本)」「ロマンポルノ初監督」という新ルールも加わる。この新たな縛りのなかで映画製作に挑むのが、塩田明彦白石和彌園子温中田秀夫行定勲という日本映画界を代表する5人の監督だ。この、そうそうたる顔ぶれが、厳しい製作条件で初心に返ることを余儀なくされ、統一ルールに沿って表現を競い合うことになるのだから、ポルノというジャンルを超越して、映画ファンにとって大変興味深いプロジェクトといえるのではないだろうか。

新しいロマンポルノは、より女性目線を意識した作品へ

新作第1弾の行定監督ジムノペディに乱れるが2016年11月26日(土)よりいよいよ公開となるが、すでに、今年8月に開催された『第69回ロカルノ国際映画祭』では、塩田監督の『風に濡れた女』がコンペティション部門<若手審査員賞>を受賞するなど、本プロジェクトは海外からの注目度も高い。また、今年8月24日に都内の日本外国特派員協会で行われた完成報告記者会見では、新作の監督5人が登壇し、口々に女性目線を意識した作品づくりについて語っていた。

誕生から45年を迎え、新たに生まれ変わろうとしているロマンポルノ。旧作と新作を合わせて鑑賞し、その変遷と新たな可能性を自らの目で確かめてほしい。

 

◆新作ラインナップ&公開スケジュール

【第1弾】2016年11 月26 日(土)より全国順次公開
『ジムノペディに乱れる』『ジムノペディに乱れる』
監督:行定勲
出演:板尾創路、芦那すみれ、岡村いずみ ほか
(2016/日本/83 分/デジタル/R-18+)
1 週間――。映画監督の古谷は、肌のぬくもりを求めて女たちの隙間を彷徨っていた。仕事、名声、そして愛……全てを失った男が、辿り着いた先に見つけたものとは?
ラブストーリーの名手・行定勲監督が、切なく不器用な大人の愛を、美しい映像にのせ官能的に描いた入魂の一作。

 

【第2弾】2016年12 月17 日(土)より全国順次公開
『風に濡れた女』『風に濡れた女』
(2016/日本/78 分/デジタル/R-18+)
監督:塩田明彦
出演:永岡佑、間宮夕貴 ほか
都会の喧噪を避け山小屋で暮らす男・高介は、野性味溢れる魅力を放つ女・汐里との出会いによって、欲望の渦に巻き込まれていく……。欲を捨ててきたはずの男と、欲に純粋な女。塩田明彦監督が、本能むき出しでヒートアップする男と女のラブバトルを軽妙に描く。

 

【第3弾】2017年1 月17 日(土)より全国順次公開
『牝猫たち』『牝猫たち』
(2016/日本/84 分/デジタル/R-18+)
監督:白石和彌
出演:井端珠里、真上さつき、美知枝、音尾琢磨、郭智博、村田秀亮、吉澤健、白川和子(特別出演)
池袋の夜街を漂う3人の女。呼び出された男たちと体を重ね、また夜が明ける。ネットカフェ難民、シングルマザー、不妊症……それぞれの悩みを抱えながら、明日に向かって性活する女たちの群像ドラマ。逞しく生きる女性たちの現在(いま)を白石和彌監督が活写する。

 

【第4弾】2017年1 月28 日(土)より全国順次公開
『アンチポルノ』『アンチポルノ』
(2016/日本/78 分/デジタル/R-18+)
監督:園子温
出演:冨手麻妙 筒井真理子 ほか
小説家兼アーティストとして時代の寵児となった京子。極彩色の部屋に籠もり、マネージャー典子が伝えるスケジュールを分刻みでこなす毎日。寝ても覚めても終わらない悪夢。私は京子なのか?
京子を演じているのか?虚構と現実の狭間で、京子の過去の秘密が暴かれていく――。

 

【第5弾】2017年2 月11 日(土)より全国順次公開
『ホワイトリリー』『ホワイトリリー』
(2016/日本/80 分/デジタル/R-18+)
監督:中田秀夫
出演:飛鳥凛、山口香緖里、町井祥真、 西川カナコほか
傷ついた過去を慰めあうように寄り添い生きてきた二人の女・はるかと登紀子。彼女たちの秘密に踏み込んできた男・悟によって、それぞれの愛が暴走をはじめるーー。

 

 

▼《ロマンポルノ・リブート・プロジェクト》作品・公開情報
配給:日活
ロマンポルノ・リブート・プロジェクト公式サイト
日活ロマンポルノ公式サイト
©2016日活

※各タイトルの公開日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開(詳細は公式サイトをご参照ください)

 

文・編集:min

  • 2016年11月25日更新

トラックバックURL:http://mini-theater.com/2016/11/25/34212/trackback/