年月の記事

『若葉のころ』-セピア色の初恋が、あの映画の名曲とともに色づき始める

初恋の人から「会いたい」というメールが届いたら? そんな胸がときめく状況にひとひねり加えてみせるのは、これが長編初監督作となる台湾のジョウ・グータイ。『小さな恋のメロディ』の挿入歌でもあるビージーズ「若葉のころ」の旋律とともに、30年前の母親の初恋の思い出と、今を生きる娘の恋愛を交錯させながら描き出す。これまでMVを手掛けてきた監督の美しい映像とともに、甘く切ないトーリーは、一服の清涼剤のように爽やかな印象を残すだろう。5月28日(土)、シネマート新宿・シネマート心斎橋ほか全国順次公開。

『ランバート・アンド・スタンプ』― 挫折や確執までも生々しく映し出す、ザ・フー成功の立役者を追ったドキュメンタリー

『ランバート・アンド・スタンプ』1960〜70年代のブリティッシュビートを代表するバンド、ザ・フー。彼らを成功に導き絶大な影響を与えた2人の青年、キット・ランバートとクリス・スタンプにフォーカスした映画が『ランバート・アンド・スタンプ』だ。ザ・フーのマネージャーでありプロデューサーでもあった彼らが、バンドを成功に導く上でいかに重要な役割を果たしたのかを、豊富な貴重映像とクリス本人、バンドメンバーであるピート・タウンゼント、ロジャー・ダルトリーほか、当時の彼らと深い関わりをもつキーパーソンたちのインタビューを交えて描き出す。
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『君がくれたグッドライフ』― 尊厳死を決意した主人公が選んだ幸せな時間の使い方

『君がくれたグッドライフ』メイン不治の病を発症し、30代半ばで尊厳死を決意した男性と仲間たちとの最期の旅を描いたヒューマンドラマ。尊厳死を選択するまでの苦痛や葛藤ではなく、限りある人生をどう生きるかという前向きな問いに焦点を当て、きらめきに満ちた人生の瞬間を切り取っていく。主人公ハンネス役には『ヴィンセントは海へ行きたい』でドイツ映画賞主演男優賞を獲得したフロリアン・ダービト・フィッツ。世界各国の映画祭で賞賛を受けた本作は、ヨーロッパの美しい自然を背景にしたロードムービーとしての魅力にも溢れた作品だ。
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『ひそひそ星』〜アンドロイドが見つめる、絶滅種となった人々の姿…鬼才・園子温の、作家性むき出しの静かな意欲作〜

鬼才・園子温監督が、20代で書き留めていたオリジナルの物語を、今を映す作品にして、満を持して撮りあげたモノクロSF映画。3.11の傷あと濃い、福島県の双葉郡富岡町・浪江町、南相馬市でロケを敢行。人間が絶滅種となった世界の記憶と時間、距離への焦燥を、“ひそひそ”と声のトーンを落としたセリフで描く。園子温作品に欠かせぬ女優・神楽坂恵をメインに、ミュージシャンの遠藤賢司なども出演。
2016年5月14日(土)新宿シネマカリテほかロードショー ※大島新監督ドキュメンタリー映画『園子温という生きもの』と同時期ロードショー
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