年月の記事

『マルティニークからの祈り』― 平凡な主婦が巻き込まれた悪夢、そして家族の闘い

韓国で実際に起きた「チャン・ミジョン事件」をベースに描いた映画『マルティニークからの祈り』は、言葉も通じない異国の地で、身に覚えのない麻薬所持容疑で投獄された平凡な主婦と、彼女を取り戻すために闘った家族の衝撃的な765日を追った真実の物語。主役のジョンヨンに韓国随一の演技派女優・チョン・ドヨンを配し、冴えないが優しい夫のジョンベには、人気俳優のコ・スがイケメンオーラ封印で挑む。8月29日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
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お刺身の達人のような監督になりたいー『マルティニークからの祈り』 パン・ウンジン監督インタビュー

映画『マルティニークからの祈り』は、平凡な主婦が、ある日突然に予想もしなかった事件に巻き込まれるという恐怖と、家族の闘いを描いた珠玉の人間ドラマ。事実を基に描かれた本作は、韓国随一の実力派女優、チョン・ドヨンを主演に迎え、美男子俳優のコ・スが平凡な夫役を演じたことでも注目の作品だ。監督を務めたのは女優としてのキャリアをもつパン・ウンジン。複雑な人間心理を繊細に描くことに定評のある監督が、本作で描きたかった真実とは……?

家族を描く達人たちの作品を一挙上映―「台湾巨匠傑作選」ホウ・シャオシェン/アン・リー/エドワード・ヤン/ウェイ・ダーションの世界

世界的評価の高い台湾出身監督のホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、アン・リー、ウェイ・ダーションの4人の12作品を一挙上映する「台湾巨匠傑作選」。台湾巨匠の扱うテーマの多くは「家族」というもっともミニマルな人間関係。「家族」の日常を飾りたてることなく日常のまま丁寧に切り取っていくからこそ普遍的な懐かしさ、切なさが生まれる。世界中の人々が自身の家族に重ね合わせて楽しめるところが台湾巨匠の巨匠たる所以だ。8/23~9/15までの限定公開なので、スケジュールチェックをお忘れなく。今回はミニシアおすすめ4本をご紹介します。K’s cinemaほか全国順次公開 「フラワーズ・オブ・シャンハイ」① (C)1998 松竹株式会社

『シュトルム・ウント・ドランクッ』山田勇男監督インタビュー(特別ゲスト:淺井カヨさん)

大正時代に実在したアナキスト集団「ギロチン社」を描いた映画『シュトルム・ウント・ドランクッ』。クランクアップから約1年、待望の劇場公開が、渋谷・ユーロスペースで始まる。この公開直前に山田勇男監督に撮影秘話など、興味深いお話をうかがうことができた。また、最近メディアにも登場している、日本モダンガール協會代表の淺井カヨさんを特別ゲストとしてお迎えし「大正時代を描く映像作品」という視点での、ディープなお話も聞かせていただいた。

『シュトルム・ウント・ドランクッ』〜大正の世に理想を抱いた若きアナキストたちが、極彩色で今蘇る〜

大正時代、関東大震災前後に実在した無政府主義結社「ギロチン社」。理想と幻想を抱いた若きアナキストたちの青春群像活劇を「アンモナイトのささやきを聞いた」(1992年)の山田勇男が監督。映画・舞台で活躍中の中堅・若手俳優をメインキャストに据え、まわりに小劇場界の重鎮や、アンダーグランドシーンをにぎわせてきたミュージシャンらを配し、豪華な異色のキャスティングを実現。奥行きのある美しさと力強いビジュアル、遊びある演出で異彩を放つ、唯一無二の作品となった。
2014年8月16日(土)より2 週間、ユーロスペースにて公開 ほか全国順次公開
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第7回したまちコメディ映画祭in台東-どこをとっても笑いが止まらない映画祭

今年で七回目を迎える、したまちコメディ映画祭in台東、通称“したコメ”。いとうせいこうさんを総合プロデューサーに「映画(Cinema)」「したまち(Down town)」「笑い(Comedy)」という3つの要素を掛け合わせた、映画人、喜劇人、映画・喜劇を愛する人々が一体となって盛り上がれる住民参加型の映画祭だ。喜劇映画の上映にとどまらず、声優口演ライブ、DVDスルー・コメディ大賞、コメディ栄誉賞を受賞した西田敏行さんのリスペクトライブなど、どこをとっても笑いにあふれた企画ばかり。連休を楽しむなら台東区に出かけよう。はずせないミニシアおすすめの4イベントをご紹介します。(C)2014 安齋肇/「したまちコメディ映画祭in台東」実行委員会

『こっぱみじん』—「なんとなくな」人生に舞い戻ってきた初恋の人。彼が心をよせるのは思いもよらない彼だった!?

20歳の美容師、楓(我妻三輪子)は毎日なんとなく、生活をしている。なんとなくな恋、なんとなくな職場。「どうせこんなもん」に慣れ切った生活を変えたのは、6年ぶりに帰ってきた初恋の相手、幼馴染の拓也(中村無何有)だった。惰性で付き合ってきた彼にはなかったときめきを感じ、ワクワク感を取り戻していく楓。拓也の親友だった楓の兄・隆太(小林竜樹)と兄の婚約者・有希(今村美乃)を交えて家族ぐるみでの穏やかで楽しい付き合いがはじまる。片思いの相手がそばにいる幸せにほんのりと包まれているそんな時、楓が耳にしたのは拓也の隆太への思いだった。地元に密着した人間関係の中でそれぞれの片思いはどこに向かうのか。「片思いしてよかった」と思える相手がいることこそが生きる原動力になることを優しく教えてくれる一本。©冒険王

『イーダ』-自分のルーツを探す旅に出た戦争孤児の少女。美しいモノクロ映像が彼女の心の成長を映し出す

修道院で育てられた少女の出自には秘められた真実があった……。ヨーロッパ各国で作品を制作してきたパヴェウ・パヴリコフスキ監督が、思いがけない真実に直面した孤児の少女の心の成長を静謐かつ繊細に描く。本作は、ポーランド国内外の映画賞を受賞し、また昨年から今年にかけて日本で行われた「ポーランド映画祭」でも好評を博した。8月2日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開。