白玉

『メモリーズ・コーナー』-フランス人ジャーナリストが追う「孤独死(KODOKUSHI)」に込められた阪神・淡路大震災死者の思い

神戸を訪れたフランス人ジャーナリストのアダ(デボラ・フランソワ)は通訳の岡部(西島秀俊)とともに震災によって住居を失った人々が住む復興住宅を取材する中、うつろな目をした男性、石田(阿部寛)の部屋に迎え入れられる。『地震はどうやって生まれるのか?』と尋ねる石田にアダは強く興味をひかれる。新聞記者だという石田の記事を見つけたアダは “孤独死(KODOKUSHI)”の問題が頭から離れず再び石田の部屋を訪ねていく。熱心に石田を取材するアダに岡部は取材をやめるように忠告するが。※2013年2月23日(土)よりシネマート六本木他、全国順次ロードショーⓒ NOODLES PRODUCTION, FILM ZINGARO 2 INC., FRANCE 3 CINEMA, 2011

座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル 是枝裕和監督インタビュー-『あの時だったかもしれない 〜テレビにとって「私」とは何か〜』60年代のドキュメンタリーを作り上げた二人-萩元と村木-に出会う作品。

2月7日よりスタートする座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル。映画・テレビの枠を超えて、良質なドキュメンタリーを上映するするこの映画祭は今年で4回目を迎える。第一回よりゲストセレクターとして映画祭に関わってきた是枝裕和監督が今年、セレクトした作品は『あの時だったかもしれない 〜テレビにとって「私」とは何か〜』。是枝監督に1960年代を代表するテレビドキュメンタリー制作者、萩元晴彦さんと村木良彦さんの魅力的な人柄、斬新で異質な番組の面白さについて伺いました。

『アルマジロ』-刺激的なゲームを待ち望む兵士。アフガニスタンの荒んだ土地で、現実の戦闘が始まろうとしている

2009年、アフガニスタン、南部ヘルマンド州にあるタリバンの拠点まで1キロ足らずという対タリバン基地『アルマジロ』。デンマーク軍とイギリス軍の200名が駐留するこのキャンプは過去に死者を出したこともある最も危険なエリアの一つ。『アルマジロ』で治安維持活動に従事するデンマーク兵士達の6ヶ月間を追うドキュメンタリー。ここで描かれているのはフィクションではなく全て、実際アルマジロ基地とその周辺で起こった現実の出来事である。前線で任務を遂行する兵士達の息遣い、アフガニスタンの住人の表情を生々しく捉えた一本だ。渋谷アップリンク、新宿K’s cinema、銀座シネパトスほか全国順次公開

逃げる老人、追うゾンビ。世界最遅のデットヒート-『ロンドンゾンビ紀行』

祖父が入居しているイースト・エンドの老人ホームを手伝うアンディとテリー。立ち退きを要求されている老人ホームを救うため、二人は銀行強盗を画策するが、あっけなく警官隊に囲まれてしまう。もはやこれまでと覚悟を決めた瞬間、ゾンビが再開発の発掘現場から蘇り、警官を襲い始める。その頃、老人ホームの老人たちはゾンビの魔の手から逃れようと世界最遅のデットヒートを繰り広げていた。イースト・エンドの再開発エリアで目覚めたゾンビは人肉を食らう、恐るべきゾンビでありながら、老人とのユーモラスな死闘繰り広げる、イギリスらしくシャープに笑える今年注目のゾンビ達だ。ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開(C)Bishop Rock Films Limited / Cockneys vs Zombies Limited 2012

第4回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル— 現実にそこにある「境」を知り、感じ、深めるイベント

今年で4回目を迎える座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルが2月7日よりスタートする。映画・テレビを問わず良質なドキュメンタリーを上映する映画祭の今年のテーマは『越境』。国と国、男と女、フィクションとノンフィクション、映画とテレビ。様々な「境」に挑んで来た作家と作品にスポットを当て、ドキュメンタリー映像の可能性を探っていく。会期中は作品上映とともにゲストスピーカーによるトークイベントを開催。作品の中の出来事は全て現実に起こったこと。現実にそこにある「境」を知り、感じ、深めるイベントだ。(作品:『YMO PROPAGANDA』)

くだらないことの積み重ねがちょっとした出来事で深い意味を持つ日常を-『ももいろそらを』小林啓一監督インタビュー

女子高生いづみが財布を拾ったことから始まるストーリーを描く『ももいろそらを』。東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門作品賞、スペインのヒホン国際映画祭にて日本映画初のグランプリを受賞している本作は16歳の日常がテンポよく転がるように変化し最後まで観る者を惹きつけ続ける。ステレオタイプではない悩める人間としての女子高生を描く小林啓一監督にたっぷりお話を伺いました。2013年1月12日(土)より 新宿シネマカリテ ほか全国順次ロードショー

原発事故。本音が出せないまま流されていく空気感の中で吐き出された感情とは?-『おだやかな日常』内田伸輝監督インタビュー

2011年3月11日東日本大震災直後の東京を舞台に、放射能に敏感に反応する二人の女性とその周囲の人々を描く『おだやかな日常』。『ふゆの獣』で生々しい恋愛関係を描いた内田伸輝監督が、今回もユニークな手法を使って、激しくぶつかり合う人々の姿をリアルに浮かび上がらせている。震災、原発事故、本音を話せば不謹慎と言われる空気の中で、吐き出された感情とは一体、なんだったのか?内田監督からたっぷりとお話をうかがってきました。

癒されるかたも嫌悪を感じるかたもいる。色々な感情が沸き起こることを狙って作っています―『おだやかな日常』プロデューサー杉野希妃さんインタビュー

2011年3月11日東日本大震災直後の東京を舞台に、放射能に敏感に反応する二人の女性とその周囲の人々を描く『おだやかな日常』。『ふゆの獣』で生々しい恋愛関係を描いた内田伸輝監督が、今回もユニークな手法を使って、激しくぶつかり合う人々の姿をリアルに浮かび上がらせている。プロデューサーとして、女優として『おだやかな日常』の制作に携わった杉野希妃さんは国際映画祭に積極的に参加し、高い評価を得ている映画人。震災という混乱期を切り取る今作品をプロデューサーとして、女優としてどのように表現しようとしたかのか、たっぷりお話を伺ってきました。

記憶に突き刺さるハンサムな女の生き様-新・女性映画祭

オーディトリウム渋谷ではヒロインにくぎ付けになる映画13本を一挙公開。王妃、芸妓、従軍看護婦、シングルマザーなど、登場するヒロインは様々な立場の女性達だ。決して幸せとは言い難い状況の中でも、自分の立場を卑下することなく、しなやかに、したたかに、艶やかに生きる女性の姿は記憶に深く刻まれること間違いなし。ヒロインの生き様にどっぷりとつかって、離れられない“運命の女性”を見つけてみてはどうだろう。作品画像:『ハネムーン・キラーズ』

「映画は世界を変える力があるもの」東京フィルメックス最優秀作品賞はイスラエル、アミール・マノール監督に

12月1日(土)、第13回 東京フィルメックスが盛況のうちに閉.幕。各賞が発表された。コンペティション作品9本の中からテルアビブを舞台に老夫婦の1日を描く作品、アミール・マノール監督の『エピローグ』が最優秀作品賞に輝いた。授賞式の喜びの声をリポートします。