吉永くま
『トム・アット・ザ・ファーム』-亡くなった恋人の家族との息詰まる関係を描くサイコ・サスペンス
『わたしはロランス』で日本でも注目を集めたカナダの新鋭グザヴィエ・ドラン監督。自殺した恋人との家族との危うい関係と、そこからにじみ出る狂気を描いた本作では監督・主演をつとめ、2013年の第70回ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した。2014年10月25日(土)、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンク、キネカ大森、テアトル梅田ほか、全国順次公開。
『イーダ』-自分のルーツを探す旅に出た戦争孤児の少女。美しいモノクロ映像が彼女の心の成長を映し出す
修道院で育てられた少女の出自には秘められた真実があった……。ヨーロッパ各国で作品を制作してきたパヴェウ・パヴリコフスキ監督が、思いがけない真実に直面した孤児の少女の心の成長を静謐かつ繊細に描く。本作は、ポーランド国内外の映画賞を受賞し、また昨年から今年にかけて日本で行われた「ポーランド映画祭」でも好評を博した。8月2日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開。
『VHSテープを巻き戻せ!』-ブーム再燃。関係者やコアなファンがVHS愛を激白!
どんなに小さな部屋も映画館になる。そんな夢の生活の実現に大きな役割を果たしたのが、1980年代に普及したVHSテープとデッキだった。今やソフトもハードも見かけることは少なくなり、“巻き戻す”“爪を折る”という言葉は死語同然に。そんな時代の遺物になりつつあるVHSだが、近年ブームが再燃しているという。本作は、このメディアに魅了された(取り憑かれた)人々のインタビューで構成された、懐かしさと映画への愛に満ちたドキュメンタリーだ。7月26日(土)より渋谷アップリンクにて▶再生開始!
『オープン・グレイヴ-感染-』-記憶を失った6人は終末世界で生き残れるか!?
目を覚ますと、夥しい数の死体の山の中にいた-という冒頭のショッキングなシーンからぐいぐい引き込まれる。記憶喪失、凶暴化した人間の襲撃、終末世界など、ミステリー、パニック、ホラー映画の醍醐味が詰まった102分。『第9地区』で注目され、『エリジウム』『オールド・ボーイ』『マレフィセント』と話題作への出演が続くシャールト・コプリー主演。6月14日(土)よりヒューマントラスト渋谷他全国順次ロードショー。
『バチカンで逢いましょう』-ドイツ人のおばあちゃんが活躍する『ローマの休日』
80年代末、ミニシアター系で大ヒットした『バクダッド・カフェ』(’87)。心温まるストーリーと、主人公のふくよかな中年女性ジャスミンを覚えている人も多いだろう。そのジャスミンを演じたマリアンネ・ゼーゲブレヒトが、とてもチャーミングなおばあちゃんになって戻ってきた! 今度の舞台はローマ&バチカン。敬虔なクリスチャンだがちょっとはじけたドイツ人のオマ(おばあちゃん)の奮闘ぶりに注目。4/26(土)より新宿武蔵野館にてGWロードショー! 以下全国順次公開。© 2012 Sperl Productions GmbH, Arden Film GmbH, SevenPictures Film GmbH, Co-Produktionsgesellschaft “Oma in Roma” GmbH & Co. KG, licensed by Global Screen GmbH.
『バチカンで逢いましょう』公開記念“TOKYOカイザーシュマーレン・フェスタ”発表会
3月25日、赤坂のドイツ文化会館にあるレストランNEUES(ノイエス)で、『バチカンで逢いましょう』公開記念イベントが開催されました。本作の主演は、25年前『バグダッド・カフェ』のジャスミン役で、世界中の注目を集めたマリアンネ・ゼーゲブレヒト。初来日の彼女は、「東京は人々が親切で素晴らしい所。また来られるといいなと思っています」と挨拶し、喝采を浴びました。
『悪魔の起源 -ジン-』-巨匠トビー・フーパーが贈るアラブの妖魔の恐怖
ジン(DJINN)とは、変幻自在に姿かたちを変えることができる、イスラム世界における魔人や精霊のこと。そんなジンの怒りに触れた人間が襲われる、アラブを舞台にしたパラノーマル・スリラーだ。『悪魔のいけにえ』『ポルターガイスト』のトビー・フーパー監督最新作。2014年3月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開。
『ハウンター』-時間のループに閉じ込められた少女の恐怖
16歳の誕生日の前日が、延々と繰り返される。そんな悪夢のような事実に自分以外の家族は気づいていない。孤独感と閉塞感、浮遊感が混在した、何とも摩訶不思議な感覚が体を包む。『CUBE キューブ』の鬼才ヴィンチェンゾ・ナタリ監督が、またしても独得な世界観を持つサスペンス映画を送り出した! 「未体験ゾーンの映画たち2014」にて2014年2月19日(水)より公開。
『New York 結婚狂騒曲』-「愛のエキスパート」も結婚に迷う!? ユマ・サーマン主演のラブ・コメディ
結婚は人生の一大イベント。そんな大事の結婚式の日取りも決まり、招待状も出したのに、思いがけないきっかけから、新たに気になる男性が現われる。長身美女ユマ・サーマンと真面目で優しい役が似合うコリン・ファース、大らかな雰囲気漂う自由人を演じるジェフリー・ディーン・モーガンが織り成す三角関係の行方は? 登場人物が皆温かく、ハッピーな気分になれるラブ・コメディ。サム・シェパード、イザベラ・ロッセリーニなど豪華脇役陣にも注目! 1/18(土)<未体験ゾーンの映画たち2014>にて、ヒューマントラストシネマ渋谷他公開。
『フォンターナ広場 イタリアの陰謀』-イタリア最大の未解決事件の真相は?
史実に基づいた作品である。当時この爆破の現場を目撃したマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督は、イタリアの若い世代がこの事件を正しく理解していないことに衝撃を受け、映画化を決めたという。今もなお、犯人が分からないという未解決事件。この事件後、イタリアでは無差別テロが相次ぐ“鉛の時代”に突入していく。12/21(土)、シネマート新宿ほか全国で順次公開。