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『ウインド・リバー』〜荒れ果て雪に閉ざされた”保留地”で繰り返される、事実に基づく惨劇〜

映画『ウインド・リバー』メイン画像わずか全米4館の限定公開から話題を呼び、2,095館へと拡大したクライム・サスペンス。現実に米国内に点在するネイティブアメリカンの”保留地”強制移住という社会問題を突きつけながら、クオリティの高いストーリー性と、迫力ある人間ドラマで観るものをグイグイと引きつける。孤高の猛獣ハンターと、新人FBI捜査官の女性が、心を通わせながら事件を解明していく「バディもの」としても楽しめる、見ごたえたっぷりの作品。7月27日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国公開。© 2016 WIND RIVER PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVE

『菊とギロチン』〜瀬々監督入魂! 大正末期、自由に憧れ共に闘った女力士とアナキストの青春〜

映画『菊とギロチン』メイン画像大正末期に実在した、女相撲興行とアナキスト集団・ギロチン社の史実に基づく青春群像劇。時代に翻弄されながら「生きる意味」を求め、ガムシャラに立ち向かう女たち、男たち……世の中を変えたいと強く願い、闘いに挑む若者たちを、木竜麻生、東出昌大ら、フレッシュなキャストで描く。『ヘヴンズ ストーリー』の瀬々敬久監督による、30年にわたるオリジナル企画で、全シーンに気迫あふれる意欲作。全編疾走し続けるような力強さで、文句なしに楽しめる娯楽作品だ。7月7日(土)よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開

【映画の講義】「ベルリンファイル」公開記念、リュ・スンワン監督 特別講義@映画美学校

ベルリンを舞台に息を飲むスパイ戦が繰り広げられる映画『ベルリンファイル』が7月13日から公開されている。監督は『シティ・オブ・バイオレンス 相棒』『生き残るための3つの取引』などのリュ・スンワン。リュ・スンワン監督の創作の秘密に触れることのできる特別講義が、去る6月17日(月)渋谷の「映画美学校」にて映画製作や俳優を志す学生を前に行われた。映画制作を目指す人向きの内容ではあるが、映画を見る前、見た後のガイドとしても楽しめるスンワン監督の言葉を再録!

「フランス映画祭2013」ラインナップ&来日ゲスト発表記者会見

今年も6月21日(金)から24日(月)まで、フランス映画祭2013が開催されます。それに先駆けて、去る5月10日(金)、上映ラインナップと来日ゲストが発表されました。今年の映画祭団長にはフランスの名女優ナタリー・バイが就任。彼女が出演する『私はロランス』(グザヴィエ・ドラン監督)のほか、フランソワ・オゾン監督の『In the House』、セザール賞5部門にノミネートされ本国でも大ヒットしたエンターテイメント『Populaire』など、話題の新作が勢揃いします。記者発表の模様をレポートします。

『燃える仏像人間』——知る人ぞ知る「劇メーション」を使った不思議世界。京都が生んだ、神々しい映画がついに公開!

アニメーションが日本を代表する文化と重用視されるようになって久しい。そのアニメ表現もデジタル全盛。実写もデジタル、なんでもデジタルで、ちょっとやそっとでは驚かなくなっている昨今、驚きの映像が登場した。80年代生まれの新人監督・宇治茶が「劇メーション」というアナログの力をあえて選んで作った意欲作『燃える仏像人間』。仏像と人間のハイブリッド仏像人間とは何なのか? ヒロインの女子高生・裕香も仏像と融合して、未知の世界を見ることに。5月18日(土)よりシネリーブル池袋 下北沢トリウッドほか全国順次ロードショー! (C)「燃える仏像人間」製作委員会

【実践映画塾シネマ☆インパクト】シネマ☆インパクト第3期 いまおかしんじ監督インタビュー-映画を作るには仲間が必要

受け身の授業じゃない。実践で映画を撮りながら学ぶんだという気概にあふれた試み〈シネマ☆インパクト〉。開講から1年、できた映画の上映もついに第3弾、いよいよ完結となりました。毎回、監督たちが好きに暴れまくった粋のいい作品が発表されている中、今回は、熊切和嘉、いまおかしんじ、大根仁、廣木隆一、山本政志の5人の監督作の上映です。これまでは、撮影地は新宿などの共通項目が設定されていましたが、今回はそういうこともなくなって自由度アップ。廣木監督はオール福島ロケ、大根監督は138分の大作、山本監督は長編映画のプロローグと皆、自由過ぎ!熊切監督は32分の短編ながら、人間の心の中に痛烈に迫っていって、濃密な時間を作り出しています。さて、「UNDERWATER LOVE-おんなの河童」の記憶も未だ鮮やかな、いまおかしんじ監督はどんなトライをしたのでしょうか。スペシャルインタビューです。制作者コースを受講した甘利類さん(24歳)も加わって受講の実感を語ってくれました。

【実践映画塾 シネマ☆インパクト】シネマ☆インパクトVol.2 初日舞台挨拶レポート

1月26日(土)から2週間限定で公開がはじまったシネマ☆インパクトVOl.2。橋口亮輔、松江哲明、山下敦弘、山本政志、ヤン・イクチュン(50音順)の5名が監督した作品が2月1日まで公開中です。初日は、Aプロ(橋口、イクチュン、山本作品)の上映前に山本監督と「タコスの夜」の出演者たち。上映後に橋口監督と「サンライズ・サンセット」の出演者たち、Bプロ公開後に山下監督と構成の向井康介さんの舞台挨拶が行われました。

「演劇」と映画館の『親密さ』- 映画館で、演劇を、観る?生でしか味わえないはずの演劇が、映画という違ったフィルターを通した時、新たな創造として生まれ変わる。

オーディトリウム渋谷で2月9日(土)から行われる〈「演劇」と映画館の『親密さ』〉のラインナップが充実している。“演劇を題材にした映画”と言っても、その切り口は実に多彩。山下敦弘監督の舞台演出作品の記録『ぶたい版・中学生日記』、昨年公開されて話題になった想田和弘監督の平田オリザの演劇制作現場を追った長編ドキュメンタリー『演劇1』『演劇2』から、実在する歌舞伎を題材に作られ、原田芳雄の遺作となった『大鹿村騒動記』まで様々。演劇ファンと映画ファンを同時に満足させる有意義な11作です。

【実践映画塾 シネマ☆インパクト】さらに熱さを増す シネマ☆インパクトVOL.2 公開記念 撮影現場レポート

ともかく実践あるのみ!の映画製作ワークショップ・シネマ☆インパクトが開講されて1年が経つ。昨年秋の第1期作品公開に続き、いよいよ第2期作品5作が公開される。講師及び監督は、橋口亮輔、ヤン・イクチュン、山下敦弘、松江哲明、山本政志の5人。今回は「新宿」を共通テーマにして、その条件だけ入っていれば、あとは自由な競作が行われました。橋口コースの初日、「やり方次第でどうにでもなるので、あとはあんたたちが遊んでね」と山本監督が、生徒たちに発破をかけたように聴こえたが、「遊んでね」じゃなくて「学んでね」の聞き間違いだったのでしょうか……??? ともあれ、「学び」と「遊び」はよく似てる、ということで(!?)各コースとも、この上もなく贅沢でハードな2週間となりました。ミニシアターに行こう。では、橋口監督、ヤン監督の現場を取材。
そのもようをお届けします。

ピアノ伴奏で楽しむサイレント映画の夕べ『肉体と悪魔』 ― ハリウッドの「伝説」グレタ・ガルボの出世作に豊洲で酔う。

初期のハリウッドを代表する大女優グレタ・ガルボ ― ハリウッドの「レジェンド」のひとりとも言える存在で、美しく神秘的な彼女を、日本のファンは「神聖ガルボ帝国」と呼んで讃えた。ガルボが一躍注目されるきっかけになった作品『肉体と悪魔』が、11月16日(金)にユナイテッドシネマ豊洲で上映される。サイレント映画ピアニスト・柳下美恵氏の生伴奏とともに鑑賞できる、稀有な機会だ。シネコンにコンサート用のグランドピアノを設置しておこなわれるという、非常に珍しく貴重な公演でもある。ぜひお見逃しなく。