「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」—誰もが彼女に恋をする! コケティッシュな魅力が炸裂する4作品を上映

  • 2021年05月13日更新

「カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」poster1960年代、キュートでコケティッシュな魅力を振りまき、スクリーンのアイドルとなったカトリーヌ・スパーク。フランス・パリ生まれだが、主にイタリア映画で活躍し、世界中で人気を博した。今回の特集には、『狂ったバカンス』(62)、『太陽の下の18才』(62)、『禁じられた抱擁』(63)、『女性上位時代』(68)の4作品が登場。華やかなオーラを纏うハイティーンから20代前半の彼女を堪能できる。相手役も、ジャン=ルイ・トランティニャン、ウーゴ・トニャッツィ、ホルスト・ブッフホルツなど豪華な俳優がそろった。

ある時は若さを爆発させる親しみやすい笑顔の女の子、ある時はしたたかに男性を翻弄する小悪魔。性に奔放な役柄でも決して下品にならないのは、ベルギーの政治家一族出身で、父親が『ミモザ館』(34)や『大いなる幻影』(37)などで知られる大物脚本家シャルル・スパークであるという育ちの良さが滲み出ているからかもしれない。

これらの作品では次から次へと男性たちを虜にしていくが、骨抜きにされるのは彼らだけではない。愛らしく大きな潤んだ瞳、口角が上がった形の良い唇、洗練された60年代ファッションに包まれた伸びやかな肢体……。スクリーンから放たれる彼女の輝きに、ときめきが止まらない! 2021年5月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次開催。

映画『太陽の下の18才』メイン画像【カトリーヌ・スパーク/Catherine Spaak】
1945年4月3日、フランス・パリ生まれ。1959年、名脚本家の父に内緒でジャック・ベッケル監督作『穴』(60)に端役で出演したのを機に女優を志す。父の反対があったものの、イタリアの大物プロデューサー、カルロ・ポンティと妻ソフィア・ローレンの強力な後押しにより、『十七歳よさようなら』(62)で映画主演デビュー。私生活では、両親の反対を押し切って『狂ったバカンス』(62)で共演したファブリツィオ・カプッチ(『太陽の下の18才』(62)にも出演)と 18才で結婚し、娘サブリナを授かるも離婚。その後、歌手、建築家との再婚と離婚を経て、2013年に18才年下のアーティストと四度目の結婚をした。

 

上映作品

『狂ったバカンス』

映画『狂ったバカンス』画像(1962年/イタリア/モノクロ/109分)
原題:LA VOGLIA MATTA
監督:ルチアーノ・サルチェ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カトリーヌ・スパーク、ウーゴ・トニャッツィ
© Licensed by COMPASS FILM SRL – Rome – Italy. All Rights reserved.

別居中のアントニオは、息子を迎えに行く途上で若者のグループに出会う。若さゆえのノリに苛立つアントニオだったが、一人の美少女フランチェスカが気になり、彼らのバカンスに巻き込まれていく……。夏の終わりのある一日、少女に惑わされる中年男を描くイタリアン・バカンス映画の異端作。39歳の男をメロメロにする少女はミドルティーン。今の時代なら「不道徳きわまりない」シチュエーションだ。トニャッツィは彼女の気を引くために若者たちと交わろうとする痛さと愚かさを、スパークは若い女性特有の無邪気な残酷さを見事に表現している。

『太陽の下の18才』

映画『太陽の下の18才』画像

(1962年/イタリア/カラー/100分)
原題:DICIOTTENNI AL SOLE
監督:カミロ・マストロチンクェ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:カトリーヌ・スパーク、ジャンニ・ガルコ
© Licensed by COMPASS FILM SRL – Rome – Italy. All Rights reserved.

ナポリ湾に浮かぶイスキア島で、ニコラは名前が一字違いのフレンチガール・ニコルと運命的に出会う。ワガママで気が強い彼女だけど、その眩しい笑顔に次第に惹かれて……。愛すべき若者たちのバカンス模様を描いた開放感100%のリゾート・ムービー! 巨匠モリコーネによるツイストナンバーは日本でも大ヒット。プールサイドのパーティーで笑顔を見せながらツイストを踊る彼女の姿は、眩暈がするほどチャーミング。照り付ける太陽、青い海、色彩豊かなファッションに身を包んだスパークと個性的な脇役たちがリゾート気分にいざなってくれる、贅沢で楽しい作品だ。

『禁じられた抱擁』

映画『禁じられた抱擁』画像

(1963年/イタリア=フランス/モノクロ/105 分)
原題:LA NOIA
監督:ダミアーノ・ダミアーニ
音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ
出演:カトリーヌ・スパーク 、 ホルスト・ブッフホルツ 、 ベティ・デイヴィス
© 1963 Compagnia Cinematografica Champion – Les Films Concordia. All rights reserved.

裕福な家で育った画家のディノは、近所の老画家のモデルをしていたセシリアの美しい肉体と大胆さに魅了される。割り切った関係のはずだったが、彼女の裏切りが次第にディノの歯車を狂わせ……。アルベルト・モラヴィアのベストセラー小説「倦怠」を脚色した不条理な愛の物語。天真爛漫な笑顔から一転、妖艶さが増す。本作においてスパークは、自らの欲望に忠実で男を翻弄する魔性の女を演じる。「女と金」という古典的なテーマを具現化した彼女の裸体が札束に覆われるシーンは、かなり煽情的だ。ハリウッドの伝説的な大女優ベティ・デイヴィスがさすがの貫録を見せる。

『女性上位時代』

映画『女性上位時代』画像

(1968年/イタリア/カラー/94分)
原題:LA MATRIARCA
監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:カトリーヌ・スパーク、 ジャン=ルイ・トランティニャン
© 1968 SNC (GROUPE M6)

夫に先立たれたミミは、生前彼が所有していた秘密の部屋でセックステープを発見する。夫の変態性にショックを受けつつも興味が湧いたミミは、めくるめく性愛の世界への扉をあける……。トロヴァヨーリの音楽と“レトロ可愛い”ファッション &美術に彩られたフェティッシュ・コメディ! 名優トランティニャンにも注目の一作。ベッドの相手を次から次へと変えるように、シーンごとに服装をくるくる変えるミミ。洒落たファッションを纏う彼女はまるで着せ替え人形のよう。変態チックでお色気要素がたっぷり詰まった1作。ラストシーンは強烈だが、スパークの愛らしさで中和され、どこか微笑ましい。

 

開催情報


◆「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」開催情報
日程・場所:2021年5月21日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
料金:当日券1,500円 シニア1,100円 学生1,300円
上映の詳細は公式サイトでご確認ください。

提供:キングレコード
配給:ザジフィルムズ

※2021年5月21日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

文・編集:吉永くま

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  • 2021年05月13日更新

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