【※特別上映会中止※】『星に語りて~StarrySky~』— 第37回日本映画復興賞「日本映画復興奨励賞」受賞!

  • 2020年03月22日更新
映画『星に語りて~StarrySky~』緊急特別上映@高円寺シアターバッカス_チラシ表 映画『星に語りて~StarrySky~』緊急特別上映@高円寺シアターバッカス_チラシ裏

※特別上映会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図り中止となりました(2020.3.30更新)

歴史と権威ある「日本映画復興賞」の受賞作に選出!

2011年の東日本大震災で被災した障害をもつ人々の知られざる実情を描いた劇映画、『星に語りて ~Starry Sky~』が、栄えある「日本映画復興賞」の「日本映画復興奨励賞」を受賞したことが発表された。

作品紹介記事:『星に語りて~Starry Sky~』— 未曾有の大震災直後、“障害者が消えた”のはなぜか? 多くの人が知るべき真実を基に描くヒューマンドラマ

今回で37回目を迎える日本映画復興賞は故・山本薩夫監督の発意で1983年に始まり、過去には山田洋次、大林宣彦、高畑勲、木下恵介、新藤兼人などの監督や、俳優の渥美清、三國連太郎、仲代達矢、作品では『この世界の片隅に』なども受賞に輝いた、歴史と権威ある映画賞だ。

【日本映画復興賞】「平和と民主主義を守り、戦争に反対し、ヒューマニズムの理念に徹した日本映画の業績」を表彰する賞。日本映画の文化的・産業的復興と民主的な再生を目指し1961年に設立された、日本映画復興会議が運営・選定を行う。

全国400ヶ所以上で上映会開催! 観客動員数3万3千人を突破!

映画『星に語りて~Starry Sky~』メイン画像成人期の障害者を支援する事業所の全国組織「きょうされん」結成40周年記念映画作品として、自らも被災を経験した漫画家の山本おさむ氏が脚本を務め、ドキュメンタリードラマや短篇映画で海外からの評価も高い松本動(ゆるぐ)監督がメガホンを執った本作は、死者・行方不明者が1万8千人を超えた2011年3月11日の東日本大震災において、障害のある人の死亡率が、障害のない人に比べ2倍であったという衝撃の事実の裏側をフィクションとして描く劇映画だ。作品のテーマは重厚でシリアスなものだが、製作陣は綿密な取材によって明かされた真実を、どんな人にも分かりやすく見応えのある劇映画に昇華させている。

2019年4月にアップリンク吉祥寺で初めて劇場公開された際には、観客からの反響と作品の持つ社会的意義の大きさに、劇場側が異例の上映延長を決定したことも強く記憶に残っているが、その後は全国で自主上映会を積極的に開催し、現在も上映会の依頼は後を絶たないという。そして今年2月末には、ついに全国400ヶ所以上におよぶ上映で観客動員数3万3千人を突破した。

【※中止※】4月3日、4日に高円寺シアターバッカスで緊急特別上映が決定!

映画『星に語りて~Starry Sky~』画像2新型コロナウィルスの影響もあり、いくつかの上映会が中止や延期を余儀なくされているなか、今回の受賞を受け、東京・高円寺にあるマイクロシアター「高円寺シアターバッカス」では、4月3日(金)、4日(土)の2日間限定で緊急特別上映会の実施を決定した。

ウィルスの感染リスクを下げるため、館内の定期換気、手が触れることが想定される場所の消毒、ドリンク販売の中止などの対策を行いながらも、当日は松本監督やゲストの登壇も予定されている。30席ほどのアットホームな雰囲気のシアターで、映画に携わった人々との交流を楽しみながら作品を味わうことができるだろう。

震災から9年。新たな脅威も蔓延しているが、けっして風化させてはいけない記憶と埋もれさせてはいけない真実に、一人でも多くの人が向き合う機会となることを願ってやまない。

松本動 監督の受賞メッセージ

この度は、数多くある映画賞の中でも、見識があり、過去には錚々たる映画人の方々が受賞された、歴史と権威ある『日本映画復興賞』にて、日本映画復興奨励賞を頂けた事は、心から嬉しく思うと同時に、映画に描かれた知られざる実情を多くの 人に知ってもらおうと、制作や上映に協力して下さったすべての方々に、心より感謝致します。今後の上映活動を続ける上でも、とても励みになります。 これを機に、まだ映画を鑑賞していない方はぜひ観て頂き、既に観て頂いた方は、この映画を広める協力を、どうぞ宜しくお願い致します。

私が強く願うことは、この映画を障害者福祉へ関心の無い人たちにこそ、ぜひ観てもらいたいという思いです。 私はこの映画に携わるまで、恥ずかしながら自分もその一人でした。 人は、いつ障害を持つかわかりません。それは病気や事故によるものかもしれませんし、健康である人も歳を取ると共に、何 かしら障害のある人になり得るのですが、それに気づいていない人たちが大勢いるのです。 この映画は、過去の東日本大震災を描きながら、すべての人にいずれ訪れる、未来の有り様をも描いています。 ですから、一人でも多くの人が観なくてはいけない映画なのです。そして、映画で描かれた真実を知ってもらい、いつ何処で 起こるか分からない災害に向け、教訓として頂きたいのです。

映画『星に語りて~Starry Sky~』メイキング画像【プロフィール/ 松本 動(まつもと・ゆぐる) 】東京都出身。90年代、イメージフォーラム付属映像研究所在学中から、8mmフィルムで自由映画制作を始め、その後、商業映画の道へ。石井隆、山崎貴、中村義洋、矢崎仁司、佐藤信介といった監督たちの作品にフリーの助監督として従事。大林宣彦監督『花筐/HANAGATAMI』での監督補佐を最後に、現在は監督業に専念し、テレビのドキュメンタリードラマを中心に活動中。乃木坂46のショートムービー『バージン・ブリーズ』の脚本・監督でも好評を受け、アイドルから社会派作品まで幅広い映像分野で活躍。地元、立川市で開催されている「映画制作ワークショップ」の講師、「立川名画座通り映画祭」の審査員を務めるなど、立川における映画文化の発展に繋がる活動も精力的に行っている。

作 品 概 要

▼『星に語りて~Starry Sky~』映画『星に語りて~Starry Sky~』画像3(2019年/日本/115分/DCP/5.1ch)
監督:松本動 脚本:山本おさむ
製作統括:西村直 企画:藤井克徳
音楽:小林洋平 制作プロダクション:ターゲット
出演:要田禎子、螢雪次朗、今谷フトシ、植木紀世彦、枝光利雄、菅井玲、入江崇史、宮川浩明、生島ヒロシ、赤塚真人 ほか
製作:きょうされん ©きょうされん 公式サイト

【あらすじ】2011年3月11日に起きた東日本大震災。被災地から障害のある人たちが消えたという不可解な出来事に支援員たちが立ち上がる。しかし、安否確認のために必要な障害者の情報は、個人情報保護を理由に開示されず、人権を守るための法律が逆に支援の障壁となってしまう。さらに、福島県では原発事故による放射能の危険と闘いながらの活動が強いられるのだった。一刻を争う人命救助に奮闘する支援員たちと、被災した障害のある人たちの知られざる実情を基に劇映画化した、衝撃的かつ温かな真実の物語!

【※中止※】高円寺シアターバッカス緊急特別上映会情報

※特別上映会は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図り中止となりました(2020.3.30更新)

・開催日時:2020年4月3日(金)、4日(土)10:30〜/13:15〜/16:00〜/18:45〜 開場15分前 ※各回上映後トークショーあり
・料金:一般 1,200円/大学生・専門学校・障がい者 600円/高校生以下 300円
・会場:高円寺シアターバッカス(東京都杉並区高円寺北2-21-6 レインボービル3F)
・定員:各回30名限定
・予約(料金は当日払い): Peatix(クリックで予約サイトへ移動)
高円寺シアターバッカスロゴ※上映に関するお知らせ・登壇ゲストほか詳細は高円寺シアターバッカス公式サイトのイベント情報ページにてご確認ください。

●高円寺シアターバッカス 公式サイト


【今後の自主上映会について】新型コロナウイルス流行の影響などによる延期・中止の情報も含め、最新上映予定、上映時間や入場料などの詳細は映画公式サイトよりご確認下さい。

編集・文:min

  • 2020年03月22日更新

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