年月の記事

『VHSテープを巻き戻せ!』-ブーム再燃。関係者やコアなファンがVHS愛を激白!

どんなに小さな部屋も映画館になる。そんな夢の生活の実現に大きな役割を果たしたのが、1980年代に普及したVHSテープとデッキだった。今やソフトもハードも見かけることは少なくなり、“巻き戻す”“爪を折る”という言葉は死語同然に。そんな時代の遺物になりつつあるVHSだが、近年ブームが再燃しているという。本作は、このメディアに魅了された(取り憑かれた)人々のインタビューで構成された、懐かしさと映画への愛に満ちたドキュメンタリーだ。7月26日(土)より渋谷アップリンクにて▶再生開始!

週に4時間しか会話を許されない修道院の静寂を体感するドキュメンタリー―「大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院」

フランスアルプス山脈に建つグランド・シャルトル―ズ修道院で過ごす修道士たちの生活を追ったドキュメンタリー。修道士の生活は厳しい戒律でコントロールされており、会話が許されているのは日曜日の4時間だけ。訪問者もラジオもテレビも許されていない。静寂に覆われたこの作品の注目すべき点は、音や会話が絞られているにも関わらず、限られた音の中から発見することが非常に多いということだ。沈黙が続くからこそ、音に敏感にならざるをえず、ミサに響くグレゴリオ聖歌や生活の音に耳を傾け、さらに沈黙の中で祈る修道士の姿に様々な空想を広げてしまう。神秘的な祈りの姿に惹きつけられる作品だ。岩波ホールほか全国順次ロードショー

『ママはレスリング・クイーン』― 冴えない人生にラリアット! 汗と涙と笑いに溢れた女性応援ムービー

スーパーのレジ係として働く4人の女性たちが、プロレスラーを目指して奮闘する姿を描いた異色のスポ根物語。マリルー・ベリ、オドレイ・フルーロ、コリンヌ・マシエロ、そしてフランスを代表する名女優ナタリー・バイという4人の個性的な女優陣が、本格的なトレーニングを積んで挑んだプロレスシーンは必見!ジャン=マルク・ルドニツキ監督は本作で映画監督デビューを果たした。7月19日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー。
©2013 KARE PRODUCTIONS – LA PETITE REINE – M6 FILMS – ORANGE STUDIO – CN2 PRODUCTION

第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭公式パーティー『ル グラン バル』レポート

第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭が7月12日よりスタート。7月18日には東京サロンにて公式パーティーの『ル グラン バル』が開催され、DJやエンターテイメントパフォーマンスに観客は大きな盛り上がりをみせた。「ミニシアターに行こう。」では公式パーティーの模様を画像満載でレポートします。今週末に上映されるおすすめ作品についてもうかがってきたので、気になる作品を見つけたらぜひ青山スパイラルホールに。

『リアリティのダンス』〜幼少期の悪夢である故郷へ。ホドロフスキーとめぐる、トラウマと家族再生の旅〜

世界中のクリエーターを熱狂させてきたアレハンドロ・ホドロフスキー。その最新作は、自身の幼少期と家族を描いた、パーソナルな癒しの物語。過激さが印象に残る過去の作品とは、ある意味一線を画しているが、濃厚さ・パワフルさは衰え知らず。85歳という年齢も23年ものブランクもものともせず、さらに慈愛のまなざしが加わり円熟味あふれた作品になっている。色彩いっぱいの映像美、シュールな事象、ユニークな登場人物が力強く躍動する。以前からのホドロフスキーファンも、ホドロフスキー作品を初めて観るかたでも存分に楽しめる、ファンタジックでリアルな人間讃歌である。
2014年7月12日(土)より 新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、 渋谷アップリンクほか、全国順次公開 © “LE SOLEIL FILMS” CHILE・“CAMERA ONE” FRANCE 2013

『マダム・イン・ニューヨーク』-インドの伝統菓子ラドゥに込められたインド女性のプライド

シャシはごく普通のインドの専業主婦。なに不自由ない暮らしの中で、彼女を傷つけるのは英語が苦手な彼女をからかう夫や娘の心無い言葉だった。そんな時、NYに住む姉から姪の結婚式準備の手伝いを頼まれ、単身NYに向かうことになる。世界の大都市NY。思い切って一人で入ったカフェでシャシは英語がしゃべれないみじめさをあらためてかみしめる。せわしない街角で目に留まったのは「4週間で英語が話せます」という英語学校の広告だった。様々な国から様々な境遇の人々が集っていた英語クラスは楽しく、シャシは英語に夢中になる。4週間の英語レッスンを締めくくる、最終試験の日、その日はくしくも姪の結婚式と同じ日だった。シャシは無事に英語レッスンを終了させることができるのだろうか?ラストシーンに込められた優しくも、凛としたインド主婦の生き方に心が動かされること間違いなしのボリウッドムービー。シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。© Eros International Ltd.

第 23 回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭 - 多様なあり方を観る映画祭。共通なものを感じる映画祭

7月12日より東京国際レズビアン & ゲイ映画祭がスタート。セクシュアルマイノリティを題材にした13作品がユーロスペース、スパイラルホールにて上映される。映画祭がセレクトしたのは昨年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞し、「カイエ・デュ・シネマ」誌で年間 1 位に輝いた「湖の見知らぬ男」やサンダンス映画祭監督賞を獲得した「52 チューズデイ」など国際映画祭でも評価が高い、刺激的な作品がずらり。単に同性間の恋愛を描くにとどまらず、家族、社会、政治の中で生きる人間の多様な在り方を問う作品はセクシャルマイノリティだけではなく、映画を観る全ての人に問題を投げかけてくる。日本初上陸の作品が多く、いち早く話題作をチェックできるチャンスだ。会期中は監督のトークイベントも予定されている。ミニシアおすすめ作品とイベントをご紹介します。