『あの娘が海辺で踊ってる』-消費されることを前提とした処女たちのたくらみ。

  • 2012年11月11日更新

熱海に住む舞子と菅原。AKB48に憧れる舞子にとって、地方で暮らす日常はイラ立ちに満ちているが、菅原の存在に安らぎを覚え依存していく。二人の関係は菅原に恋人ができたことで微妙に変化をしていくが...第24回東京学生映画祭で、瀬々敬久監督・井土紀州監督・石井裕也監督に「賞をあげないわけにはいかない」と評された審査員特別賞受賞作品。山戸結希監督が紡ぎだす、自意識過剰な女子高生舞子のセリフは今にも壊れそうでありながら、驚くほどの鋭さと暴力性を秘めている。スタッフ全員が処女で作り上げた山戸結希監督作品三本を~処女の革命3本立て~と銘打って期間限定上映。純粋な乙女の狡猾なたくらみに騙されてみては?11月10日~16日ポレポレ東中野にて。

「一刻も早く、すり減らしてくれないと困るんです。」消費されることを前提とした処女たちのたくらみ。
退屈な毎日の中で女子高生、舞子の逃げ場は東京にいってアイドルになるということ。「AKB48になりたい」・・・多くの女子高生が思い描く、この夢を語る時、舞子は実に淡々と実に理路整然と語る。アイドルは「処女で、清らかなもの」というイメージでお金を稼ぐのだということを舞子は知っている。焦がれるほどに憧れているのに、その一方でアイドルを「女として消費される際、最も高値で消費されることに成功した人々」と冷徹に認識する。女はしょせん消費される、それならうまく消費されてやろうという舞子のセリフに女子更衣室を覗くようなやましさを覚える。そして舞子のセリフは山戸監督本人の声と重なる。なんと言っても「スタッフ全員が処女です」という事を売りにした処女の革命3本立てという特集上映を組む監督だ。世の男性が処女に描くイメージに吸い寄せられるのを可愛い顔をした女子大生監督は“してやったり”とみているに違いない。

『あの娘が海辺で踊ってる』の完全版。その後マイコはどうなったのか?会場だけのお楽しみ。
会期中はその後の舞子を描いた『さよならあの娘』を特別上映。スクリーンから舞子が飛び出す、特別な3Dの仕掛けが用意されている?!18歳になった舞子から飛びだすセリフもやはり舞子?それとも変わっているのか?会場に行かなければ分からないラストシーンを見逃さないように。その他、トークショーやミニライブも開催予定。処女のたくらみを巻き込まれてみよう。


イベント情報
●トークショー
13日、松江哲明監督
●ミニライブ
12日、おとぎ話(Vo.有馬和樹)
14日、富山優子(映画「あの娘が海辺で踊ってる」音楽提供)

▼あの娘が海辺で踊ってる(完全版)~処女の革命3本立て~作品上映情報
『あの娘が海辺で踊ってる』
監督:山戸結希
音楽:富山優子
出演:加藤智子 上埜すみれ 若月悠 福本一馬
他「Her Res~出会いをめぐる三分間の試問3本立て~」「さよならあの娘」も併せて上映
(※イベントのため『さよならあの娘』上演がない回がございます。詳細は劇場公式サイトでご確認ください)
「あの娘が海辺で踊ってる」公式サイト
日時:2012年11月10日(土)~16日(金)連日21:00~
会場:ポレポレ東中野

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文:白玉

 

 

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