【イケメン青田買い】 相葉裕樹さん ― 『王様とボク』で厭世的な青年を演じた彼は、照れ屋の子どもだった?

  • 2012年10月05日更新

12年間眠り続けていた幼なじみが、「心は少年のまま」、18歳で目を覚ましたら……。

 2012年9月22日(土)、『王様とボク』が劇場公開初日を迎え、前田哲監督、出演者のみなさま、主題歌『ours~ボクらの足跡~』を歌うGood Comingのみなさまが、シネマート新宿での舞台挨拶に駆けつけました。←の写真、左から、相葉裕樹さん、松坂桃李さん、菅田将暉さん、二階堂ふみさん、前田監督、Good Comingのみなさまです。

 この映画の原作はやまだないとさんの同名コミックで、12年間昏睡状態だったモリオという青年をめぐる青春ドラマです。主人公のモリオを菅田さん、モリオの幼なじみ・ミキヒコを松坂さん、ミキヒコの恋人・キエを二階堂さん、そして、ミキヒコと同じくモリオの幼なじみ・トモナリを相葉さんが、それぞれ演じています。

 同い年で仲がよかった、モリオ、ミキヒコ、トモナリの3人 ― 6歳のとき、モリオは不慮の事故で昏睡状態に陥ってしまいます。彼が眠り続けたまま長い年月が経ち、ミキヒコとトモナリ、そして、彼らの家族も、「モリオのことを敢えて思いださないように」生活をしていました。しかし、ミキヒコが18歳の誕生日を迎えた直後、モリオが12年ぶりに目を覚まします。ただ、彼の心は「6歳」のまま。昔のようにモリオと友達になりたいミキヒコ、ミキヒコの気持ちを理解して応援するキエ、「昔に戻れるわけがない」と躊躇するトモナリ ― 「子どもでもおとなでもない18歳」の彼らが、モリオが目覚めたことをきっかけに、それぞれの生きかたと向きあい始めます。

「6歳のときは、本当に照れ屋でした。(おとなになった)今も恥ずかしくてしようがないですよ(会場笑)」(相葉さん)

 モリオが長い眠りから覚めたと知ってはしゃぐミキヒコやキエとは対照的に、喜びを表に出そうともモリオと会いたがろうともしないトモナリ。子どもの頃に足が不自由だったトモナリは、裕福な親と暮らすゴージャスな自宅にこもって、日がなゲームばかりしています。厭世的で、めったに笑わず、口をひらくのは憎まれ口を叩くときだけのような青年 ― 演じたのは、笑顔が似合う爽やかな相葉さんです。ご自身の印象とはまったく違うトモナリ役を演じた相葉さんの魅力に迫りつつ、舞台挨拶での相葉さんと前田監督のお言葉をお届け致します。

― トモナリは、とてもいまどきの男の子で、ちょっと孤独も抱えているのかな、という役どころでしたね。

相葉裕樹さん(以下、相葉) ひとつひとつのシーンを丁寧に大事にしながら、トモナリとして生きることに重点を置いて演じました。前田監督と相談しつつ、撮影現場に入ってその空気を感じながら……、(そのときに感じたままに)考えずにやっていましたね。この映画の現場には、(これまで経験してきたこととは違う)今までにない芝居の感覚があったので、とても貴重な体験でした。

― 6歳のときは、どんな子どもでしたか?

相葉 本当に照れ屋でした。幼稚園の頃に、母親と一緒にやるおゆうぎ会があって、ほかのみんなは(素直に)やっているんですけれど、僕は「恥ずかしいな」と思っていて、ひとりで棒立ちになっていました。

― そんな恥ずかしがり屋さんが、役者になるとは。

相葉 今も恥ずかしくてしようがないですよ(会場笑)。

「(10代の頃のことは)おとなになると忘れてしまいますが、ぜひ思いだして、大切な人と語りあっていただきたい」(前田監督)

 松坂さんと相葉さんの共演と知って、「あっ!」と思われたかたも、たくさんいらっしゃるかと思います。おふたりは特撮テレビドラマ『侍戦隊シンケンジャー』でも共演していて、松坂さんがシンケンレッドを、相葉さんがシンケンブルーを、それぞれ演じていました。凛々しくて統率力のあるレッドを「殿」と崇めて忠誠を誓うブルー ― 彼らの絆が魅力の作品でもありました。『王様とボク』では、松坂さんが演じる真っ正直で茶目っ気たっぷりのミキヒコと、相葉さんが演じる屈折していて人に壁を作りがちなトモナリという、まったく異なるキャラクターでの「友情」のありかたを見せていただけます。

― 今をときめく若手俳優のみなさまとの映画作りは、前田監督にとっていかがでしたか?

前田哲監督 「おとなになるって、なんだろう」と、自分の中でわからなくて、この映画を作ったというところがあります。10代のときにしか感じることのできない思いや感性を、菅田くん、松坂くん、相葉くん、二階堂さんの4人と話しあいながら作りました。(映画を観てくださった)みなさまの心に、なにかしら残ったり沁みたりすると思います。(10代の頃のことは)おとなになると忘れてしまうのですけれど、ぜひ思いだして、大切な人と語りあっていただけたらな、と思います。

トモナリを見て相葉さんに目を奪われたら、ぜひ舞台にも足を運ぼう。

『王様とボク』が公開される約3ヶ月前の6月、相葉さんはミュージカル舞台『リトルショップオブホラーズ』で主役のシーモアを演じました。また、8月には舞台『CLUB SEVEN 8th stage!』に出演して、長身と長い手足を生かした重力を忘れさせるダンスと、コミカルな一面も披露してくださいました。

 2013年2月には、舞台『3150万秒と、少し』に出演が決まっています。ある悲しい出来事をきっかけに、「3150万秒と、少し」 ― 1年後に運命を決める約束をした、17歳の青年たちの物語です。トモナリを見て相葉さんに注目なさったかたは、ぜひ、舞台での彼にも思いきり魅せられてください。映像と舞台 ― 幅広くご活躍の相葉さんから、目が離せなくなること、間違いありません。

《ミニシア恒例、靴チェック!》

上の写真・左から:相葉裕樹さん・松坂桃李さん・菅田将暉さん

下の写真・左から:二階堂ふみさん・Good Comingのみなさん・前田哲監督

●相葉裕樹さん プロフィール
1987年10月1日生まれ。千葉県出身。第16回ジュノン・スーパーボーイで審査員特別賞を受賞。ミュージカル『テニスの王子様』(2005~08)、EX『侍戦隊シンケンジャー』(2009)、ローカルバラエティ番組『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』(2010)等、多数に出演。2012年6月は舞台『リトルショップオブホラーズ』で主役のシーモアを演じ、同年8月は『CLUB SEVEN 8th stage!』に出演した。また、アニメ『新テニスの王子様』(2012)では、声優に初挑戦している。映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍している、注目の若手俳優のひとりである。
相葉裕樹さん:オフィシャル・ブログ
所属事務所 公式プロフィール
▼『王様とボク』作品・公開情報
出演:菅田将暉 松坂桃李 相葉裕樹 二階堂ふみ
中河内雅貴 松田美由紀
監督:前田哲
原作:「王様とボク」やまだないと著(イースト・プレス刊)
脚本:やまだないと/前田哲
制作プロダクション:フラミンゴ
制作協力:ドラゴンフライエンタテインメント
宣伝・配給:ユナイテッドエンタテインメント
製作:「王様とボク」製作委員会
2012年/日本/カラー/ビスタサイズ/84分
©2012「王様とボク」製作委員会
『王様とボク』公式サイト
※9月22日(土)よりユナイテッド・シネマ、シネマートほか全国順次公開!

取材・編集・文:香ん乃 撮影(舞台挨拶):小山内大輔


  • 2012年10月05日更新

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