納涼!化け猫祭。怖いのは猫じゃなくて、恨みつらみの恋心。【男と女の時代劇】
- 2010年07月31日更新
【男と女の時代劇】毎日うだるような暑さ。暑さを凌ぐのは何と言っても怪談話。中でも今年お勧めなのが昭和の化け猫映画。画面を覆い尽くすのは有無を言わせぬ化け猫のすさまじさ。その怖さは特殊メイクもさることながら男と女の間に生まれた恨みつらみがうんだ心の闇。神保町シアターでは「大人になってもやっぱり怖い「化け猫」たちの夜」をレイトショー特集上映。なによりも人の怖さでゾクッとしてみてください。©1954角川映画
劇場招待券(8/20まで有効)を3組6名様にプレゼント。(応募は締切ました)
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肉食系化け猫女優の底力-怪猫 謎の三味線
昭和には「化け猫女優」の異名をとる女優が二人いらっしゃるのですが、そのお一人、鈴木澄子嬢登場です。男をどこまでもたぶらかす妖艶ぶりたるや、骨までしゃぶりつくす昭和の肉食系女子の代表格。澄子嬢演じる嫉妬深い女役者、三津枝は煮え切らない恋人の態度にやきもきするのですが、その嫉妬に狂った澄子嬢の表情こそ何にも勝るホラー。白黒だからこそ生れるこのすごみ、男性の皆さん、凝縮された女の嫉妬,とくとご覧あれ、そしてご用心ください。一方、三津枝の恋人、三味線の師匠に浅香新八郎。この方、本当に正統派二枚目。ハンサムだけど人のいいなりダメ男。ダメ男なのにモテる。その不思議なモテっぷりにも注目です。ちなみに浅香新八郎はあの浅香光代が所属していた劇団劇団「新生国民座」の設立メンバー。劇団の公演中に37歳の若さで亡くなられたのですが、もしや化け猫があらわれて。。。なんてことはないですよね。この作品もう一つの見どころは15歳の森光子の貴重映像だということ。この後に放浪記で波乱万丈な女性を演じる大女優になるとは想像つかないような朴訥でまっすぐな少女。必見です。
他続々とバラエティ豊かな化け猫が登場
鈴木澄子という爽やかな名前にも関わらず、「化け猫」女優としての地位を確立した澄子嬢の代表作「有馬猫」。今や黄門様でおなじみの里見浩太郎が悲劇のヒロインの恋人役で出演する「怪猫 呪いの沼」など、お家騒動に巻き込まれ、非業の死をとげた者たちが無念の思いから人々を恐怖に陥れる作品が続々上映。怖いのは猫ではなくて人の思い。人の恐怖をたっぷり味わってください。©1968東映
大人になってもやっぱり怖い「化け猫」たちの夜
2010年7月24日(土)~8月20日(金)
会場:神保町シアター (公式サイト)
入場料金(当日券のみ)一般 ¥1,200/シニア・学生 ¥1,000
©1958角川映画
文:白玉
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- 2010年07月31日更新
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