ジェーン・バーキン、バーキン持って登場「フランス映画祭2010」
- 2010年03月20日更新
3月18日(木)に六本木ヒルズにて、ジェーン・バーキンがユニフランス新代表・レジーヌ・ハッチョンドさんとともに、3月22日(月)まで開催される「フランス映画祭2010」の記者会見を行った。
「私をフランス映画祭の団長に選んでくれて、本当に嬉しく思います。ハッチョンドさんが私を荷物の中に入れて、再び日本に連れてきてくれました」と満面の笑顔で、来日の喜びをユーモラスにコメントした。
イギリス出身の彼女が、渡仏してフランス語を習得した秘訣や、日本映画を好きになったきっかけにおいて、パートナーの存在が不可欠であったというエピソードに、会場は大いに盛り上がった。
イギリス出身でありながら、映画や音楽での活動を通じて、フランスでも大成功をおさめたジェーン・バーキン。
どのようにして、言葉の壁を乗り越えたのかという質問に、「フランス語を学んだのは、セルジュ・ゲンズブール(2人目の夫)の腕の中です!(笑) 最も興味のある言葉などは、その時に学びました。ですから、私のフランス語はスラングから始まったんです。ある国に恋をしてしまった場合、その国の人が(その気持ちを)認めてくれるんです。だから、ちょっと努力すれば、間違いをいっぱい言ってもいいんです。間違えることを怖がらずに、ぜひ話してみてください」と、体験談に触れながら日本語で「アリガト」と結び、はにかんだ。
日本の映画については、「私は溝口(健二監督作品)に恋をした時期があり、彼の作品集を買い込んで、全ての作品を観ました。女性が主人公の作品が多いのですが、政治的な視点も見受けられます。30年前に、ジャック・ドワイヨン(3人目の夫)が「日本映画教育」と称して、私にいろんな日本映画を見せるため、フランスの映画館を連れて廻ってくれました」と、ここでも微笑ましいエピソードを披露した。
最後に、映画祭でも上映される新作、『テルマ、ルイーズとシャンタル』について一言コメント。
「ダイレクトに恋愛を描いたものではないのですが、50歳になっても60歳になっても、人生や愛は終わりではありません。またそこから始めることができるんだ、というメッセージを含んだ作品です。かつて東京の知事が、『子供が産めなくなった女性は、もう女性ではない※』とおっしゃったそうですが、そうではないと思います」と、笑顔できっぱり言い切った。
会見では黒づくめのシックな装いだったが、劇中ではピンク中心のコーディネートがおしゃれで、ファッションも見どころ。(※上映は3月20日(土)21:15〜)
そして、今回の「靴チェック」は+バッグ(もちろんバーキン!)の特別編です。靴は黒のベルベット素材のパンプスですが、ブランド名は現在広報に確認中ですので、判明したらお知らせします。バッグはステッカーを貼ったりして、相当アレンジしている模様。パンパンに詰め込んでますが、程よくクタっとしていい感じに。
▼ジェーン・バーキン プロフィール
モデルを経て65年、『ナック』で映画デビュー。66年の「欲望」で注目を受ける(『ナック』、『欲望』ともにカンヌパルムドール受賞作)。
作曲家のジョン・バリーとの離婚後フランスに渡り、『スローガン』で共演したフレンチポップの異端児・故セルジュ・ゲンズブールと結婚。彼とのデュエット曲「ジュテーム・モワ・ノン・プリュ」は、そのエロティシズムで世界の注目をあびる。その後『美しき諍い女』など50本以上の映画作品に出演。
一方99年に日本のドラマの主題歌に「無造作紳士」が使用され、歌手としての人気も高まる。次女のシャルロット・ゲンズブール、三女のルー・ドワイヨンも女優として活躍中。
取材・文/おすず 撮影/細見里香
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※石原都知事の「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄で罪」という発言を指していると思われます。
改行
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