『2020年 東京。12人の役者たち』劇中短篇映画『パレット』— 脱リモート撮影実施! メイキング&超特報を緊急リリース!

  • 2020年06月23日更新

感染防止対策を徹底して、いち早く脱リモート撮影を実施

『2020年 東京。12人の役者たち』
劇中短篇劇映画
『パレット』メイキング&超特報解禁!

この夏完成予定の松本動監督の最新長編映画、『2020年 東京。12人の役者たち』。その劇中で展開される短篇劇映画、『パレット』のメイキング&超特報映像がこのたび公開された。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の解除を受け、演者やスタッフの安全に配慮した独自のガイドラインを策定したうえで、感染防止対策を徹底しながらいち早く脱リモートで撮影された作品だ。


松本組が従来の映画制作に踏み出した理由

12人の役者がコロナ禍の日々を記録した映像を松本監督がオンラインで受け取り編集するかたちで制作が進行中の、『2020年 東京。12人の役者たち』。このたび撮影された『パレット』は、その12人の役者たちが出演する劇中劇だ。

いち早く、通常の撮影を行った理由を松本監督はこう語る。

「東京都の緊急事態宣言が解除になってから、もうじき一ヶ月を迎えますが、ニュースでは連日、各業種が感染防止対策を施しつつ、再開へ向けて動き始めたことを伝えています。しかし、映画館の営業再開やテレビドラマの撮影再開などは時々目にするものの、“映画撮影” の再開については、一向に聞こえて来ませんし、目にもしません。 一部の映画人がオンラインで映像制作を行い、ネット配信して活路を見出そうとしていましたが、映画制作に踏み出したという映画人が現われないことに、少し違和感を感じていました。

リモートで作品を制作し、早いスピードでネット配信するという作品づくりは、コロナ禍がもたらした一つの新しい創作活動であり、良い試みだとは思いますが、果たしてそれらの試みは映画制作を再開するための行動になっているのか……」

いつになったら映画制作を再開出来るのか。なぜ、撮影再開へ向け動き始めたという前向きな情報の発信がないのだろう—— 自粛生活をしながら悶々としてた監督は、そう思いながらも自分自身も本来の“映画撮影”はしていないという事実に気づいたという。

「ならば自分が本来の映画撮影を再開しようではないかと、緊急事態宣言解除の目処が見えてきたころに、12人の役者たちに短篇映画制作の意向を伝えたところ、賛同を得られたので、いち早く映画撮影を再開することができたんです」(松本監督)

そうして、スタッフや役者陣の了承のもと、脱リモートでの撮影が始まった。いったいどんな風に撮影が進められたのか、そして肝心の作品の内容は……?

それは、ぜひメイキング&超特報映像で確認してほしい。「手応えは、とても良いものがありましたので、完成をぜひ楽しみにお待ち下さい!」と松本監督が自信をもって語る劇中劇も、本作の大きな見どころとなりそうだ。さらに、撮影で行った感染防止対策や、実際に撮影を行ったからこそ見えて来た感染防止対策の課題なども垣間見える本映像は、これから撮影を再開する映画人にとっても大きな後押しとなるだろう。

 

短篇劇中映画『パレット』作品概要


▼『パレット』
(2020年/日本/FullHD/モノクロ/シネマスコープ/ステレオ/20分予定)
製作・監督・編集:#松本動、撮影:池田直矢、ラインプロデューサー:榊田茂樹
出演:本山勇賢、秋田ようこ、秋山大地、井之浦亮介、和田悠佑、小⻄有也、清水杏樹、迎祐花、 みやたに、田村陸、杉谷玲奈、田中栄吾
制作協力:CiNEAST、ビッグアーチ

【STORY】 2020年にパンデミックとなったCOVID-19は、あたかも終息したかの様に思えた。
しかし、遺伝子変異によって増殖力を増し、ワクチンや治療薬の耐性ウイルスへと変貌したその恐ろしい強毒性ウイルスは、 東京23区を中心に感染が一気に拡大し、政府は東京のロックダウンを実施。新型ウイルスの終息を迎えるまでは、誰一人例 外無く東京の出入りは禁止となり、通信各社の情報提供によって、人々は常に政府の監視下に置かれ、外出も禁止となり、 違反をすれば罰金か禁固刑が科せられる事となった。
新型ウイルスは花粉なみの飛散をすると噂が広まり、口や鼻、目の粘膜組織からの感染を恐れ、人々は外出時だけでなく、 室内に居る時も防毒マスクの装着を強いられた。
そんな状況下。物語の舞台となる施設は、再び新型ウイルスが蔓延する日が必ずやって来ると危惧した環境活動家の谷口 敏行が、東京郊外の山間部で閉校となった元大学の校舎を買い取り、強毒性のウイルス対策を施すための工事を始めた矢 先に、新型ウイルスの感染が拡がり、施設の一部しか陰圧化出来ておらず、防毒マスクを外して生活出来る空間は限られて いたが、谷口の活動に賛同する仲間や、行き場を失った者たちを秘密裏に受け入れ、匿って生活をしていた。
そんな施設でひっそりと暮らし始めた者たちの、切なくも儚い一夜の物語。

『2020年 東京。12人の役者たち』作品概要

2019年9月、映画監督・松本動が、俳優向け演技ワークショップ「CiNEAST」にてゲスト講師を務めるにあたり、ワークショップを通しての映画制作を提案。俳優と映画監督のコラボレーションワークショップ「シネアストラボ」がスタート。

約半年の 準備期間を経て、2020年春より本格的な撮影を開始しようとしていた矢先、新型 コロナウィルスの感染拡大で緊急事態宣言が発令、撮影中止を余儀なくされる。

2020年4月、プロジェクトの中止も検討されるなか、松本監督とCiNEASTは今だからこそ伝えるべきテーマを、今だからこそできる手法で制作できないかと模索し、オ ンラインで映画を制作することを決定。

混乱する情勢の中で、ワークショップ参加者12人の役者はどう生きるのかを、「私の職業は自分です」をテーマに掲げ、出演者である役者は自分自身を演じながら、自らスマートフォンを使って日々撮影し、自撮りや独白という表現方法 も用いながら、人生観、役者論、未来への展望などなど、内に秘めたあらゆる思考 や感情を浮き彫りにする。

現実と虚構の間であるイマジナリーラインを往来する事により、ドキュメンタリーで『事実』を捉え、それをフィクションへと昇華し『真実』をあぶり出す。そんな『ドキュフィクション』作品。

▼『2020年 東京。12人の役者たち』
(2020年/日本/120分<予定>)
製作・監督・編集:松本 動
出演:秋田ようこ、秋山大地、井之浦亮介、小⻄有也、杉谷玲奈、清水杏樹、田中 栄吾、田村陸、みやたに、迎祐花、本山勇賢、和田悠佑
協力:CiNEAST

【STORY】COVID-19がパンデミック化し、日本政府は東京都に緊急事態宣言を発効。 東京 で暮らす人々は、不要不急の外出自粛を余儀なくされた。そんななか、『役者』として息衝く12人の者たちは、何を思い、何を感じ、何をし ているのか、 閉塞感漂う2020年 東京を舞台に、『12人の役者』たちによる独白 劇が、今、幕を開ける。

「CiNEAST」(俳優の演技ワークショップ)公式サイト
「シネアストラボ」詳細ページ(映画制作プロジェクト)
特報映像

※2020年7月中旬完成予定

【松本動(まつもと・ゆるぐ)監督プロフィール】

イメージフォーラム付属映像研究所在学中から、8mmフィルムで自主映画制作を始める。商業映画の道へと進み、フリーの助監督として多くの監 督や作品に従事。大林宣彦監督『花筐/ HANAGATAMI』では監督補佐を務め、大林監督が病気治療のため現場を離れる際は演出を任された。現在は監督業に専念し、東日本大震災における被災した障害者と支援者の知られざる実情を、実話をもとに描いた⻑編映画『星に語りて~Starry Sky~』の監督を務める。同作は2020年2月末時点で400ヶ所以上の上映、観客動員数3万3千人を突破。さらに同年、「第37回日本映画復興奨励賞」を日本アカデミー賞作品賞の『新聞記者』とともに受賞。短篇映画も積極的に発表しており、『公衆電話』は米国アカデミー賞公認の国際 映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル &アジア2018」のジャパン部門で、ベストアクター賞に輝くなど、国内外50近くの映画祭を席巻し、4つのグランプリを含む16冠に輝く。その続編として製作された『カセットテープ』は、「第6回八王子Short Film映画祭」でグラ ンプリと観客賞をW受賞。 続く「第23回横浜映像 天国」でも、グランプリと主演女優賞のW受賞を果たし、同映画祭グランプリ4連覇を飾った。

(編集:min)

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