7月公開映画 短評 ―New Movies in Theaters―(2ページ目)

  • 2018年07月01日更新

『子どもが教えてくれたこと』

大人になって見失った“大切もの”に出会う

映画『子どもが教えてくれたこと』メイン画像病と闘いながら懸命に“今”を生きる5人の子どもたちの日常を静かに見つめ、フランスで23万人を動員したドキュメンタリー。監督は幼い娘を病気で亡くした経験を持つフランスの女性ジャーナリスト、アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン。説明的なナレーションを入れず、子どもたち自身が自分の病気についてしっかりと語る姿に驚く。試練に素直に向き合い、好きなことや楽しいことには好奇心いっぱいに取り組む。周囲の人々の愛を理屈ではなく心で理解し、自然と感謝をする。そんな子どもたちの姿に、人生においてもっともシンプルで大切なことをあらためて教えられる。個性的で愛らしい子どもたち。彼らが発する哲学的な言葉が胸に響く。(min)

2018年7月14日(土)より全国順次公開 公式サイト
(2016年/フランス/80分) 原題:Et les mistrals gagnants 監督・脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン 出演:アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアル 配給:ドマ © Incognita Films-TF1 Droits Audiovisuels

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『ラ・チャナ』

圧巻の靴音!伝説的フラメンコダンサーの半生

映画『ラ・チャナ』メイン画像【現在70代になった、伝説のフラメンコダンサー”ラ・チャナ”のドキュメンタリー。キャリアの絶頂で突如姿を消したラ・チャナ。どん底から這い上がっての復帰、現在の平穏な生活、そしてゆるぎないフラメンコへの情熱を語る】ダンサーとして絶頂期、椅子に座って踊る現在のパフォーマンスなど、独自のフラメンコスタイルが多数見られる。激しく打ち鳴らす靴音の、パワー、スピード、リズムの正確さ、情熱の所作や表情など、すべてが圧倒的。一方、結婚、出産、育児、DVに耐えた日々、最高のパートナーとの出会いなど、タフな彼女の”女の半生”の秘話も感慨深い。情熱的な反面謙虚であり、チャーミング。その素顔も魅力的だ。(市川はるひ)

2018年7月21日(土)より全国順次公開 公式サイト
(2016年/スペイン、アイスランド、アメリカ/83分) 原題:LA CHANA 監督:ルツィア・ストイェヴィッチ 出演:ラ・チャナ、アントニオ・カナーレス、カリメ・アマヤ ほか 配給:アップリンク ©2016 Noon Films S.L. Radiotelevision Espanola Bless Bless Productions


『ヒトラーを欺いた黄色い星』

ベルリンで生き抜いた4人のユダヤ人の証言

映画『ヒトラーを欺いた黄色い星』メイン画像【ナチス・ドイツ政権が「首都からユダヤ人がいなくなった」と宣言した1943年、実際には数多くのユダヤ人が潜伏していた。最終的に生き抜いた1,500人のうち、当時16〜20歳だった男女4人の過酷な体験を紹介。再現を挟みながら、本人たちの証言を収録】数多く語られてきたホロコーストの新たな切り口として、興味深い題材。暴力的なシーンは少なく、流れのまま観ると淡々とした印象もあるが、背景で行われていた実態をイメージすると、スリリングな感覚で観られる。いかにして生き延びる道を得たのか、その大胆さに彼らの生きようとする強い意志を感じる。そして危険を顧みず、彼らを支えたドイツ人の存在も感動的だ。(市川はるひ)

2018年7月28日(土)より全国順次公開 公式サイト
(2017年/ドイツ/111 分)原題:Die Unsichtbaren 監督:クラウス・レーフレ 出演:マックス・マウフ、アリス・ドワイヤー、ルビー・O・フィー、アーロン・アルタラス ほか 配給:アルバトロス・フィルム ©2016 LOOK! Filmproduktion / CINE PLUS Filmproduktion

 

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