『悪魔の存在を証明した男』― 恐怖と抑え難い好奇心を煽るモキュメンタリー・ホラー

  • 2015年01月30日更新

『THE 4TH KIND フォース・カインド』のスコット・ニーマイヤーが仕掛ける、悪魔の存在と証明

今年で4回目となる【未体験ゾーンの映画たち】がヒューマントラストシネマ渋谷で絶賛開催中だ。本映画祭は、知名度のあるスターが出演していない、宣伝予算が確保できないなど、さまざまな事情から日本での劇場公開が見送られてしまう傑作・怪­作を世界中から厳選し、スクリーンで観る醍醐味を提供する劇場発信型の映画祭。本年は49本という過去最大規模の上映本数で、そのどれもがカルト風味満載の実に興味深いラインナップとなっている。

そんな中、今回スポットを当てた作品が1月31日より上映される『悪魔の存在を証明した男』だ。本作は、「超自然現象を否定するためのドキュメンタリー映像」を撮るため、自ら悪魔の降臨実験を行った男の顛末を追ったモキュメンタリー・ホラー。男の姿を日々記録するビデオには、得体の知れない何かに蝕まれ、常軌を逸していく様子が刻々と映し出される。

製作総指揮を務めるのは『THE 4TH KIND フォース・カインド』のスコット・ニーマイヤー。虚とも実ともとれる映像で宇宙人の存在に迫り、世界中で物議を醸し出したモキュメンタリー手法を本作でも採用し、観る者の恐怖と抑え難い好奇心を煽る。監督と脚本にはこの作品が監督デビューとなるデビッド・ジャンを起用、『ハロウィン』(2007年度版)、『フォー・ルームス』の名カメラマン・フィル・パーメットが撮影を担当した。

自らの肉体を実験台に悪魔の降臨実験を行った結果……

最愛の妻を事故で亡くしたマイケル・キング(シェーン・ジョンソン)は、その死の原因が占い師の間違ったアドバイスにあると思い込む。失意に陥り、あらゆる超自然現象に嫌悪感をおぼえた彼は、それらを否定するためのドキュメンタリー映像を作り始める。自らの肉体を実験台に悪魔の降臨実験を行い、その日常を記録しながらスピリチュアルな事象の取材を進めていくマイケルだが、次第に耳障りなノイズや声に悩まされるようになり……。

フィクションと完全に分かりながらも、主人公の感覚にシンクロする仕掛けが満載

降霊術、催眠術、黒魔術など、あらゆる手段で悪魔の存在に迫る取材映像は、時に観客自身がカメラをのぞき込んで撮影しているような感覚へと誘う。また、定点観測的にマイケルを撮影するカメラ映像に突如として差し込まれる不可解なノイズや映像のひずみ、蟻が皮膚を這う鬱陶しさなどがマイケル自身の中で起きている異変を観客に疑似体感させる。

虚構をドキュメンタリー風に描くことで得られる臨場感こそがモキュメンタリー作品の醍醐味だが、登場人物の感覚にシンクロする仕掛けがところどころに施され、フィクションと完全に分かりながらも、物語の中にグイグイ引きずり込まれていく。

肉体と精神を支配しようとする悪魔とマイケルの自我との攻防は、どんな結末を迎えるのか……? マイケルの頭の中に響くノイズの意外な正体、妻の死に執着せざるを得なかった理由など、さりげなく描かれる物語のディテールにも注目だ。


▼『悪魔の存在を証明した男』作品・公開情報
(2014年/アメリカ/83分)
原題:THE POSSESSION OF MICHAEL KING
監督・脚本:デビッド・ジャン
製作総指揮:スコット・ニーマイヤー
撮影:フィル・パーメット
出演:シェーン・ジョンソン、ジュリー・マックニヴン、エラ・アンダーソンほか
提供:ショウゲート、インターフィルム
配給:インターフィルム
コピーライト:©2013 GOLD CIRCLE ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED

『悪魔の存在を証明した男』公式サイト

※ヒューマントラストシネマ渋谷にて1月31日(土)〜2月13日(金)限定上映ほか全国順次公開

文:min

  • 2015年01月30日更新

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