第27回東京国際映画祭―大作だけじゃない。映画だけじゃない。今年の東京映画祭は更にパワーアップ

  • 2014年10月23日更新

アジア最大級の映画祭、第27回東京国際映画祭が10月23日よりスタート。オープニングを華々しく飾る「ベイマックス」や大注目のクロージング作品「寄生獣」などアジア最大級の映画祭にふさわしい大作が並ぶが、見るべき作品は大作だけではない。今後が気になる若手監督の作品がチェックできる「アジアの未来」部門や「日本映画スプラッシュ」部門など、ミニシア好きなら押さえておくべき作品が目白押し。また、歌舞伎座での特別上映や東京国際映画祭でしか味わえない東京映画食堂などスクリーンだけではない映画祭の楽しみ方も満載。ミニシアおすすめの作品とイベントをたっぷりとご紹介します。

 

アジアの未来部門-『レッド・ファミリー』の次はこちら。キム・ギドク監督脚本作品に注目
メイド・イン・チャイナ
中国で養殖ウナギの輸出業を営むチャン。韓国の品質検査で水銀が検出され、輸出が禁止になってしまう。起死回生を図るチャンは韓国への密入国を決意する。食の安全など時事的なテーマも盛り込まれた、『レッド・ファミリー』(TIFF13観客賞)に続いてキム・ギドクが脚本を担当。TIFF13観客賞に輝いた『レッド・ファミリー』でプロデューサーを務めていたキム・ドンフの監督デビュー作。中韓のウナギ養殖業界をめぐって緊迫した物語が展開され、食の安全などタイムリーなテーマも盛り込まれている。北朝鮮からの脱北者を描いた韓国映画は多いが、本作は中国からの密入国者を扱っている点に注目したい。

 

日本映画スプラッシュ部門-飛田新地、あいりんセンター、三角公園を浮かび上がらせるドキュメンタリー

解放区
友人の自殺を直視したドキュメンタリー『わたしたちに許された特別な時間の終わり』が国内外で反響を呼び、俳優としても現代演劇の最先端をゆく劇団チェルフィッチュの国内外の公演に出演している太田信吾が、浄化作戦の進む大阪市西成区に漂着する若者を圧倒的なリアリティで描く初の長編劇映画。飛田新地、あいりんセンター、三角公園など、撮影が困難と言われた場所も地元の後押しのもと撮影を敢行。ドキュメンタリーの手法を使い、そこで息づく人々の日常の「生きる姿」が生々しく映し出されている。貧困や病気、犯罪は個人の問題ではなく、社会システムを受容している我々一人ひとりに起因するという監督の強い信念が結実した作品。

 

ワールド・フォーカス部門-ヴェネチア映画祭の主演女優と男優賞をダブル受賞

ハングリー・ハーツ
ニューヨークの中華料理店のトイレで出会ったふたりが、意気投合し、結婚。子供も産まれ、幸せな日々が待っているはずだったが、独自の育て方にこだわる妻の行動が徐々にエスカレートしていく…。『素数たちの孤独』(10/TIFF10出品)で天才の片鱗を見せたサヴェリオ・コスタンツォ監督が、愛情とオブセッションの間の境界線をサスペンスフルに描く傑作。ニューヨーク、妊娠、妻の狂気、といった内容が『ローズマリーの赤ちゃん』や『こわれゆく女』といった傑作を想起させる。ユーモアたっぷりの親密な空気が溢れる序盤から、徐々にトーンを変えていく作風は先が読めず、世界から孤立したように夫婦を切り取るカメラワークが独自の世界を作り上げた。前作に続きヒロインに起用されたアルバ・ロルヴァケルが迫真の演技を見せ、家族を繋ぎとめようと必死に奔走する夫役のアダム・ドライバーとともに、見事ヴェネチア映画祭の主演女優と男優賞をダブル受賞した。

 

歌舞伎座スペシャルナイト-歌舞伎座が映画館になる贅沢な一夜。

あの歌舞伎座が映画館になる?!今年デビュー100周年を迎える“世界の喜劇王”チャールズ・チャップリン。日本びいきで「歌舞伎」を愛し、来日の際には実際に歌舞伎座を訪れ、七世松本幸四郎と写った写真が記録にも残されています。今回はチャップリンの『街の灯』を歌舞伎座で上映。七世松本幸四郎の曾孫にあたる市川染五郎さんが石橋を舞います。特製幕の内弁当を食べながら贅沢な一夜を過ごしてみては

 

東京映画食堂-映画だけじゃない、おいしい映画祭。

日本を代表する下記トップシェフ 5 人による、東京国際映画祭でしか味わえない特別メニューを気軽に楽しめる食の祭典「東京映画食堂」がオープン。オードブル、メイン、デザートを手軽な値段で楽しめます。映画の合間に東京国際映画祭のお味も召し上がれ。

 

 

 

 

 

 

 

▼第27回東京国際映画祭概要
期間:2014年10月23日(木)~10月31日(金) 9日間
開催会場:六本木ヒルズ(港区) 、TOHOシネマズ 日本橋(中央区) 他 都内の各劇場及び施設・ホールを使用
●東京国際映画祭公式サイト
主催:公益財団法人ユニジャパン(第27回東京国際映画祭実行委員会)

 

 

文:白玉

  • 2014年10月23日更新

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