『早熟のアイオワ』― 絶望の中で前向きに生きる姉妹が最後に選ぶ希望とは?

  • 2014年02月25日更新

ハリウッドきっての2大若手女優競演。ブレイク直前の初々しさと演技は必見!
いまハリウッドでもっとも輝きを放つ2大若手女優、ジェニファー・ローレンスとクロエ・グレース・モレッツ。人気と実力を兼ね備えた2人がブレイク直前に姉妹役として出演した作品が、2008年に製作された映画『早熟のアイオワ』だ。監督と脚本を手がけたのは、自身も女優として活躍するロリ・ペティ。『ハートブルー』(91)『プリティ・リーグ』(92)『タンクガール』(95)などの出演作で知られる彼女の自叙伝ともいえる本作は、多感な少女時代を過ごしたのアメリカ・アイオワ州を舞台に、売春婦の母親と暮らす絶望的な環境の中で強く前向きに生きる三姉妹の姿を描く。撮影当時17歳だったジェニファーと10歳のクロエが見せる鮮烈な存在感と無垢で力強い演技は、ファンならずとも注目に値する。2月22日より、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開。



過酷な環境を生きる三姉妹のリアルストーリー
1976年のアイオワ州・カウンシルブラフス。片田舎にある不法居住者の家、通称「ポーカーハウス」には、夜ごとドラッグディーラーたちがポーカー賭博や性行為目的でやってくる。この家で売春婦の母親と暮らす14歳のアグネス(ジェニファー・ローレンス)は、幼い妹2人を守りながら日々を必死に生き抜こうともがく。ドラッグに溺れる母親とはまともな会話さえ成り立たず、学校にもろくに通えない日々。絶望の底にありながらも、常に希望とユーモアを忘れないアグネスに、更なる残酷な事件が襲いかかる……。



幼き女優たちの類いまれなる才能の片鱗
アグネスを演じるジェニファー・ローレンスは、自ら脚本を選び抜き初主演を決めた本作で、2008年ロサンゼルス映画祭の優秀演技賞を初受賞。17歳にして驚くべきプロ意識と演技力の高さを証明する。その後の活躍は皆さんご存知のとおり、『世界にひとつのプレイブック』(12)で見事にアカデミー主演女優賞を受賞し、『ハンガー・ゲーム』(12)、『アメリカン・ハッスル』(13)など話題作に続けて出演。もっとも旬な女優として注目を浴びている。末っ子を演じたクロエ・グレース・モレッツも『キック・アス』のヒットガール役で大ブレイクし、人気女優としての道をばく進中だ。撮影時は10歳だというが、ころころした体つきとあどけない表情がとにかく愛らしく、もっと幼くも見える。本作と同日公開の『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』ではティーンエイジャーの魅力を爆発させているクロエちゃんだが、画面の端にいてもキラキラ輝いてみえるほど、幼いころからその存在感は別格だったと思わず頷いてしまう。



温かくノスタルジックで、すがすがしい。ラストシーンに注目!
三姉妹を取り巻く環境はかなり悲惨なものだが、本作はけっしてダークな作品ではない。貧しくも愛すべき近隣住人たちや、アグネスの才能を文字通り買ってくれている新聞社の人々など、少女たちを見守る周囲の優しいまなざしに、ところどころで胸が温まる。母や妹たちを支えるために「大人になるしかなかった」アグネスが、本やソウルミュージック、バスケットボールといったささやかな楽しみに胸をときめかせる姿や淡い恋心も、少女らしくほほえましい。ユーモアとノスタルジーが散りばめられた本作の中でも、ラストシーンは格別だ。マーヴィン・ゲイの名曲『Ain’t No Mountain High Enough』を聞くたびに、しばらくはこの作品を思い出してしまうだろう。



▼『早熟のアイオワ』作品・公開情報
2008年/アメリア/93分/R15+
原題:THE POKER HOUSE
監督・脚本:ロリ・ペティ
脚本:デヴィッド・アラン・グリア
出演:ジェニファー・ローレンス、クロエ・グレース・モレッツ、セルマ・ブレア、ボキーム・ウッドバインほか
配給:アット エンタテインメント
宣伝:ビーズインターナショナル
コピーライト: (c)The Poker House LLC 2009

●『早熟のアイオワ』公式サイト

※2014年2月22日(土)より、新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開

文:min

  • 2014年02月25日更新

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