記憶に突き刺さるハンサムな女の生き様-新・女性映画祭

  • 2012年12月16日更新

オーディトリウム渋谷ではヒロインにくぎ付けになる映画13本を一挙公開。王妃、芸妓、従軍看護婦、シングルマザーなど、登場するヒロインは様々な立場の女性達だ。決して幸せとは言い難い状況の中でも、自分の立場を卑下することなく、しなやかに、したたかに、艶やかに生きる女性の姿は記憶に深く刻まれること間違いなし。会期中は、ヒロインについて大いに語るトークショーも予定されている。ヒロインの生き様にどっぷりとつかって、離れられない“運命の女性”を見つけてみてはどうだろう。
©I Want Candy LLC.

『祇園の姉妹』
1936年/68分
監督:溝口健二
出演:山田五十鈴、梅村蓉子

溝口健二の戦前の代表作で、36年の「キネマ旬報ベストワン」。今年7月に亡くなった山田五十鈴、19歳の主演作。祇園を舞台に、芸妓として生きる姉妹を描く。映画は相反する二人の生き様を軸に、女の立場が被る宿命を冷徹な視線で映し出す。山田は、覚悟と誇りをもって自らの運命をまっとうする妹を好演している。男社会に猛然と刃向かうしたたかな姿は、その関西弁と共に日本映画史に新たな女性像を与え、今見ても新鮮。
©1936 松竹株式会社



『アリス・ギイ傑作選』
1897年~1907年/約90分
監督:アリス・ギイ
20日(木)16:10~上映前解説:古賀太(日大芸術学部教授)

映画史上初の女性監督として知られるアリス・ギイ。彼女の1897年から1907年にかけての作品から20本を厳選した。『キャベツ畑の妖精』や『キリストの生涯』はもちろん、女性ならではの視点で描かれたユーモラスでおかしな女性たちにも注目してほしい。世界で活躍する女性監督たちの源流がここにある。仏ゴーモン社が世界各地のフィルムアーカイブに残る映像を使い、2008年に完成したデジタル復元版(音楽付き)の日本初上映。
Production Gaumont


『極私的エロス・恋歌1974』
1974年/110分
監督:原一男
出演:武田美由紀、小林佐智子
17日(月)18:30~上映後トーク:原一男

『ゆきゆきて、神軍』の原一男による衝撃の「極私的」ドキュメンタリー。原は元恋人が新天地として選んだ沖縄に押しかけ、カメラを手に彼女の生活へ踏み込んでいく。それはやがて「撮る/撮られる」の関係を越え、互いが理解者として影響を及ぼす「日常」そのものへと肉薄する。圧巻の出産場面は「女性」の強靭さと「生」の根源を見る者に突きつける。痛みを越えた先にある唯一無二の喜びの瞬間-全ての人間はここから出発する。





▼新・女性映画祭開催情報
【日程&開催場所】
2012年12月15日(土)〜21日(金)
オーディトリウム渋谷
主催:日本大学藝術学部映画学科理論・評論コース3年/オーディトリウム渋谷
●『新・女性映画祭』公式サイト
※その他の上映作、上映スケジュール、期間中のイベント等に関する詳細は、公式サイトをご参照ください。
©2008『人のセックスを笑うな』製作委員会

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文:白玉

  • 2012年12月16日更新

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