「ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版特別映画祭」 ― 永遠の貴公子に会える最後の映画祭

  • 2012年11月22日更新

 2012年の今年は、不世出の俳優ジェラール・フィリップの生誕90年。彼は1959年に36歳の若さで亡くなったが、忘れ去られるどころか、半世紀以上経った今もなお、映画祭が開催されるごとに新たなファンを生み出しているという。

 今回は、デジタルリマスターで鮮やかに蘇った5本の作品を上映。『赤と黒』『パルムの僧院』など、文芸作品を中心としたラインナップだ。これまで彼の魅力は様々な言葉で形容されてきた ― 繊細な美貌、誰をも魅了する笑顔、美しいフランス語、舞台で培われた確かな演技力、優雅な立ち居振る舞い ― だが、どんな称賛の言葉も、スクリーンに息づく彼の前には霞んでしまう。

 残念ながら、今回が「永遠の若者ジェラール・フィリップにスクリーンで会える最後の映画祭」になるそうだ。「スクリーンの恋人」という言葉は、すでに使い古されて陳腐に聞こえるかもしれないが、半世紀前と変わらず、今年も多くのファンが“恋人”に会いに映画館に出向くことだろう。

 ジェラールの輝くオーラが堪能できる5作品。彼の一挙手一投足から目が離せない。2012年11月24日(土)から2週間限定で、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開(↑の画像は『悪魔の美しさ』)。

【作品紹介】クレール、オータン=ララなど巨匠の作品を中心にしたラインナップ

①『パルムの僧院』
La Chartreuse de Parme 1948/フランス/白黒/173分
監督:クリスチャン・ジャック 共演:マリア・カザレスほか 
 スタンダールの同名小説の映画化。イタリアでオールロケされたジェラールの代表作。聖職者になるため、故郷パルムに戻ってきたファブリスは、宮廷の陰謀と恋の嵐に巻き込まれる。

②『赤と黒』
Le Rouge et Le Noir 1954/フランス/カラー/193分
監督:クロード・オータン=ララ 共演:ダニエル・ダリューほか
『パルムの僧院』に続き、ジェラールがスタンダール作品に挑んだオールカラー文芸超大作。美しく聡明な青年ジュリアン・ソレルは野心を抱き、愛さえ道具にして上流階級をのしあがろうとする。

③『悪魔の美しさ』
La Beauté du Diable 1950/フランス/白黒/103分(写真)
監督:ルネ・クレール 共演:ミシェル・シモンほか
 ファウスト伝説をもとに名匠ルネ・クレールが映画化。ジェラールが悪魔メフィストと青年アンリの2役に挑戦。年老いたファウスト博士は悪魔メフィストと契約し、青年アンリに変身。美しいマルグリットと恋に落ちるが……。ジェラールが一番美しい時期の作品といわれている。

④『夜ごとの美女』
Les Belles de Nuit 1952/フランス/白黒/87分
監督:ルネ・クレール 共演:マルティーヌ・キャロルほか
『悪魔の美しさ』に続き、ジェラールが敬愛するルネ・クレールとタッグを組んだロマンティック・コメディ。憂鬱な現実に嫌気がさした音楽教師クロードは、夢の世界に誘われ、夜ごと数々の美女と名声を手に入れる。マルティーヌ・キャロル、ジーナ・ロロブリジーダら女優陣の美しさにも注目。夢の中でいくつもの時代を渡り歩く彼のコスプレ(!?)も楽しい。

⑤『勝負師』
Le Joueur 958/フランス=イタリア/カラー/102分
監督:クロード・オータン=ララ 共演:リゼロッテ・プルファーほか
 ドストエフスキー原作『賭博者』の映画化で、ジェラールが意欲的に挑んだ異色作。初公開より約50年ぶりのスクリーン上映。家庭教師としてドイツにやってきたロシア青年アレクセイだったが、次第に賭け事に夢中になっていく。

▼「ジェラール・フィリップ生誕90年 デジタルリマスター版特別映画祭」
※11/24(土)から2週間限定 ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開
配給:宣伝 セテラ・インターナショナル

文:吉永くま


  • 2012年11月22日更新

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