『こっぴどい猫』初日舞台挨拶 — 個性あふれるキャストが勢揃い!

  • 2012年08月08日更新

写真右から、今泉力哉監督、平井正吾、後藤ユウミ、内村遥、モト冬樹、小宮一葉、三浦英、小石川祐子

モト冬樹の生誕60周年記念として制作された映画『こっぴどい猫』は、初老の作家とワケあり美女との恋愛模様を軸に、総勢15人の男女、7つの三角関係が交差する究極のダメ恋愛群像劇。2012年7月28日(土)、新宿K’s cinemaにて行われた初日舞台挨拶では、今泉力哉監督と主演を務めたモト冬樹ほか主要キャストの総勢8人が登壇し、撮影時のエピソードや作品に対するそれぞれの思いを語った。


「花火大会やオリンピックなどが行われているなか、この会場にお越しいただき、ありがとうございます」(今泉監督)

折しも当日は、隅田川花火大会やロンドンオリンピック開幕直後などと重なり、監督やキャストたちも客足を心配していたようだが、そんな不安を吹き飛ばすように大勢の観客が詰めかけ、温かい拍手で登壇者を迎えていた。

― 劇場公開を迎えた今のお気持ちをお聞かせください。

今泉力哉監督(以下、今泉) 今夜は花火大会やオリンピックなどが行われているなか、この会場にお越しいただき、ありがとうございます。この映画を撮影していたのがちょうど去年の今ごろでした。1年越しで、こうして劇場公開ができて嬉しく思います。

平井正吾さん(以下、平井) 本日はありがとうございます。映画を楽しんでください。

後藤ユウミさん(以下、後藤 初日をたくさんのお客様に観ていただけて、とても嬉しいです。

内村遥さん(以下、内村) すべてはこうして劇場に足を運んでくださるお客様がいての映画です。感謝の気持ちでいっぱいです。たくさん笑って帰ってください。

小宮一葉さん(以下、小宮) 今から4、5年前に初めて出演した映画が今泉監督の作品で、その時に初めてカメラの前でお芝居をしました。そして今日、このような舞台挨拶をすることができることをとても嬉しく思います。

三浦英さん(以下、三浦) 上映期間中は毎晩全席いっぱいにしたいと思っています。ご覧になっておもしろいと感じていただけたら、是非まわりの方に、おすすめしてください!

小石川祐子さん(以下、小石川) ダメダメなこっぴどい恋愛群像劇を、是非ぜひ楽しんでいただけたらと思います。

モト冬樹さん(以下、モト) 一生懸命、良い作品を作ったつもりです。たくさんの方に来ていただけて嬉しいです……が、明日からガラガラだったらどうしよう(笑)。

「モトさんが主演だったらあとは好き勝手にやってくれという、とてもありがたい話でした」(今泉監督)

― 本作を制作された、いきさつをお話しください。

今泉 モト冬樹さんのマネージャーである小西(亮一)さんから、モトさんの生誕60周年に何か形に残るものとして映画を作れないかということで、お話をいただきました。モトさんが主演だったらあとは好き勝手にやってくれという、とてもありがたい話でしたが、反面ではプレッシャーがあって、脚本も予定より1ヶ月、2ヶ月と延びてしまって。「一度、モトさんと会って飲ませて欲しい」と、無理なお願いをしてご一緒させていただきました。その時にモトさんから「今回失敗したらもう1回やればいいじゃない」とおっしゃっていただいて、もう1回とかあるんだって思って(笑)。楽になると同時に、よりプレッシャーになりました(笑)。でも、そこから、自分が得意としている、若者のダメな恋愛劇の中にモト冬樹さんに入ってもらえば良いんだと思えて、脚本を書き始めることができました。

「今泉くんの世界に入りたかったんです」(モトさん)

モト あまりシリアスに一人の役をやる機会が無かったもので、もの凄く楽しかったですね。これまでは、ハゲた役とかおちゃらけた上司役とかが多かったもので(笑)。「今泉くんの世界の中に僕が入ったらどうなるのかな」という不安と期待もあったし、今泉くんの世界に入りたかったんです。実際、一緒にやってみて(台詞や段取りなどが)現場で急に変わることが多かったけど、それが凄く楽しくて! 充実した時間を過ごせたなと思っています。

「(上映時間の)130分頑張ってください」(平井さん)
「平井くんとデートしました(笑)」(後藤さん)

― ほかのキャストのみなさんにも、本作のみどころや撮影時のエピソードをお聞きしたいと思います。

モト (平井さんに向かって)ほら、今日は親戚とか来ているんだろ。

平井 あ、はい……。あの、楽しんでいただれけば大丈夫です。これから130分頑張ってください。

モト 罰ゲームみたいじゃないか、それじゃ!(場内爆笑)

後藤 わたしは、平井くんの彼女役だったのですが、平井くんが演劇をするのが初めてということで、最初は凄く緊張していたので、わたしまで緊張しないように頑張りました。2人とも人見知りなので、デートに行ったほうが早いかなと思って……デートしました(笑)。

モト それは頑張ったなぁ(笑)。

後藤 はい(笑)。でも、その頑張りのせいか、平井くんが初めてというのをまったく感じさせない堂々とした演技をしていたので、凄いなと思いました。

今泉 映画じゃなくて、平井くんの感想になっちゃったね(笑)。

「みんなが今泉監督を信用し切っていたからできた作品」(内村さん)
「ひたすら汗をかきまくったのが一番記憶に残っています」(三浦さん)

内村 撮影の初日から台本がはっきり上がっていない状態で現場に入りまして。一番の山場を初日の午前中に迎えるということになったのですが……。みんなが今泉監督を信用し切っていたからできた作品だと思いますね。

三浦 最後の日に撮った室内のシーンでひたすら汗をかきまくったのが一番記憶に残っています。それはもう、地獄の暑さで……って、あれ、会場がシーンとしてる(笑)?

「今泉監督はプールに自分の色が付いた水を引くだけ引いたあと、勝手に泳いでくださいという感じの方(笑)」(小宮さん)

小宮 監督って指揮者みたいなものだと思うのですが、今泉監督は凄く独特で、プールに自分の色が付いた水を引くだけ引いたあと、勝手に泳いでくださいという感じの方(笑)。でも、自分でも意識していないような変な部分や気持ちの悪い部分を引き出してくださる希有な監督です。

「モトさんに、“主(ぬし)みたいな顔しやがって”と言われたのが印象的でした(笑)」(小石川さん)

小石川 わたしも撮影の最後の日は三浦くんの汗が心配でした(笑)。わたし自身、映画は初出演だったのですが、初日からモトさんとご一緒するシーンで、相当緊張していたんですけれども、それをモトさんにお伝えしたら「えぇ、嘘だ! なんか主(ぬし)みたいな顔しやがって」と言われたのが印象的でした(笑)。

「今まで観たことのないモト冬樹さんが観られると思います」(今泉監督)
「役者の一人ひとりが本当に素晴らしい。これも今泉くんの力」(モトさん)

― 最後に作品についてのアピールをお願いします。

今泉 みなさんが今まで観たことのないモト冬樹さんが観られると思います。また、ほかのキャストも、今まで観たことのない一面が出ていると思います。それくらい、みなさんが自分のやり方に協力してくれたし、自分もやり方を貫いて撮影しました。撮影期間中も、台本は毎日差し替えになってギリギリまで迷って作り続けた映画で、編集も(公開の)ギリギリまでやりました。あとは、娯楽なので楽しんで観ていただけたらと思います。眠い人は寝てもいいし(笑)。

モト わたしも凄く頑張りましたけど、この映画に関しては役者の一人ひとりが本当に素晴らしくて。これも今泉くんの力だなと思っています。全員が個性豊かで、平井くんなんか演技が初めてなのに、もぅ、どうやっても敵わないような芝居をしております……この映画に関してはで、ほかは知りませんけど(笑)。是非、一人ひとりを楽しく観てください。

 

▼『こっぴどい猫』作品・上映情報
(2012年/日本/130分)
監督・脚本・編集:今泉力哉
製作:手島昭一
エグゼクティブプロデューサー:小西亮一
出演:モト冬樹、小宮一葉、内村遥、三浦英、小石川祐子、平井正吾、後藤ユウミ、今泉力哉ほか
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
コピーライト:©2012 DUDES
『こっぴどい猫』公式ホームページ
※2012年7月28日(土)より新宿K’s cinemaにてレイトショー

取材・編集・文:min スチール撮影:仲宗根美幸

▼関連記事
『こっぴどい猫』 今泉力哉監督 インタビュー

こっぴどい猫』 — “21世紀型ダメ恋愛の旗手”今泉力哉が、還暦のモト冬樹を主演に描く究極のダメ恋愛群像劇。

第三回下北沢映画祭-イベント・スケジュール編- ここでしか見られない個性的なイベントに注目!

  • 2012年08月08日更新

トラックバックURL:https://mini-theater.com/2012/08/08/koppisyonichi/trackback/