【イケメン青田買い】『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』完成披露試写会―金田敬監督、高崎翔太さん、新井裕介さんが撮影秘話を披露。

  • 2012年03月01日更新

 市民オーケストラを舞台に、ヴァイオリニストの守村悠季と指揮者の桐ノ院圭が、音楽家としての互いを高めあいながら愛を育んでいく『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』 ― 2012年3月3日(土)の劇場公開に先駆けて、大阪と東京で完成披露試写会が開催されました。2月18日(土)にベルサール六本木にておこなわれた東京での完成披露試写会には、金田敬監督、高崎翔太さん(守村悠季役)、新井裕介さん(桐ノ院圭役)がご登壇(←の写真、左から、金田監督、高崎さん、新井さん)。高崎さんと新井さんは、劇中の衣装をお召しです。上映終了後におこなわれたトーク・ショーの模様を、ほぼノーカットでお届け致します。

※この記事には、映画本編の詳しい内容に関する記述が含まれています。ネタバレを控えたいかたは、本編のご鑑賞後にご覧ください。

― 守村悠季と桐ノ院圭を演じるにあたって、どのような意気込みで臨まれましたか?

「悠季と自分には、運命を感じました」(高崎さん)

「自分とは似ていない桐ノ院という人物を作りあげるのが、とてもおもしろかったです」(新井さん)

高崎翔太さん(以下、高崎) 悠季と自分には近い部分がとても多いです。同年代で、出身は同じ新潟県。家族構成や内面も、すごく似ています。彼と僕には運命を感じたので、そう思って演じました。

新井裕介さん(以下、新井) 僕は翔太とは真逆で、桐ノ院は自分に似ている部分が少ないキャラクターでしたね。そのぶん、自分と似ていないところをどんどん積み重ねていって桐ノ院圭という人物を作りあげるのが、とてもおもしろかったです。

― オーケストラが舞台の映画なので、演奏のシーンは大変だったのでは?

「音楽指導の先生に、指揮の仕方を基礎の基礎から教えていただきました」(新井さん)

金田敬監督(以下、金田) 僕自身、クラシック音楽にあまり詳しくないので、音楽の先生にいろいろと訊きながら演出しました。高崎くんは(スケジュール的に)ヴァイオリンの練習をする時間に制限があったんですが、よく頑張ってくれましたよ。新井くんも、指揮の練習をとてもやってくれて。

新井 「指揮者はこんなに大変なんだな」と実感しましたね。タクト(指揮棒)の持ちかたすらわからない、なにも知らない状態から始めたんですが、「まずは自分のイメージで(タクトを)振ってごらん」と音楽指導の先生に言われたので振ってみましたが、笑われてしまいました(笑)。
「タクトの振りかた、全然、違うんだよ」と先生がおっしゃって、基礎の基礎から、とても優しく、かつ、厳しくしっかりと教えていただきました。そのおかげもあって、(エキストラで出演している)実際の楽団のかたがたに拍手をしていただけるまでになりましたが、小さなことをこつこつと積み重ねていった結果だと思うので、教えてくださった先生には本当に感謝しています。
 ただ、僕は左利きなんです。だから、(右手でタクトを持つのは)本当に大変でした、……と言い訳をさせてください(笑)。

― 高崎さんは、限られた時間でヴァイオリンの練習をして、見事な演奏をなさったわけですが……。

高崎 はい、見事な演奏をしたわけですが(苦笑)。

新井 みなさん、苦笑いですけど(笑)。

高崎 ヴァイオリンを演奏するシーンを最初に撮ったときの、金田監督の苦笑いは忘れられません(一同笑)。「大変そうだねぇ」と、監督に言われました。

― 演技・演出において、音楽以外に難しかった点は?

「桐ノ院というエッジの効いたキャラクターを、生身で表現するのは大変」(金田監督)

金田 桐ノ院は、特殊でエッジの効いたキャラクターなので、それを生身で表現するということに関して、新井くんは大変だったと思います。本作の試写を終えて新井くんと会ったときに彼が、「ちょっと甘い桐ノ院だった」と(反省した様子で)言っていましたが、(甘さの塩梅は)難しいと思います。シナリオの構成上、「自宅に独りでいる桐ノ院」も描く必要がありましたが、家にいるときの桐ノ院が自ら「桐ノ院圭という人」を演じる必要はないわけですから。そういう点も含めて、(桐ノ院というキャラクターの造形が)ちょっとずつ甘くなっていってしまった部分があったな、という反省はあります。
 高崎くんの悠季は、(よい意味で)ほとんど放ったらかし(笑)。「高崎くんの為人(ひととなり)のままで悠季はいけるな」という勝算が、初めからあったので。

― 悠季が桐ノ院に強姦されるベッド・シーンを、撮影初日に撮ったんですよね。

「初日にベッド・シーンを撮影してよかった」(金田監督)

金田 ベッド・シーンの撮影場所を借りられる日がその日しかなかったので、やむを得ずそうなりました。本来なら、ふたりの息が合ってきてから撮影したいシーンだ、とは思ったのですが。でも、結果的には、「初日にこのシーンを撮影してよかった」という仕上がりになったと思います。

― 出演者のおふたりは、いきなりベッド・シーンから撮影することについて、どう思われましたか?

「ベッド・シーンが物語の分岐点になるので、(初日に撮影して)のちのちの撮影がやりやすくなりました」(高崎さん)

「翔太は本気で僕を殴ったんですよ(笑)」(新井さん)

高崎 あのですね、犯されるシーンから(撮影が)始まるのは……。

新井 「犯される」という表現はよろしくないよ(笑)。

高崎 なんて言えばいいんだろうね?

新井 「抱かれる」にしよう、「抱かれる」。

高崎 そうそう、「抱かれる」……、抱かれるあのシーンが物語の分岐点になるので、(このシーンを最初に撮影したことで)結果的に、のちのちの撮影がとてもやりやすくなりました。抱かれる……、いえ、この「犯される」シーンについては、原作小説や脚本を読んだときからいろいろと想像はしていましたが、(実際に演じたら)考えていた以上にはるかにきつかったので、「初日に撮影しておいてよかった」と、あとになってから思いましたね。

新井 「抱かれるのではなく、抱くほうでよかったな」というのが、僕の率直な感想です(笑)。あのシーンを撮影したとき、翔太は本気で泣いたもんね。

高崎 それくらい、きつかったですからね。

新井 あのシーンの撮影中、翔太は嫌がった末に本気で僕を殴ったんですよ。裏拳で、思いっきり(笑)。

高崎 守村くん本人も、そうしたと思いますよ(笑)。

― 男性が男性を強姦するシーンを演出するのは、いかがでしたか?

「窓に映るふたりの姿は、かなりリアルになりました」(金田監督)

金田 難しかったですよ。リアリズムの視点で考えると、たとえ体格差があっても、男性が男性を犯すということは、なかなか想像できないんですよね。(犯されるほうが)意識を失っているか、ピストルで脅されでもしていない限りは。だから、どのように撮ればよいのか、撮影当日まではよくわからなかったんです。ただ、このシーンを撮影する部屋の窓が大きかったので、「窓に映るふたりの姿は使えるな。ネオンがきらきらと輝いて、ファンタジックな画になるだろう」と思ったんです。でも、いざ撮影してみたら、(ファンタジックどころか)かなりリアルに……(一同爆笑)。窓に映る姿はリアルになるのだ、とすごく勉強になりました(笑)。

― (架空の)富士見市の町の雰囲気が、とても出ている作品でした。1ヶ所で撮影したわけではなかったそうですね。

「映画の中で町を創れることは、本当に楽しい」(金田監督)

金田 映画を作っていて楽しいことのひとつは、作品の中で町を創れることです。原作小説を読んだときに、「富士見という町を僕たちで創れるんだな」と考えたらとても魅力的で、実際にロケをするのもすごく楽しい作業でした。「荻窪の簡素なアパートのドアをあけたら、浜田山につながっている」といったように。映画の中で地図を描けるのは、本当に楽しいです。

― 富士見の楽団員を演じた、木下ほうかさん、宮川一朗太さん、徳井優さん、そして、桐ノ院と謎の関係にありそうな高田龍之介役を演じた国広富之さんと、脇を固めるベテラン俳優のみなさんも素晴らしかったです。

「国広さんも、積極的に役作りをしてくれました」(金田監督)

金田 楽団員を演じてくれたおっちゃんたちは(一同笑)、「監督、僕ら、楽器は捨てたから!」と言って、オーケストラのうしろでごちゃごちゃ動くものだから、大変でしたよ(一同笑)。徳井さんなんて、「(楽器が弾けない分は)顔でごまかすから、勘弁して」ですって(笑)。

新井 徳井さんのお顔を指揮台の上から見ていると笑ってしまいそうになるので、絶対に見ないように心がけていました。危険人物でしたよ(笑)。

金田 徳井さんたちが出演しているシーンでは、新井くんや高崎くんをあまり見られませんでした。「徳井さんたち、なにかしないだろうな?」と、彼らばかり気になって(笑)。

新井 指揮台に立っている僕からは、みなさんのそういった動きが全部見えるから恐いんです(笑)。どこを見ていればよいのか、わからなくなりました。

金田 国広さんも積極的に役作りをしてくれて。「僕と桐ノ院の関係を匂わせていいですか? 高田という人物のバックボーンを作っていいですか?」と言っていましたね。

― 高田が桐ノ院の顔にグラスの水をかけるのも、国広さんのアイディアだったそうですね。

「国広さんはとてもおもしろいかたで、勉強になりました」(新井さん)

新井 そうです。あのシーンを撮影する直前まで、僕はなにも聞かされていませんでした。「いきなり水をかけるけど、大丈夫だよね?」と国広さんに言われて。「大丈夫です」としか言えないでしょ(笑)。
 水をかけられた瞬間、国広さんに満面の笑顔で「綺麗……」と言われたんですが、どう反応すればよいのだろう、と思いました(笑)。本当、国広さんはおもしろいかたでした。「そこまでやるか!?」と思うくらい、(アイディアやアドリブを)投げこんでくるので。とても勉強になりました。

金田 高田がちょっとオネエ言葉になっているシーンもありますが、あれも国広さんのアイディアなんですよ。

― 原作者の秋月こお先生が、撮影現場にいらっしゃった日もあったそうですね。

「秋月先生に『手が綺麗』と言っていただけたのが、とても嬉しかったです」(新井さん)

「『悠季のイメージに近い』と、秋月先生に言っていただけました」(高崎さん)

新井 はい。秋月先生にお目にかかって、「手が綺麗ね」と言っていただけたのが、とても嬉しかったです。指揮者は手がとても重要ですから。「桐ノ院のイメージに間違いない」と言っていただけたのも嬉しかったですね。

金田 新井くんが指揮をしている姿は、とてもさまになっています。手もとを中心に撮った部分もありますが、本当に綺麗でしたね。

高崎 僕も秋月先生に「悠季のイメージに近い」と言っていただけて、とても嬉しかったんですが、「あとはヴァイオリン(の演奏をしている姿)だね」と、だめ出しもいただいて(苦笑)。(新井さんを見ながら)やりたいですね、ヴァイオリンは。

新井 僕に言わないでよ。僕はヴァイオリンを弾かないんだから(笑)。

《ミニシア恒例、靴チェック!》
劇中と同じ「衣装」なので、役名にて。
守村悠季 桐ノ院圭

▼『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』作品・公開情報
2012年/日本/カラー/ビスタ/ステレオ/83分
原作:秋月こお(角川ルビー文庫・刊)
脚本:板谷里乃 箱田森介
監督:金田敬
製作:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント ビデオプランニング ビデオフォーカス
制作・配給:ビデオプランニング
出演:高崎翔太 新井裕介 岩田さゆり 林 明寛 馬場良馬 NAOTO(ゲスト出演) 木下ほうか 宮川一朗太 徳井 優 国広富之
コピーライト:(C)2012秋月こお/角川書店・富士見二丁目交響楽団シリーズ製作委員会
『富士見二丁目交響楽団シリーズ 寒冷前線コンダクター』公式サイト
※3月3日(土)より渋谷シアター・イメージフォーラムにてロードショー!

取材・編集・文:香ん乃 スチール撮影:田屋勉

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