『フラメンコ・フラメンコ』トークイベント付特別試写会―ミッツ・マングローブさん、情熱的な真紅のドレスで華麗にご登場!

  • 2012年02月20日更新

 フラメンコのステージを実際に観ているかのような、贅沢な気分になれる映画『フラメンコ・フラメンコ』。劇場公開直前の2012年2月6日(月)に、トークイベント付特別試写会がシネマート六本木にて開催されました。ゲストは、女装家のミッツ・マングローブさん。フラメンコに関する話題から、恋愛のきわどいお話まで ― いろいろな意味で熱かったトークの全貌を、じっくりとお楽しみください(←の写真、右がミッツさん。左が、MCを務められた、映画パーソナリティーの伊藤さとりさん)。

「フラメンコといえば、赤のイメージ」

― この映画の中で、ダンサーのサラ・バラスさんが着ているのに似た、真っ赤なドレスですね。とてもお似合いです。

ミッツ・マングローブさん(以下、ミッツ) フラメンコといえば、赤のイメージなので。(持っている赤いドレスの中で)一番、ひらひらしている物を着ました。

― 本作に出演の女性ダンサーが着ている衣装も、とてもゴージャスでしたね。

ミッツ そうですね。この映画の中で、スカートを(指でつまんで)ぶわっと広げるダンサーがいたじゃない? (実際にスカートを広げながら)こうしてぶわっとするのは、小さい頃からの夢でした。子どものときに、ベッドのシーツを体に巻きつけてやったものです。でも、(スカートをこうして広げるのは)もちろん、ジュディ・オング先生が最初よ(会場笑)。

「アントニオ・ガデスさんが来日したときに、フラメンコを知りました」

― フラメンコを習われたことは?

ミッツ やってみたいとはずっと前から思っているんですけど、(フラメンコに限らず)踊りを本格的に勉強したことがなくて。フラメンコはリズムが難しいらしいですね。
 私が小学校の低学年だった1980年代の前半に、日本でフラメンコがとてもブームになったんですよ。ちょうどその頃、(スペインを代表する舞踏家の)アントニオ・ガデスさんが来日公演をしたんですが、その関係の仕事をたまたま父がしていまして。それをきっかけに、母もガデスさんにはまって、毎晩のように公演を観に行っていました。私がフラメンコやガデスさんを知ったのも、そのときでしたね。
 その後、実際にスペインへ行く機会がありました。私はまだ子どもでしたが、酒場のようなところへ連れて行かれて。そこで踊り子さんがフラメンコを踊っているのを見て、「おもしろそうだな」と思った記憶があります。

― カルロス・サウラ監督は、本作を故ガデスさんに捧げていますね。

ミッツ そうですね。ガデスさんが亡くなったことを、私はこの映画を観て知りました。

「子どもの頃から、舞台で華やかに繰り広げられるものを観るのが好きでした」

― 幼い頃から、踊ることに対して、とても興味を持っていらしたのですね。

ミッツ 舞台の上で華やかに繰り広げられるものを観るのは好きでしたね。(舞台を鑑賞後)家に帰ってから、ちゃぶ台の上に立って踊りの真似をしたものです。

― では、ダンスは独学で習得されたのですか?

ミッツ ダンスの基礎を習ったことはありますが、踊りのクラスって、競争になってくるでしょう? たとえば、上手な人がスタジオの前のほうで踊ったり、引け目を感じている人は先生よりも離れたところで踊るようになったり。そういうことが嫌だったんです。なので、基礎的なことをかじったあとは、自分で考えて踊るようになりました。ショーやステージでダンスをするときには、ダンサーのお友達に振付を一緒に考えてもらうこともあります。

― 今後、ご自身で開拓・創作していきたいダンスはありますか?

ミッツ 日本に生まれたからには日本舞踊はやりたいな、……と思いながら、もう20年くらい経ってしまったので、多分、やらずにこのまま死んでいくような気がします(会場笑)。

「フラメンコでは、女性の『女汁』がぶわっとあふれる」

― フラメンコの魅力はどこにあると思いますか?

ミッツ 「女性」だと思います。女性がとても情熱的で奔放に見えるところ。踊りって、孔雀(の雄が羽を広げること)と同じで、求愛や愛情表現の意味があるでしょう?
 ただ……、昨今はダンス・ブームですけど、肉体的なフラストレーションをすべてダンスに注ぎこんだり、そこへ逃げこんだりするのは、あまりよくないと思うんですよ。そうすると、潤いが足らない女性になってしまいかねないというか。せっかく習っているダンスで培ったものを、男性の前でもちゃんと表現できるかどうかが重要ではないか、と思います。

― 筋肉美のあるサラ・バラスさんや、恰幅のよい女性ダンサーや歌手など、本作に出演している女性には母性の雰囲気もありますね。

ミッツ 「色気」というと陳腐な言いかたになってしまいますが、踊りにしろ歌にしろ、(フラメンコには)セックス・アピールが感じられますね。こういったものがどれだけにじみ出るかという点が、舞台をはじめとしたエンターテインメントでは重要だと思います。そういう意味で、フラメンコでは、女性の「女汁」のようなものがぶわっとあふれるように感じます。

「ファルキートさんが素敵でした」

― 本作に出演している男性のダンサーも格好よかったですね。お好みのかたはいらっしゃいましたか?

ミッツ ファルキートさんが素敵でしたね。
 私はイタリア等の男性よりは、スペインの男性のほうが外見的には好きなんですよ。私の経験上ですが、スペインの男性は激しいです。つきあったことはないですよ。お察しください(会場笑)。

― 本作の公開直後にヴァレンタイン・デーがやってきますね。ヴァレンタインのご予定は?

ミッツ 特にありません。ヴァレンタインに参加したことが一切ないんですよ。チョコレートが苦手というのもありますが(会場笑)、こういう行事で想いを伝えるよりも、(男性に)お金を注ぎこんで解決してきちゃったほうなのでね。私にとって、想いを伝えることはまったく大事ではないんです。「その夜に、できるかできないか」という話なので(会場笑)。だから、より(情熱があふれる)フラメンコ的かと。(サラ・バラスさんの写真を見ながら)この人がチョコレートをこしらえはしないと思いますよ(会場笑)。

《ミニシア恒例、靴チェック!》
ゴールドのラインとヒールが華やかな、黒のパンプスでした。
ミッツ・マングローブさん

▼『フラメンコ・フラメンコ』作品・公開情報
2010年/スペイン/110分
原題:FLAMENCO, FLAMENCO
監督・脚本:カルロス・サウラ
撮影監督:ヴィットリオ・ストラーロ
音楽:イシドロ・ムニョス
出演: サラ・バラス、パコ・デ・ルシア、マロノ・サンルーカル、ホセ・メルセー、ミゲル・ポベダ、エストレージャ・モレンテ、イスラエル・ガルバン、エバ・ジェルバブエナ、ファルキート、ニーニャ・パストーリ 他
配給:ショウゲート
宣伝:ザジフィルムズ
『フラメンコ・フラメンコ』公式サイト
※2月11日 Bunkamuraル・シネマにてロードショー

取材・編集・文:香ん乃 スチール撮影:hal

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