『セイジ—陸の魚—』完成披露試写会—西島秀俊さん、森山未來さん、伊勢谷友介監督が登場!

  • 2012年02月14日更新

 伊勢谷友介監督が2003年の『カクト』以来、8年ぶりにメガホンを取った映画『セイジ—陸の魚—』。本作の完成披露試写会が、2012年2月10日(金)に新宿の明治安田生命ホールにて行われ、主演の西島秀俊さん、森山未來さん、そして伊勢谷監督が登壇した。個性・実力・人気を兼ね備えた3人が揃うとあって、当日は開場前から多くの観客が詰めかけ、舞台挨拶がはじまると会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

「身体を削ぎ落とすことで、精神的にも研ぎ澄まされた感じでセイジを演じることができました」(西島さん)

伊勢谷友介監督(以下、伊勢谷) 皆さんを前に興奮しています。5年かけて作った作品をやっと見てもらえると思うと、たまらないです!

― 伊勢谷監督は、劇中に出てくる西島さんの身体が締まっていて、本当に凄いとおっしゃっていましたね。

伊勢谷 自分も『あしたのジョー』(2011)であれだけ頑張って鍛えたのに、西島さんに現場で全部持って行かれました。こんな笑顔で、意外と意地が悪い男ですよ(笑)。

西島秀俊さん(以下、西島) 今回のセイジ役は、人間よりは自然とかの視点に近い役でしたので、かなり食事制限をして余分なものを削ぎ落としました。身体を削ぎ落とすことで、精神的にも研ぎ澄まされた感じでセイジを演じることができました。

— セイジは寡黙な男なので、西島さんは撮影中もあまり皆さんとはお話をされなかったそうですね。

西島 とくに撮影の前半はまったく誰とも話さなかったですね。皆も気を遣って「今、西島さんが入っているから話すのをやめよう」と言っていたという話を後から聞きました。

森山未來(以下、森山) 僕も前半は西島さんとはあまり話さなかったのですが、山奥の撮影で、廃校の体育館を控え室にしていたので、次第にふたりで待ち時間にバスケットなどをするようになって。とはいえ、会話はなくボールでコミュニケーションを取っていました(笑)。

伊勢谷 僕は監督として演出に関する話は西島さんとしましたが、ざっくばらんに話すという空気感はありませんでしたね。西島さんは本当にただそこに“居る”という感じで、役に徹する姿がまた凄いと思いました。でも、たまに用意してあったお菓子の前にずっと居たりするんですよ。かわいそうに(笑)。

西島 食べられなくても、人って見るんですよね(笑)。

「“旅人”と呼ばれる役でしたので、東京から撮影場所の日光まで自転車で行ったりしました」(森山さん)

— 森山さんは「僕」という役を自分のなかに落とし込むのにどういった作業をされたのでしょうか。

森山 劇中では僕は皆から“旅人”と呼ばれる役でしたので、東京から撮影場所の日光まで自転車で行ったりしました。旅人と呼ばれることに、自分でも「うん。俺、旅人」と思いたかったので。

— 撮影中、山奥で皆さんとずっと一緒に過ごされたなかで印象的だったことは何でしょうか。

森山 1ヶ月強くらい撮影現場にいて皆で生活を共にしていました。撮影中は天候がずっと悪くて、気温も低いし撮影もタイトでしたので体力的にもキツかったのですが、励まし合いながらも撮影に臨むエネルギーが、そこで生まれていたと思います。

伊勢谷 ロケ地で出されるケータリング(食事)が、本当にむちゃくちゃおいしかったんです。西島さんは食べられなくて超かわいそうでしたよ! 嬉々として話すのもどうかと思いますが(笑)。

西島 丼ものが多かったので、肉類をのぞいた具だけ少し食べました。本当に残念ですよ!

「大好きな役者さんが、僕の脚本を120%、150%にまで高めてくれる瞬間に立ち会えたことが、たまらなく嬉しかった!」(伊勢谷監督)

— 伊勢谷監督はカメラ越しに皆さんの演技を見ていらして、どんなご気分でしたか。

伊勢谷 今回、自分の大好きな役者さんばかりに出ていただきました。ただの良い子ちゃん役者はひとりもいない。一番初めに会った時から遠慮しない、本気で芝居をやれる人たちです。そんな人たちが、僕のつたない脚本を120%、150%にまで高めてくれる瞬間に立ち会えたことが、たまらなく嬉しかった!

西島 すごく楽しそうに見ていらっしゃいましたよね。それだけ演技に求めている量が多いんです。ほんとうに日本で一番エグい俳優たちが集まっていました(笑)。

森山 (西島さんを見ながら)こんなに映画狂いな役者も居ないですよ。

伊勢谷 褒めようとするとネガティブな言葉が出るんだよね。「この変態!」とか(笑)。今回、西島さんは僕と森山くんにかなり変態呼ばわりされていました。

西島 森山くんだって、おかしいでしょ。普通、自転車で来ないよ!

— 本作では、人が人を救うことの難しさが描かれていますが、そのことについてはどのようにお感じになられましたか。

西島 僕のなかの結論としては、日々生きていくなかで、自分のやれることを全力でやっていくということに辿り着きましたが、結論は人によって違うと思います。観ていただいた方がそれぞれ考えていただくことで、この映画は完成するのではないかと思います。

森山 映画なのである意味、物語を帰結させるための提示はしていますが、答えは観た方それぞれが、ここから先をどう考えるかというところにあるのかなと思います。

伊勢谷 試写会では、さまざまな年齢層の方が、それぞれの捉え方をしてくださいました。その年齢や経験によって違った捉え方があると思うので、1回観たら5年後にもまた観てほしいと思います。

《ミニシア恒例! 靴チェック!》
スーツがとてもお似合いの3人。それに合わせて靴もシックに決めていました。
伊勢谷友介監督 西島秀俊さん 森山未來さん

▼ 『セイジ—陸の魚—』作品・上映情報
2011年/日本/108分
監督:伊勢谷友介
出演:西島秀俊、森山未來、裕木奈江、新井浩文、渋川清彦、滝藤賢一、二階堂智、津川雅彦
撮影監督:板倉陽子
脚本:龜石太夏匡、伊勢谷友介、石田基紀
原作者:辻内智貴
音楽:渋谷慶一郎
配給:ギャガ+キノフィルムズ
コピーライト:(C)2011 Kino Films/Kinoshita Management Co.,Ltd
『セイジ−陸の魚−』公式ホームページ
※2012年2月18日(土)よりテアトル新宿ほかロードショー!

取材・編集・文:min スチール:柴崎朋実

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