『今日と明日の間で』-39歳の首藤康之のしなやかな体と強靭な魂

  • 2012年01月10日更新

ダンサー“首藤康之“。2010-2011の今を追う。
15歳で東京バレエ団に入団し、19歳で『眠れる森の美女』主役を務めてから、モーリス・ベジャール、ジョン・ノイマイヤー、 イリ・キリアン、マシュー・ボーンなど世界の名だたる振付家から愛され多くの作品に出演してきた首藤康之。2004年に東京バレエ団を退団した首藤はバレエというジャンルにこだわることなく、モダンやストレートプレイでの作品の中で新しい才能を芽吹かせていく。新作「時の庭」、首藤の新境地を開いた「空白に落ちた男」「アポクリフ」そして、本作のために撮影されたソロダンス「Between Today and Tomorrow」を通し、2010年、そして首藤が40歳を迎える2011年の現在を追う。ひとところにとどまることをせず、自分の体に向き合いながら、その先の表現を求める首藤。明日はどこに開かれて行くのだろうか 。

首藤康之という不思議な存在。
作品中の首藤がインタビューで見せるのは繊細な王子様のようなルックスに柔らかく儚い声で話す姿。守ってあげたくなるガラス細工のような存在だが、語られる言葉の中に秘められているのは世界最高のダンサーが目指す飽くなき表現の探求だ。女性的ともいえる優しく柔らかい印象を纏いながらダンサーとして禁欲的に表現を求める強さをもあわせもつのが首藤の魅力。冒頭「Between Today and Tomorrow」では首藤のしなやかな体からむき出しになる強靭な魂が見るものをつかんで離さない。

多彩なインスピレーションを与える仲間の存在
クラッシックからコンテンポラリーと首藤を取り巻く振付家、ダンサーのジャンルは多彩。本作では首藤を取り巻く人々から見る「舞台裏の首藤」が描かれている。過去の栄光に縛られることなく、新しい表現に躊躇なく飛び込み、不器用なまでに時間をかけて作品に向き合う首藤の姿は周囲に驚きを与える。バレエダンサーとコンテンポラリーはどんな化学反応を起こすのか?舞台映像でぜひ確かめて欲しい。

築きあげてきた過去からつかもうとする末来へ
バレエダンサーとしてのキャリアを積んだ東京バレエ団という過去。その輝かしい過去を背負いながら、全く新しいダンサーとして首藤が進んでいく先は、バレエを超えたコンテンポラリーダンス、演劇といった活動だ。恵まれた肉体、磨き上げられた技術を持った世界的ダンサーが探し求めている新しい表現とは?背負ってきた過去とこれからやってくる明日から生まれる表現とはなにか?彼が見つけた新しい表現の世界は劇中の踊りの中に鮮やかに織り込まれている。


▼『今日と明日の間で』上映・作品情報

2011/日本/カラー/88min/16:9/ステレオ
監督:小林潤子
出演:首藤康之  中村恩恵、小野寺修二、斎藤友佳理、シディ・ラルビ・シェルカウイ
テーマ音楽:椎名林檎『Between Today and Tomorrow』
制作:ドキュメンタリー ジャパン
製作:スタイルジャム/ロードアンドスカイ・オーガニゼーション/アースアロマジャパン
協力:新書館、チャコット
(C)2011 スタイルジャム
『今日と明日の間で』公式サイト
※ 1/7(土)より東京都写真美術館ホール他にてプレミアムロードショー

文:白玉

  • 2012年01月10日更新

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