スネオヘアーの強烈ユーモアに会場爆笑。「ともさかさんと結婚するなんて勝手な情報流しました」-「アブラクサスの祭」公開初日舞台挨拶

  • 2010年12月27日更新

all3元ロック・ミュージシャンの悩めるお坊さんが音楽を通して、再度自分の生きる道を探る「アブラクサスの祭」。キリスト生誕日にあたる12月25日、テアトル新宿にて、公開初日舞台挨拶が行われた。僧侶を演じるスネオヘアーさんの青いまでに剃り上げたスキンヘッドは撮影から一年たった現在、髪がふさふさと伸び様変わりをしたものの、加藤直輝監督、ともさかりえさん、村井良大さんとのチームワークの良さは健在。楽しい撮影現場でのエピソードに観客からは常に笑いがこぼれ、和やかに公開のスタートを切った。

スネオヘアーさんからは、「ともさかさんと結婚するなんて勝手な情報を、大桃さんみたいにツイッターで流してみたりしてすみません」とユーモアたっぷりのコメントが飛び出し、会場を大いに沸いた。今回はほぼノーカットで舞台挨拶の模様をレポートします。

まっすぐに正直に向き合ったリアリティの中にエールがあるんじゃないかなと思っています。(スネオヘアー)

suneo2– 昨年の撮影から初日を迎えた思いなどをこめて挨拶をお願いします。
スネオヘアー(以下スネオ)
:スネオです。今日はクリスマスにこの坊さんの映画を見に来ていただいてありがとうございます。ヤマトとかに比べたらアクションもないし、お金もかけてないですけれど、一人でも多くの人に見てもらいたい。“ともさかさんと結婚する”なんて勝手な情報を大桃さんみたいにツイッターで流してみたり(会場笑い)本当に見てもらいたいという気持ちだけで…申し訳なかったと思っています。
(この映画は)“答えが出ないところ”が好きなところです。“そのままでいい”“そのままで正しいんだ”という。まっすぐに正直に向き合ったリアリティの中にエールがあるんじゃないかなと思っています。

ともさかりえさん(以下ともさか):撮影から丸一年経ち、東京での初日を無事に迎え、ほっとしたと同時にうれしく思っております。個人的にも大切な、思い入れのある作品になりました。ぜひ、これからごらんいただく皆さんにも、なにか引っかかるものがあればうれしいなと思います。

suneotomosaka3村井良大さん(以下村井) :一年前の今頃、とても寒い福島で撮影をしました。寒い中のロケにも関わらず、福島の方々が暖かだったので楽しく撮影ができました。初日を迎えられたことを幸せに思います。

加藤直輝監督(以下加藤) :皆さん今日はお集まりいただいてありがとうございます。若い方から、ご年配の方まで、老若男女問わず、集まっていただいてうれしいです。一年前に福島で寒い中やっていました。その時はスネオさんも丸々と(頭を)剃っていまして…

スネオ:スイッチ入ってないよ。あ、入っている。声が小さいだけか。(会場笑い)

加藤:現場でもこんな感じでした。僕も気合を入れるために(撮影中は)頭を丸めていたんですけれど、今はすっかりこのように髪も伸びて、おなかも出てしまいまた。スネオさんはやせましたね。(スネオ、全く聞いてないフリ)たまに冷たいんです。

スネオ:撮影の間は役に集中ということがあるので、(お酒を)飲むことはないですね。
加藤:嘘ばっかり

suneokato1– スネオヘアーさん、映画初主演おめでとうございます。一年前は坊主頭になられていて、浄念を演じきっていたわけですけれど、和尚さんを演じるというのは色んな発見、また挑戦しなければならないことがあったと思うのですが、思い出に残っていること、大変だったことなど教えてください。

スネオ:色々あったんだけれど、お坊さんにはお経や(独特の)所作などがあります。頭はカツラを取ればいいだけですが(会場笑い)、着物が慣れないです。手を下げると、着物の裾がダラダラと垂れるので(手を)上げているという。仕事を増やすことが、いちいち意味があるようで、全てが慣れなかったですね。

suneokato2– 今回演じられた浄念さんとスネオヘアーさんのここは似ているな、ここは共感するなというところなどありましたか。

スネオ:似ているところはないですね。僕はオプテミスト、楽観主義者なんで。あんな風に悩むことはないです。音楽をやっているところは共通項でしょうか。

加藤:スネオさんも、お酒大好きですよね

スネオ:酒はわりと好きですね(場内が次の言葉を待って一瞬シーンとする)。監督のせいですよ(会場笑)

– 撮影の合間には気分転換にお酒を飲まれることありましたか?

スネオ:撮影の間は役に集中ということがあるので、飲むことはないですね。

加藤:嘘ばっかり

愛しい家族の話。撮影を思い返しても幸せな時間だったなと思います。(ともさか)

suneotomosaka2– ともさかりえさん、多恵さんという奥さんを演じられるなかで浄念さんとの関係性がチャーミングだなと思ったんですが、演じられてみていかがでしたか?

 ともさか:ああいう奥さんの心情っていうのは、計り知れないんですが、私はお芝居をしていて、不思議な幸福感がありました。あの夫婦だから成立しているであろう、いとおしさというか。表面的なところから受け取られるようなイメージは大変なものかもしれないけれど、愛しい家族の話だなと受け取りました。撮影を思い返しても幸せな時間だったなと思います。

– スネオさんと夫婦役を演じられて、実際、共演されてみて、どんな方でしたか?

 ともさか:どうですかね?(スネオを見て)どうですか?(二人見合わせて、コメントなし)

 

mura2– 村井さんはほっしゃん。さんの息子さん役を演じられていましたが、今回の役で感じたことなどありましたか?

村井:今回の菊池竜太という役は、もともと原作にはない映画版のオリジナルキャラクターということでした。自分自身のキャラクターとしてはリアルな高校生だなと感じたので、ぜひ、今の高校生にも見ていただきたいですね。

– 来年の1月20日から行われるサンダンス映画祭2011にワールシネマドラマティックコンペティション部門に正式招待作品として出品されることとなりました。

加藤:サンダンス映画祭はなかなか日本映画がかからないので、驚いたんですけれど、お坊さんがロックをする、しかも最後にハレルヤという賛美歌を歌う映画が、海外で特にアメリカでどのように受けとめられるのか、楽しみです。

鳥肌の立つようなライブシーン。ライブがあまりにもすごすぎて、録音技師さんがヘッドフォンを放り出して見に行っちゃうぐらい(加藤監督)

all2―『アブラクサスの祭』には熱のこもったライブシーンが映像でスクリーンから伝わってくるんですけれど、撮影の思い出をお聞かせください。

加藤:ひたすら大変でした。今回お坊さんが最後にロックのライブをするというお話なので、僕が一番この映画を作るときに最初に思ったことは実際のミュージシャンの人に浄念さんというお坊さんの役を演じてもらおうと思っていました。その願いがかなって、スネオヘアーさんに演じていただき、現場で見ていても鳥肌の立つようなライブシーンが撮れました。実際、現場で録音技師さんが、ヘッドフォンをして録音しているんですけれど、ライブがあまりにもすごすぎて、仕事を忘れてヘッドフォンを放り出して前のほうに見に行っちゃうぐらい良いライブでした。

– 実際ライブをされたスネオヘアーさんのその時に印象に残っていることなどありますか?

スネオ:とてもカオティックな感じのライブになりました。一発で撮るというのは映画の撮影手法としてはあまりやらないみたいですが、そのやり方をさせてもらったのはありがたかったです。監督と録音部が喧々諤々でやり取りをしているのを見て大変だなと。それを8時間位待って、ライブシーンをやったので、これは失敗できないなと、集中してやらないといけないなと思いました。

寒いからって言って(ライブを見に)来なかったんですよ。(スネオ)
ガンガンいました!(ともさか)

suneotomosaka5– ともさかさんはその現場をご覧になりましたか?

ともさか:リハーサルだけを拝見して、そこを見ているリアクションというのは全く別日に撮影したんです。

スネオ:寒いからって言って来なかったんですよ。

ともさか:違う。ガンガンいました!(リアクションのシーンは)リハで見た気持ちというか感覚をイメージアップして翌日撮影をしました。

tomosakamurai– 熱かったんじゃないですか?リハを見ても

ともさか:息子役の拓君も怖がっちゃって。せりふが言えなくなっちゃうぐらい、衝撃的だったみたいです。

スネオ:素人には耐えられないんですよ。

加藤:それくらい迫力のあるライブでした。

村井:僕は(現場では)見れなかったんですが、すごい迫力のあるシーンで。スネオさんの発狂ぶりというか、テンションのあがりっぷりがいいなと思いました。

suneotomosaka4– 最後にスネオヘアーさんからのメッセージです。

これから上映をするんですね?そうすると特にいうこともないんですけれど(会場笑い)。映画なんで、見ていただいて、そしてなにか皆さんの心に残ってもらえれば。幸せになって欲しいとか一点だけの気持ちではないです。嫌な気持ちになる方もいるかもしれないです。ひっかくようにとにかくなにかしらの気持ちが残ればいいなと。監督、スタッフ、僕も素人でやらせてもらいましたけれど、正直にまっすぐに向き合っているのでそういうところが伝わっていくんではないかと。ゆっくりとご覧ください。今日はありがとうございました。

 

 

アブラクサス、ティザービジュアル『アブラクサスの祭』
作品・公開情報
2010/日本映画/113分/カラー
監督・脚本:加藤直輝
原作:玄侑宗久『アブラクサスの祭』(新潮文庫刊)
出演者:スネオヘアー ともさかりえ 本上まなみ 村井良大 ほっしゃん。小林薫
©「アブラクサスの祭」パートナーズ

● 『アブラクサスの祭』公式サイト
※12/25(土)よりテアトル新宿ほか全国順次ロードショー

 

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文:白玉 スチール撮影:杉木よしみ

  • 2010年12月27日更新

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