『TSUNAMI -ツナミ-』

  • 2010年09月24日更新

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あまりにも衝撃的な映像である。人知を超えた巨大津波の襲来シーンは、体がこわばってしまうほどの凄まじい迫力だ。

2004年に発生し、死者・行方不明者22万人以上を出したスマトラ沖大地震による津波は、まだ記憶に新しい。報道の映像に驚愕し、家や家族を失った人々の姿に心が痛んだ人も多いだろう。本作では、犠牲者の数や倒壊家屋数などの表面的な数字からだけでは想像できない、より生々しい人々の死闘を描き出す。

毎夏100万人以上の行楽客が訪れる、プサンのビーチリゾート、ヘウンデ。ここでは市井の人々が、さまざまな人間模様を繰り広げながらも平和な日々を送っている。ある事情から愛するヨニに思いを告げられないマンシクは、ヨニの気持ちを知りプロポーズを計画。マンシクの弟で海洋救助隊員のヒョンシクは海で助けたヒミに、積極的なアプローチを受けてまんざらでもない気分だ。

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そんな中、国際海洋研究所の地質学者キム・フィ博士は、度重なる微弱地震を感知し現地を訪問。そこで彼は、別れた妻ユジンと偶然再会し、自分を父親だと知らない娘とも会う。博士は災難防災庁に津波の危険性を指摘するが、統計的にもそのような確率はないと言われ、取り合ってもらえない。その間にも海の状況は刻々と変化し、博士の予想通りメガ津波が発生する。高さ100m、時速800kmの巨大な津波が到来するまで残された時間はわずか10分。逃げ惑う人々は絶体絶命の状況の中、いったいどうなってしまうのか、愛する人や家族を助けることができるのか…。

大規模な水のCG技術を担当したのは、『スター・ウォーズ』シリーズ、『デイ・アフター・トゥモロー』など、ハリウッドの超大作映画に参加したCGプロデューサー、ハンス・ウーリック。彼が手がけるCGにより驚愕のスケールの津波が実現した。

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また、本作の特徴は、ただのパニック・ムービーではなく、津波襲来前の普通の人々の生活も丁寧に綴られていることだ。恋をしたり喧嘩をしたり、笑ったり怒ったり…。そんなどこにでもある日常を送る登場人物たちにいつのまにか感情移入してしまう。だからこそ、その生活を巨大な津波に一瞬にして奪われ、押し流されてしまう恐怖や悲しさが心に突き刺さる。

これが現実に自分の身に起こったらどうしたらよいのだろう。なすすべもなく、自然の脅威に打ち負かされるしかないのか。普段から防災に関心を持ち、被害を最小限に食い止めることが大切だとはわかっていても、人間の小さな抵抗には限界がある。想像を絶する自然災害の前ではいったい何ができるのだろうか。答えの出ない問いが今も頭の中で渦巻いている。

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▼『TSUNAMI -ツナミ-』
作品・公開情報

韓国/2009年/107分
原題:”HAEUNDAE”
英題:”TIDAL WAVE”
監督:ユン・ジェギュン
CG・視覚効果:ハンス・ウーリック
出演:ソル・ギョング
ハ・ジウォン パク・ジュンフン
オム・ジョンファ イ・ミンギ
カン・イェウォン キム・イングォン
製作:JK FILM
共同製作:CJ Entertainment
配給:CJ Entertainment Japan/パラマント ピクチャーズ ジャパン 共同配給
コピーライト:(c)2009 CJ Entertainment Inc. All Rights Reserved.
『TSUNAMI -ツナミ-』公式サイト(注:音が出ます)
※2010年9月25日(土)より、新宿バルト9ほか全国ロードショー。

文:吉永くま
改行

  • 2010年09月24日更新

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