『蘇りの血』初日舞台挨拶に、豊田利晃監督とキャストが勢揃い!
- 2009年12月22日更新
豊田利晃監督の4年ぶりの新作『蘇りの血』の公開初日舞台挨拶が、2009年12月19日に、東京のユーロスペースで開催されました!
登壇したのは、豊田監督と、出演者4人のみなさま。写真左から、渋川清彦さん、中村達也さん、豊田監督、草刈麻有さん、新井浩文さんです。
和やかな雰囲気の中、これから上映をご覧になるお客さまの前で、本作の魅力を存分に語ってくださいました!
「今朝、起きたら、富士山が出ていました。日本晴れです! こんな日に公開できて、めでたい!!」と渋川さんが言うと、中村さんが、「めでたい、めでたい! あっぱれ!!」と合いの手を。そんな和気あいあいとしたムードの出演者たちに、豊田監督はにっこり。
マイクを手にした豊田監督が、「(同じくこの日に公開を迎えた)『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』ではなく、『蘇りの血』を観に来てくださって、本当にありがとうございます」と、観客に向かって冗談を交えて挨拶をすると、場内は笑いと拍手に包まれました。
「熊野古道を旅しているときに、蘇りの伝説に出会って、人間が本当に蘇る瞬間はどういうものなのか、と思い、この映画を撮りました」と豊田監督。世界遺産の熊野古道。その道中にある「蘇生の湯」と呼ばれるつぼ湯で、小栗判官が不治の病を癒したという説話があり、そこからインスピレーションを受けて、この映画が誕生したとのことです。
「『蘇る人=主人公のオグリ』を中村さんが演じたことに、とても意味がある」と豊田監督は力説します。「本作を観ていただければ、この役は中村さん以外に誰ができるんだ、と感じると思います」と強く語りました。
そのオグリ役を演じた中村さんは、「役作りは特にしませんでした。『僕が導きますから』と、豊田監督が言ってくれたので、導かれるままにカメラの前に立ちました」と、豊田監督との信頼関係が窺えるコメントをしました。
大自然の中で撮影が敢行された本作。「撮影現場は危険がいっぱいだったので、『自然が味方』という感じではなかった」と、中村さんは苦笑しました。緑あふれる映像も、本作の魅力です。
舞台挨拶に登壇した紅一点の草刈さんが演じたのは、ヒロインのテルテ姫。「テルテは一途な女の子なので、そこをしっかり意識して演じました」と草刈さん。最も観てほしいシーンは、テルテ姫がオグリを想ってイザリ車を引くシーンだそうです。
渋川さんが演じた大王が、魚の首を包丁で切り落とすシーンがあります。そのときの撮影を回想しながら、渋川さんは、「生の魚を30~40匹ほど切りました。切る瞬間に僕がつい目をつむってしまうと、豊田監督が『目をあけろ!』と言うんです。(そう指示を受けて、目をあけて魚の首を切った)その瞬間に、大王という役に、すこーんと入りこめました」と感慨深げに語りました。
豊田監督の作品の常連である新井さんは、「豊田監督は、どんな監督なのですか?」と草刈さんにアドヴァイスを求められたそうです。「『なにをしてくるかわからない監督だから、気を抜かないで』と、超上から目線で答えたんです」と新井さんは笑ったあと、「豊田監督が現場で突然、演出を変えたとき、草刈さんは、ばしっと対応して、すごいと思いました。でも、僕は自分の出演シーンで、すごく気を抜いていて、共演者にアドリブをされたら、演技がとまってしまいました。その日は落ちこんで、撮影所から歩いて帰りました」とユーモアを交えて語りました。
豊田監督と出演者のみなさまの仲のよさが伝わってくる、温かさと笑顔に満ちた舞台挨拶でした。『蘇りの血』は、2009年12月下旬現在、ユーロスペース(東京)、センチュリーシネマ(名古屋)、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸にて上映中。全国の映画館にて、順次ロードショー予定です。
▼『蘇りの血』作品情報
日本/2009年/83分
監督:豊田利晃
公式サイトはこちら
取材・文:香ん乃 撮影:柴崎朋実
- 2009年12月22日更新
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