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『静謐と夕暮』大阪シアターセブンで4/23 ~29アンコール上映!行定勲監督、白石和彌監督らが称賛する才能を再びスクリーンで
- 2022年04月21日更新
梅村和史監督が2019年度京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)の卒業制作として手がけた初長編監督作『静謐と夕暮』が、大阪シアターセブンで、2022年4月23日(土)〜29日(金祝)に再上映される。
2020年度のサンパウロ国際映画祭でワールドプレミア上映され、今年1月の池袋シネマ・ロサでの上映では連日盛況を博し、3月のシアターセブンでの上映では全日満席を記録。行定勲監督、白石和彌監督ほか著名人からの称賛コメントも多数寄せられた注目作だ。
【上映スケジュール】
4月23日(土)〜25日(月)14時45分より
26日(火)〜29日(金祝)18時30分より
【場所】シアターセブン (大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ5F)
・座席予約はこちらへ
・最新情報、詳細は『静謐と夕暮』公式サイトでご確認ください。
息を呑む映像と音が導く、記憶を辿る静謐な旅へ
人生の一瞬にふと立ち止まった女性が、失いかけていた時間と記憶に触れていく物語を、監督自身による撮影で紡いでいく本作。主人公のカゲを新人の山本真莉が演じ、カゲが出会うキーパーソンの老人に扮するのはベテラン俳優の入江崇史。街、路地、森、川辺、丘……そこに通り過ぎる夏の光と風を丁寧にフレームに収め、言葉では表せない息を呑む映像と音が、観客の記憶に囁きかける。
作 品 概 要
(2020年/日本/136分/アメリカンビスタ/5.1ch)
監督・脚本・撮影:梅村和史
出演:山本真莉 延岡圭悟 入江崇史 石田武久 長谷川千紗 梶原一真 仲街よみ 野間清史
ゆもとちえみ 栗原翔 和田昂士 岡本大地 石田健太 福岡芳穂 赤松陽生 吉田鼓太良 南野佳嗣 鈴木一博
制作・美術:山本真莉 プロデューサー・録音・編集:唯野浩平
【STORY】写真家の男が川辺を歩いていると、川のほとりで衰弱している老人に、何やら原稿の束を渡す女がいた。翌日、再び男がその場所に行ってみると、その原稿を読む人々がいた。その原稿には、渡した女の書いたものと思しき、この川辺の街での日常がしたためられている。——ある日、いつものように川辺にやってきた女は、見知らぬ黄色の自転車と川辺に座る男を見た。数日後、女が住むアパートの隣室にその川辺の男が越してきた。夜な夜な隣室から聞こえる、男が弾くらしきピアノを漏れ聞くうちに、その男の生態が気になり、毎朝、黄色の自転車に乗って出ていく彼の後ろを追いかけることにした。そんなある日、隣室の男が失踪する。
※各画像はクリックで拡大表示
監督プロフィール
【梅村和史(うめむら・かずふみ)/監督・脚本・撮影】
1996年生まれ。岐阜県出身。高校時代、『博士の異常な愛情』(スタンリー・キューブリック監督)に出会い、いつかこれを超えるかっこいいものを作りたいと思い、映画の道に進む。初監督作品は『つたにこいする』(2018)。監督の他、音楽制作にも力を注いでおり、京都みなみ会館にて上映された『ROLL』『忘れてくけど』をはじめ、村瀬大智監督全作品の音楽を手がけている。本作『静謐と夕暮』は初の長編監督作品。
著名人からの称賛コメント
映画監督:行定勲 氏
この映画で描かれた停滞した時間に、どっぷりと浸かって漂った。ただ風が吹き緑が無駄に輝き、人々は生きて同時に死んでいるような時のはざま。主役の山本真莉に宿る虚無を見て、何者でもなかった頃の自分と重なっていった。彼女は原稿用紙に何を記し、何を葬ったのだろうかあのどこでもない河原にある孤独な魂を見届けながら、過去でも現在でもない時が流れ出し、いつか帰結するところを想像していた。
映画監督:白石和彌 氏
丁寧に積み重ねた映像と丹念に拾い集めた音が静かに人の呼吸を際立たせる。
一輪挿しの花のように孤独な人々を梅村監督は優しいショットで包み込んでゆく。
スクリーンと対峙しながら、いろんな問答を自分と繰り返した。長期熟成されたウイスキーを味わうように、深く記憶の余韻が広がる映画だ。
映画監督:宮崎大祐 氏
何という天才!『静謐と夕暮』は光と影と、二度とはない時間だけがつめこまれた宝石箱のような映画だ。
音楽家:原摩利彦 氏
これまで静謐について考え作品を発表してきたが、この映画には私のまだ知らない「静謐」があった。ただ台詞が少ないことや、静かな場面が多いからだけではない。きっと監督のじっと見つめる眼差しがもたらすのだろう。一方で、静謐とは裏腹に監督の強い情熱が根底に横たわっているのも感じられた。音楽まで自ら手がける梅村監督がこれからどんな映画を撮っていくのか、とても楽しみにしています。
映画監督:金子雅和 氏
2時間超えの長尺を、するすると水を飲むように快く観た。
同時に、選び抜かれた光と色と音により緻密に作られた逢魔が時の世界に浸食され、神隠しにあうかも知れないスリルを覚えた。
最後まで観終えると、もう一度どこかから観始めたくなる本作の不可思議な魅力は、初めて行った異国でひとり、知らない人たちの日常をぼんやり眺めている時の浮遊感に近い。
私はいま、『静謐と夕暮』の時空から、現世に戻って来れているのだろうか。
(編集:min)
- 2022年04月21日更新
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