田辺・弁慶映画祭セレクション2020『中川奈月監督作品特集上映4DAYS』— 上映&豪華ゲストトークで新鋭女性監督の感性に触れる4日間
- 2020年11月23日更新
いま注目すべき若手女性監督・中川奈月の特集上映!
またひとり、日本映画界に才気煥発な女性監督が現れた。名前は中川奈月。立教大学文学部を卒表したあとニューシネマワークショップで映画制作を始め、再び立教大学の大学院映像身体学研究科で篠崎誠監督に師事し、さらに東京藝術大学大学院では黒沢清監督のもとで学んだという新鋭だ。
そんな中川監督の特集上映、「田辺・弁慶映画祭セレクション 2020 『中川奈月 監督特集上映 4DAYS』」が2020年11 月29 日(日)〜12月2日(水)に東京のテアトル新宿で連日レイトショー開催される。貴重な作品上映はもちろんのこと、豪華なゲストを招いてのトークも見逃せない。
絶賛相次ぐ『彼女はひとり』含む3作を上映
深田晃司監督、黒沢清監督……ほか
豪華ゲスト陣を迎えたトークも連日開催!
上映作品は、「第13回田辺・弁慶映画祭」にて主演の福永朱梨が俳優賞を受賞し、「SKIP シティ国際Dシネマ映画祭 2018 」で国際コンペティション部門に唯一の日本映画として選出され、SKIPシティアワードも受賞した『彼女はひとり』ほか、東京藝術大学大学院在学中に制作した青木柚主演の短編『昼の迷子』、北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS 2020」の招待作品として注目された田中佐季主演の新作⻑編『夜のそと』の3作。
特集上映期間は、監督およびキャストによる舞台挨拶や、深田晃司監督、黒沢清監督、篠崎誠監督、人気漫画家の椎名うみ氏、映画活動家の松崎まこと氏、映画評論家の松崎健夫氏といったそうそうたる顔ぶれのゲストを招いたトークイベントも連日予定されている。
上映日程と登壇ゲスト(予定)は、下記の通り。ぜひチェックを!
【上映日程&ゲスト】
11月29日(日)20:50~ 『彼女はひとり』
深田晃司監督 × 主演・福永朱梨さん × 松崎まこと氏(映画活動家) × 中川奈月監督
11月30日(月)20:50~ 『彼女はひとり』+『昼の迷子』
椎名うみ氏(漫画家)× 中川奈月監督
12月 1日(火)20:50~ 『夜のそと』(『彼女はひとり』の上映はなし)
松崎健夫氏(映画評論家)× 中川奈月監督
12月 2日(水)20:50~ 『彼女はひとり』
黒沢清監督 × 篠崎誠監督 × 中川奈月監督
画像:椎名うみ「青野くんに触りたいから死にたい」
また、豪華なのは登壇ゲストだけではない。『彼女はひとり』には映画界を中心に各界の才人から応援コメントが相次ぐ。東京藝術大学大学院時代の恩師である黒沢清監督、諏訪敦彦監督ほか、『リング0 バースデイ』『おろち』の鶴田法男監督、福永朱梨も出演する深田晃司監督作『本気のしるし』の主演俳優・森崎ウィン、入江悠監督『シュシュシュの娘』が控える女優・根矢涼香、『恋とさよならとハワイ』 まつむらしんご監督、『Dressing Up』『蒲田前奏曲』安川有果監督、そして登壇ゲストでもある大人気ホラーラブストーリー「青野くんに触りたいから死にたい」で知られる漫画家・椎名うみ氏などから絶賛の声が寄せられている。
★『彼女はひとり』応援コメント
黒沢清/映画監督
恋に悩む高校生たちの物語だと思って見ていたら、⻘春という言葉からはるか隔たった、あまりにもダークで狂気的な世界観に震撼していた。これは凄い。少なくとも日本映画で、このレベルに達した学園ドラマを私は他に知らない。
諏訪敦彦/映画監督
破壊することでしか触れることができない世界を生きる、その絶対的な孤独こそが世界=映画を再生させるはずだという覚悟が全編に漲っている。そして『彼女はひとり』ですべてを敵に回し、否定することで世界を抱きしめるという離れ業を堂々とやってのけるのだ。驚嘆した。
森崎ウィン/俳優
こんなにドキドキした1 時間、味わった事がない。ストーリー運び、俳優が吐く言葉、凄く好きです。脚本が欲しい。女優、福永朱梨さん、素敵過ぎました。本人には恥ずかしくて直 接言えないのですが、そう強く思えた作品に出会えました。
根矢涼香/女優
福永朱梨さん演じる澄子の、時折訴えかける眼の奥の寂しさに心が消え入りそうになる。皆が皆、好き勝手に吐き出して、散らかして、 残されたものは顧みずに踏みつけて歩いていく。
誰もこの声など聞こえていない、見ていない。どこにもいない。幽霊はどちらかわからない。
引っ掻き回された世界で目を回さずに歩くために、 世界をかき回し直す彼女の視界は、明るくなるどころか依然混沌として、 周囲を巻き込みながら淀んだ川の底へと、ゆっくり沈んでゆく。
鶴田法男/映画監督
死の淵から帰還した少女が、ある町のおぞましい人間関係を暴いて崩壊させていく。イーストウッドの『ペイルライダ ー』と横溝正史の世界が出会ったようなおぞましい物語なのに、若い女性監督が作った爽快なまでのギャップに度肝を抜かれる必見作!
まつむらしんご/映画監督
ひとりの少女の復讐劇にみえる。彼女の動機が徐々に明かされる綿密な脚本。 行き場のない孤独と苛立ちを一瞬で伝える俳優の眼差し。ヘビーな世界観に一筋の光を差し込む繊細な演出。あえて一言でまとめるなら……傑作。
安川有果/映画監督
『彼女はひとり』、冷たくて突き放した響きのするタイトルだと思ったけど、そうではなかった。 彼女が周囲の偽善を暴き、拒絶し、破壊すればする程、カメラがその孤独に寄り添って、変化の兆しが訪れるのをじっと見守っているようだったのが心に残った。このとんでもない映画を初めての⻑編で撮ってしまった中川監督は、一体今後どうなってゆくのだろうかとちょっと心配になる。
椎名うみ/漫画家
可哀想で純粋で暴力的な嵐でした。
悲しかったです。
それはわたしがいつも物語の中に求めてる感動です。
みんな可哀想でした。 みんな助けて欲しがっていて、助けたがっていて、助けを求められても助けられないことを 許して欲しがっていて、それは愛がなければ生まれない地獄でした。
上 映 作 品
『彼女はひとり』(60分)
引き込まれる脚本、若手俳優のみずみずしい感性、
不穏な陰影に彩られた映像で魅せる、才気あふれる注目作!
(2018年/日本)
監督・脚本:中川奈月 撮影:芦澤明子
出演:福永朱梨、金井浩人、美知枝 ほか ©彼女はひとり
【STORY】高校生の澄子はある日橋から身を投げた。しかし、死ねずに生還してしまった。 学校に戻ってきた澄子は、幼馴染の秀明が教師である波多野と密かに 交際していることを知り、秀明を執拗に脅迫し始める。その行為は日々エスカレートしていく が、そこには澄子が身を投げた理由、秀明との過去に関わる、ある少女の幻影があった……。
・作品紹介:11月公開映画 短評 ―New Movies in Theaters―『彼女はひとり』
『昼の迷子』(30分)
人気と注目度がぐんぐん高まる若手俳優、
青木柚主演の短編作!
監督:中川奈月
脚本:渡部雅人 撮影:呉楽
プロデューサー:徳永理仁、トリグル
出演:青木柚、木下仁、山上直志、土村亮晟
【STORY】引きこもりの昴太は日々、近所のホームレスを監視していた。ある計画を決行しようとした日、友達の慧の邪魔が入る。
『夜のそと』(93分)
北米最大の日本映画祭「JAPAN CUTS2020」
Next Generation部門選出の意欲作
監督・脚本:中川奈月
撮影監督:周談笑、プロデューサー:大塚安希、山崎智広
出演:田中佐季、山岸健太、礒部泰宏、福永朱梨、河野宏明、小西悠加、小綿照雄、木村知貴
【STORY】地方の小さな町にそと子という女が住んでいる。ある夜、ある事を強要し、束縛する夫、敦也から逃れようと森を彷徨っていると、幹郎に出会う。彼は都会からやってきたよそ者だった。彼はそと子を気にかけはじめ、「自分ならなんとか出来る」と言うが、そと子は意に介さず、男を遠ざける。しかし、男の雰囲気に何かただならぬものを感じていた。そしてある日、町で殺人事件が起こる……。
『中川奈月監督特集上映 4DAYS』 開催情報
▼田辺・弁慶映画祭セレクション2020『中川奈月監督特集上映 4DAYS』
・日時:2020年11月29日(日)〜12月2日(水)連日20:50より
・会場:テアトル新宿(東京都新宿区新宿 3-14-20 新宿テアトルビル B1F)
・上映作品:『彼女はひとり』/短編『昼の迷子』/『夜のそと』
・入場料:前売特別鑑賞券:1,000円/当日券 1,400 円
【上映日程】
11月29日(日)20:50~ 『彼女はひとり』
11月30日(月)20:50~ 『彼女はひとり』+『昼の迷子』
12月 1日(火)20:50~ 『夜のそと』
12月 2日(水)20:50~ 『彼女はひとり』
※詳細は 田辺・弁慶映画祭セレクション2020特集ページ にてご確認ください。
・田辺・弁慶映画祭セレクション2020特集ページ
・『彼女はひとり』公式Twitter
©彼女はひとり ©田辺・弁慶映画祭実行員会
編集:min
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