「納涼!ジョン・カーペンター祭り!!」— 高円寺であの傑作カルトをもう一度! シアターバッカスでトーク&ディスカッションイベントを開催

  • 2019年08月18日更新

映画『ゼイリブ』画像12019年8月28日(水)~8月31日(土)の4日間、東京・高円寺にあるマイクロシアター【高円寺シアターバッカス】で「納涼!ジョン・カーペンター祭り!!」が開催される。

同館とミカタ・エンタテインメントとのコラボによるこのイベントは、古今の名作や隠れた傑作をチョイスして、クリエイター、オーディエンスの垣根なくトーク&ディスカッションを楽しむ上映企画「Mシネマ」のお試し&お楽しみ版となる第0弾。今回は鬼才ジョン・カーペンター監督の人気カルト作品『ゼイリブ』(88)と幻のデビュー作『ダーク・スター』(73)の2作品が上映される。

また、同館の丸山大悟支配人と豪華ゲストをナビケーターとして、連日上映後にトークセッションを実施予定。2010年代最後の夏は、高円寺でカーペンター・ワールドを語りつくそう!

※詳細は劇場HPでご確認ください。

上映作品

『ゼイリブ』(最新HDリマスター版)

映画『ゼイリブ』画像2
街を支配しているのは異形の異星人!? 
社会風刺の効いた傑作カルトSF

『ゼイリブ』は歯止めの効かなくなった巨大な資本主義に対して大声で反対を唱える映画だ。——ジョン・カーペンター

『ハロウィン』(78)『ニューヨーク1997』(81)『遊星からの物体X』(82)のジョン・カーペンター監督がサブリミナル効果による姿なき侵略を描いた傑作SFスリラー。異星人による地球侵略を、ごく一部の特権階級がマスコミや広告を牛耳り人々を洗脳、搾取していく姿として描いた本作。暴走する資本主義への痛烈な批判は、従順に飼い慣らされる一般大衆への警鐘として、製作から30年を経た現代の日本でもさらに生々しく鳴り響くであろう。

【STORY】あなたはもう、誰も信じられない——。
エイリアンによる地球侵略が誰にも知られず進行していた!
エイリアンたちの正体を判別できる特殊なサングラスを偶然手に入れた主人公は、レジスタンス運動に参加する事になるのだった・・・。(高円寺シアターバッカスHPより)

映画『ゼイリブ』_2サングラス越しに見るエイリアンの異形の姿は、今見てもインパクト大。その最先端技術を駆使したと思われるサングラスを雑に扱ったり、プロレス技が繰り出されるケンカシーンが延々と続いたり(主役のロディ・ハイパーはプロレスラー)、後半に突如壮大なエピソードが放り込まれたりなどトンデモ映画の様相を呈するが、現実社会に存在する持てる者と持たざる者の二極化など社会風刺が盛り込まれている。


(1988年/アメリカ/94分)
原題:THEY LIVE
監督:ジョン・カーペンター
製作:ラリー・フランコ
製作総指揮:シェップ・ゴードン 、アンドレ・ブレイ
原作:レイ・ネルソン
音楽:ジョン・カーペンター、アラン・ハワース
出演:ロディ・パイパー、キース・デヴィッド、メグ・フォスター、ジョージ・“バック”・フラワー、ピーター・ジェイソン、レイモン・サン・ジャック ほか
配給:合同会社是空
© 1988 StudioCanal. All Rights Reserved.

映画『ゼイリブ』物販


※『ゼイリブ』記念グッズ(ポスター/パンフレット/ステッカー)の館内販売を実施!(写真はポスター各種)


『ダーク・スター』(オリジナル劇場版)

映画『ダーク・スター』_1

独特の世界観で惑わせるシュールな珍作SF

銀河開拓の旗艦、光速探査船ダーク・スター号の航海を描いた、ジョン・カーペンター監督&ダン・オバノン出演によるカルトSFカルトムービー。冷凍室から指揮をする脳だけが生きている船長、ビーチ・ボール状のエイリアン、思考する爆弾などの個性的な世界観や、細かなディティール、衝撃のラスト・シーンが観る者に強烈な印象を残す。後に『エイリアン』(79)や『遊星からの物体X』(82)を生み出す両雄の原点!

【STORY】21世紀半ば、人類は宇宙に新天地を求めていた。その使命を担った光速航行の探査船ダーク・スター号は、優秀なコンピューターに統括され、4人の乗務員により、発見した不安定惑星を爆破し続けていた。やがて爆破作業の途中で事件が起きる。20号爆弾が指令を無視して動き始めたのだ。20号はレーザーの故障で船体から離脱できない状態だった。20号には宇宙船と同様に搭載された爆弾それぞれにコンピューターが組み込まれていた。隊員の1人が探査船の外で底に回り、爆発の準備をする20号の説得を試みるが・・・。(高円寺シアターバッカスHPより)

映画『ダーク・スター』_2想像の斜め上を行く珍作。およそ宇宙飛行士らしくないヒッピー風の乗組員たちのルックスや言動や船内の様子などから、ゆる~いSFだと思いきや……。あまりのシュールな展開に自分の気持ちが整理できず、本作を観たほかの人の感想や意見を思わず聞いてみたくなる、まさにこのイベントにうってつけの作品!


(1974年/アメリカ/83分)
原題:DARK STAR
製作・監督・音楽:ジョン・カーペンター
製作総指揮:ジャック・H・ハリス
脚本:ジョン・カーペンター、ダン・オバノン
出演:ブライアン・ナレル、ドレ・パヒッチ、キャル・クニホルム、ダン・オバノン、ジョー・サンダース、マイルス・ワトキンス
© MCMLXXIV BY JACK H. HARRIS ENTERPRISES

スケジュール・トークゲスト

“Jホラーの父” 鶴田法男監督ほか、連日豪華ゲストが登場!

8月28日(水)
・19:00〜『ダーク・スター』*上映後トークゲスト:ガイガン山崎氏(ライター/怪獣博士)
・21:00〜『ゼイリブ』

8月29日(木)
・19:00〜『ゼイリブ』*上映後トークゲスト:鷲巣義明氏(映画文筆家/ジョン・カーペンター研究家)
・21:00〜『ダーク・スター』

8月30日(金)
・19:00〜『ダーク・スター』*上映後トークゲスト:シマザキリノ氏(映画ライター)
・21:00〜『ゼイリブ』

8月31日(土)
・14:00〜『ゼイリブ』
・16:00〜『ダーク・スター』*上映後トークゲスト:鶴田法男氏(映画監督)
・19:00〜『ゼイリブ』*上映後トークゲスト:じんのひろあき氏(脚本家/映画監督)
・21:00〜「ダーク・スター」

※各回入れ替え制(リピーター割あり)
※スペシャルゲストも登壇予定

メッセージ

◇ミカタ・エンタテインメント 大森隆太代表
「Mシネマ」の名称は当社名“ミカタ”の頭文字に由来しています。
本企画では、上映場所が見つからないインディーズ映画やなかなか映画館で観られない旧作、また設備はあっても編成ができない劇場における名作の上映などを提案することで、映画を身近に感じてもらいたいと思っています。
基本的には毎回ゲストのトークイベントや座談会などを行う予定なので、映画館に集まったみんなで朝まで好きな映画の話をできれば最高です。
直近では「Mシネマ」第1弾として “生きる”映画特集(上映作品:『あん』『蹴る』『99歳 母と暮らせば』、於シネマハウス大塚)を実施します。またシアターバッカスでは今後、カルト映画やジャンル映画、ゾンビや戦争、ウェスタンなどの名作、旧作を上映する予定です。

◇高円寺シアターバッカス 丸山大悟支配人
当館ではこれまで「製作者自身が上映権を持つ」=インディーズ作品を中心に編成してきました。今後は「意図を持ってセレクションされた一般作品も上映」することで編成に厚みを持たせ、名画座的な機能も併せ持つシアターとして、高円寺を中心とした沿線一帯の客層に訴求していきたいと考えています。
インディーズ、一般作品にとらわれず、意欲的な配給を行うミカタ・エンタテインメントとのコラボレーションである今回の企画は、良い映画の価値を測る新しいモノサシだととらえています。良いクリエイターや良いオーディエンスが集い、良質のジャンル作品、影響を受けた作家について語り合う企画にしていきたいですね。このシリーズを中心に、バッカスの目指す「ダイアローグ・シアター」への一歩を踏み出せればと思っています。

 

開催概要

シアターバッカス×ミカタ・エンタテインメント≒Mシネマ第0弾、「納涼!ジョン・カーペンター祭り!!」

【開催期間】2019年8月28日(水)~8月31日(土)
【会場】高円寺シアターバッカス
(東京都杉並区高円寺北2-21-6 レインボービル3F)
【料金】一般:1500円 シニア・学生・障がい者割引:1100円 リピーター割:500円割引

※チケットはこちらのフォームから予約可能です。

 

編集・文:吉永くま

  • 2019年08月18日更新

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