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国内外の映画祭や口コミで話題沸騰！ 業界騒然のインディーズ作品がついに劇場公開

国内外の映画祭や口コミで話題沸騰し、映画業界を騒然とさせている新鋭・上田慎一郎監督の劇場用長編デビュー作『カメラを止めるな！』が、新宿K’s cinemaと池袋シネマ・ロサで2018年6月23日（土）より公開となる。監督＆俳優養成スクール「ENBUゼミナール」のワークショップ、「シネマプロジェクト」の第7弾作品として製作された前代未聞のホラーコメディだ。

37分にわたるワンカットで描くゾンビサバイブ！

「注目の若手監督」×「可能性を秘めた無名俳優たち」の生み出す化学反応で、これまでも今泉力哉監督の『サッドティー』や、岡大地監督『川越街道』といったみずみずしく独創的な作品を輩出してきたENBUゼミナールのシネマプロジェクト。

その第7弾となる今作でメガホンを執ったのは、これまで短編映画6本と長編映画1本を監督し、国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得した注目の新鋭・上田慎一郎だ。そんな上田監督によるワークショップとオーディションにより選出されたキャストはほとんどが無名ながらも個性派揃い。その一人ひとりに当て書きしたという脚本は、“37分にわたるワンカットで描くゾンビサバイブ”を主軸に展開する、挑戦的なホラーコメディだ。

先行上映とマスコミ試写は連日満席！ 公開前から異例の大盛況

ここで、本作が劇場公開前にしてどれほど話題となっていたのかを、簡単に紹介しておこう。

2017年11月に6日間限定で行われた先行上映はすぐさま口コミで評判となり、レイトショーながら連日とも午前中にはチケットが完売。評判を受けて劇場公開が決まりマスコミ向けの試写が始まると、著名な映画人たちがSNS等で次々と興奮まじりに感想を発信。試写室は連日満席の大盛況をみせた（筆者もなかなか入場できなかった）。

さらに、国内外の多くの映画祭でも話題を集め、イタリアの「ウディネ・ファーイースト映画祭 2018」で観客賞（シルバーマルベリー）の第2位に輝き、ブラジルの「ファンタスポア2018」のインターナショナルコンペ部門では最優秀作品賞を獲得。今後も続々と各国映画祭での上映が決まっている。

ロジカルなシナリオか、はたまたアクシデントか？
ネタバレ厳禁のドタバタ劇に「してやられる」！

“ゾンビもの”という擦られまくった題材、しかも低予算かつ無名なキャストで描かれた本作が、なぜここまで観客を熱狂させるのか？

「インディーズらしからぬ映像美」や「卓越した演技バトル」といった洗練された方向に想像を膨らませる方もいそうなので（……いない？）、ここは敢えて明言しておく。本作は、「良い意味でインディーズ独特のチープ臭がぷんぷん漂う、紛うことなきB級映画」である。

“計算” か “ほころび” か？ 巻き込まれる快感！

では、本作の一番の魅力は何かといえば、「そのチープさを逆手に取った“斬新な物語の構造”と、“綿密に計算された脚本”」にある。 “計算” なのか “ほころび” なのか、ちょっとした違和感と独特のテンポに翻弄され、気づけばドタバタ劇に巻き込まれている。それがたまらなく快感なのだ（実際、脚本外のアクシデントも使われているそうだが）。

その臨場感を存分に味わうためにも、ストーリーはネタバレ厳禁！筆者もこれ以上は、お口チャックと決め込もう。映画を観た方もSNSなどで感想をつぶやく際は、できるだけ核心的な部分はオフレコでお願いしたい。

限られた予算のなか、キャスト一人ひとりの個性を生かしながら“魅せる”作品を作ろうと奮闘した監督＆スタッフと、それに呼応するべく自らの持てる力を作品にぶつけた役者たち――彼らの溢れる映画愛と、ものづくりへの真摯な姿勢にも心が温まる96分。映画館を出たあなたは、「してやられた！」と幸せな余韻を噛み締めることだろう。

（Text：富田旻）

『カメラを止めるな！』新予告映像

▼『カメラを止めるな！』作品・公開情報
（2017年／日本／96分）
英題：ONE CUT OF THE DEAD
監督・脚本・編集：上田慎一郎
出演：濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山﨑俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、浅森咲希奈、吉田美紀、合田純奈、秋山ゆずき
撮影：曽根剛
録音：古茂田耕吉
助監督：中泉裕矢
特殊造形・メイク：下畑和秀
ヘアメイク：平林純子
制作：吉田幸之助
主題歌・メインテーマ：鈴木伸宏＆伊藤翔磨
歌：山本真由美
音楽：永井カイル
アソシエイトプロデューサー：児玉健太郎、牟田浩二
プロデューサー：市橋浩治
製作・配給：ENBUゼミナール

●『カメラを止めるな！』公式サイト

※2018年6月23日(土)より新宿K’s cinema、池袋シネマ・ロサほか全国順次公開

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